あなたの知らない豊浦ガイドツアー2020
2020年5月、胆振管内豊浦町、
大岸鉱山跡
周辺の製錬所や坑道を中心とした探索ツアーを開催。
合計6名での探検だ。
まずは林道を抜け、
笹薮の斜面を登る。
昭和8年(1933)頃から金鉱として採掘の進んだ鉱山だ。
距離は150m程度だが、
ルートは無く藪が行く手を阻む。
今回目指すのは昭和17年(1942)完成の
青化製錬所跡だ
。
やがて藪の向こうに巨大な廃祉が見える。
ここでは砕いた鉱石にシアンを付加して、
金合金と結合させる。
皆さん廃墟の撮影に余念がない。
化学反応後、今度は亜鉛とシアンを結合させて、
析出する金合金を抽出するのが青化製錬だ。
付近は鉱石を泥状に磨り潰す、
磨鉱の工程部分のようだ。
施設の高さがあり、十分注意しての探索だ。
巨大な製錬施設は延々と続く。
大岸鉱山の青化製錬所は、街の陳情をもって建設に至り
製錬所の完成と共に街の繁栄が期待された。
この天守閣のようなピークには、
かつてコンベヤーが接続し、
山の傾斜を利用して鉱石の処理を行ったのだ
。
鉱石の粉砕・磨鉱が終わると、
リーチングと呼ばれる、
シアン化ナトリウムとの溶解工程に入る。
化学反応を即する酸素や、
ガスの発生を抑える石灰と共に鉱石は化学処理される。
その反応時間は二昼夜に及ぶ。
反応後、硬く結びついたシアンと金を亜鉛を用いて分離、
金を析出させる次工程がメリルクローである。
下りつつ各自、撮影を行う。
ここが最下層の沈殿池などの施設跡だ。
実際には金山整備法の適用により、
完成後1年で閉山、製錬所の運用も昭和18年(1943)に停止された。
昼食後は移動してからの坑道探索だ。
狭い岩の亀裂にしか見えない坑口から、
一人ずつ入坑だ。
坑道はかなりの大きさの断面があるが激しく崩れている。
ここからは各自ヘルメットや、
ヘッドランプを装備しての探索だ。
鉱脈の通る坑道内を確認する。
荒々しい掘削面と先は真の闇だ。
地中の異空間だ。
意図的に閉鎖された部分もある。
酸素濃度20.9%、EXガスも硫化水素、
一酸化炭素も問題ない。
入坑約300mでコウモリも多数いる。
じっとぶら下がり動かない。
坑道は更に続く。
その後、坑道は分岐し断面の狭い脇坑がある。
こちらは坑内面がメイン坑とはことなり、
きめ細かな肌面が続く。
脇坑は約150mで閉塞を迎える。
足元には地下水が流れ出ている。
折り返して本坑へ戻る。
分岐点に戻り、さらに奥を目指す。
浮遊してるのは砂塵だ。
風の流れが無いために、いつまでも埃が舞う。
入坑から430m地点。
コウモリの楽園、この奥で坑道は閉塞している。
ここで撤退だ。
参加の皆様、お疲れ様でした。
また、たいへんありがとうございました。