建軍60周年を記念して軍で初めて企画したミュージカル「MINE」の主役に我らがカンタ君が抜擢され、2008年の秋〜2009年のアンコール公演まで、立派に務め上げました。たくさんの方が見に行かれたことと思いますが、ストーリーを理解できずにご覧になった方も多いようなので、ストーリー含め、レポートいたします。
●公演概要
公演名:建軍60周年記念ミュージカル<MINE>
主催:国防省建軍60周年記念事業団
主管:陸軍本部、(株)ジュースカンパニー
期間:2008.10.17〜11.23、2009.1.30〜3.1(アンコール公演)
公演時間:100分程度
主要出演陣:イビョンジュン、アンチリョン(カンタ)、ヤンドングン、ホンギジュ、パクソヨン(本公演のみ)、イヒョンギュン(ジェヒ)(アンコール公演のみ)、イムユジン(アンコール公演のみ) 他
●公演スケジュール
大田 10.17-10.19 金・午後8時、土日・午後3/7時 忠南大正心華ホール
ソウル 10.24-10.26 金・午後8時、土日・午後3/7時 忠武アートホール
光州 10.31-11.2 金・午後7時、土・午後3/7時、日・午後2/6時 光州文化芸術会館
大邱 11.7-11.9 金・午後8時、土・午後3/7時、日・午後2/6時 大邱市民会館
釜山 11.15-11.16 土・午後3/7時、日・午後2/6時 釜山市民会館
春川 11.22-11.23 土日・午後3/7時 江原大白翎文化館
アンコール公演
果川 1.30-2.13 火〜金・午後8時、土日・午後3/7時 果川市民会館
高陽 2.20-3.1 火〜金・午後8時、土日・午後3/7時 高陽オウルリムヌリ大劇場
●ストーリー
20年前、敵軍の進軍によって作戦に投入されたイジョンヒョク中尉とチェビョンス中士は、作戦地域で離脱し、ゴムボート一台に頼ったまま恐怖の中で沼地を彷徨っていた。その時、味方のヘリコプターが到着し、イジョンヒョクは階級は後回しで、負傷したチェビョンスを先に送り出す。だがその時炸裂した銃声。イビョンスは敵軍の銃に撃たれて、縄から落ちて死ぬ。冷や汗を流すイジョンヒョク。夢だった。だが夢ではないことだ。既に中佐になっているイジョンヒョクの心には、まだそのことが昨日のことのようだ。身も心も苦痛なほど軍隊のことだけに没頭して生きるイジョンヒョクだ。
一方、舞踊コンクールまであと少しと迫った中、パートナーの約束をした長年の友人ボンテの姿が見えず、敏感になっているウノ。今日が母親の命日なのに軍隊の仕事のために遅れるという電話をかけてきた父親まで心中を複雑にさせる。その時、祭祀の食べ物を買って現れたボンテ。入営通知書を取り出して見せ、入隊のために一緒に踊るのは難しそうだと言う。慌てながらもいきりたったウノは、ボンテと争い、ちょうどボンテを探していたB-BOYたちとも言い争いの中でケンカ沙汰になり、派出所に引きずられて行く。留置場でユリはボンテの空席を自分が満たしてあげると意気揚々と話すが、ウノはそんなユリを無視するだけだ。そして幼い頃、自分を救うために交通事故で亡くなったお母さんの記憶を思い浮かべて、重い心をかろうじて隠す。
キム曹長の助けで家に戻ったウノは、軍隊のことで今日家に来られないという便りに母親が亡くなったその日も、今日も、お父さんは変わっていないと、冷たく非難する。ウノはボンテが働くガソリンスタンドを訪ねて食い下がっている渦中で再び文句をつけてきたB-BOYとトラブルが起きるが、ボンテの仲裁で危機を脱する。ユリと二人だけ残されたウノ。ユリはウノと踊りながら、ウノのお母さんがバレリーナだったという事実と、踊ることで恋しいお母さんに会っているというウノの心を知ることになる。ウノもまた、踊る理由に対してユリと同じ共感を持ち、ユリをパートナーに決める。
一方、イ中佐はマイルズ訓練作戦に突入する。様々な道の中で険しいが最も速い近道を選択して、1位奪還を目標にする。だいたいにしてもいいんじゃないかという隊員たちの不機嫌な声は、訓練の中で汗を流しながら戦友愛で一つになって行くことで消え、結局1位になる。そして無線機を通じてイ中佐の誕生日を祝う歌を歌う。歓声の中で言葉なく微笑を浮かべるイ中佐。
家に戻ったイ中佐は、自分も忘れていた誕生日を覚えていてワカメスープを作ってくれた妻に対する恋しさで胸が痛い。その時やって来たウノと向かい合うイ中佐。入営通知書を取り出して見せ、ダンスを止めて入隊するよう、助言ではなく命令するが、ウノは優勝して堂々とお父さんの下を離れるつもりだという言葉で拒否する。ただ一度も自分が何をしたがっているのか真っすぐ見てくれない父親が恨めしい。軍隊に行かない息子が軍人の名誉の傷になるということだけのためのようだ。もしかしたらお父さんさえそばにいればお母さんは死ななかったかもしれないという考え。互いにつらい記憶を持って顔を合わせる苦痛。軍人の息子が経験するさびしさ。全てのものを終わりにしたいウノだ。より一層練習に励むウノ。
その間にボンテは入隊する。ウノは自分もボンテみたいに孤児と違わないと考えていたが、ふとボンテほど人生が大変ではなかったという考えに至り、申し訳なく思い、また恥ずかしくなった。そして軍隊で未来をまた描いてみるというボンテの話に熱い心で祈祷を捧げる。練習により一層励んでいるウノは、偶然、ユリのお父さんが二十年前軍隊での事故で亡くなったという事実を知り、切ない気持ちでより一層近く感じた。一方、ユリは練習室にウノを訪ねてきたイ中佐の顔を見て直感する。二十年前、お父さんの死に関与した人であり、韓国で暮らした幼い頃、お父さんのように接してくださった。恨みよりは会いたかったその人。イジョンヒョクという事実を。