奔別炭鉱 ベルト斜坑でL字隧道に潜る
北海道三笠市
採炭法の分類は複雑だ。
採炭様式とは切羽(採掘現場の最先端)の形状で、その壁が20m以下を「短壁」、それ以上を「長壁」と呼ぶ。
それに天井様式(充填式・残柱式等)が組み合わさる。
切取方法とは発破式、ピック式、カッター式等の破砕のやり方による分類だ。
それには上向・斜向等の方向が組み合わさる。
それらに前進式・後進式、そして炭層の進行傾斜によて変化する切羽の進行方向が更に組み合わさり更に細分化される。
奔別炭鉱は現存する巨大竪抗で有名だが、
弥生坑と統合する昭和35年以前の竪抗完成前には、
ベルト斜坑からの出炭が主流であった。
竪抗完成から閉山までが11年。
今回はそれ以前の更に旧い遺構を探索する。
隧道や橋梁はその全長を短縮するために、
できるだけ直線にするのが昔はセオリーだった。
河川と垂直に交わる橋梁しかり、
谷と谷間を繋ぐ隧道しかりである。
但し、今回は3回のL字を繋ぐ不思議な廃トンネルに遭遇した。
その廃隧道を抜けて、初めて分かったその理由。
山中の隧道の謎を紐解いてみよう。
廃隧道・氷筍・火薬庫・・・