X鉱山跡  探検: 北の細道 X鉱山跡

X鉱山でマダニに噛まれる


北海道某町

  昭和14年の創業から、本坑で採掘される二酸化マンガンは珪酸度が低く品位が高かった。
採鉱場から1,200mの架空索道が建設され、戦後は高品位マンガン生産のため焙焼炉3基が新設された。
マンガンはその性質上、800℃で約70時間焼入れる事で、品位が約10%向上する。
二酸化比重選鉱所(15t/8h)と翌年には炭酸マンガン比重選鉱所(50t/8h)が建設され、
やがては棄てられ堆積していた低品位粉鉱や鉱石も浮選され、回転炉による還元炉焼結も行われた。

炭酸マンガンの粗鉱は砕いて洗鉱、ふるい分け後、精鉱は竪型焙焼炉に送り、
薪を燃料として焙焼する。
つまり本坑には選鉱所と索道、
そして竪型焙焼炉がかつて存在したのだ。 竪型焙焼炉といえば八雲鉱山が連想させられる。

しかしながら入山ポイントが標高50mに対して選鉱所は200m付近。
道は全くなく、斜度も激しいようだ。


そして何よりヒグマの存在だ。付近は完全にヒグマのテリトリーであり、
今回も多数の痕跡を確認した。
獣害や滑落、遭難などいつも以上に危険を強いられる探索のため、
今回は場所を伏せさせて頂く。
また、例のごとく単独行であり危険度に比例して、満足を得る写真が少ないかもしれない。

帰宅後、わき腹に違和感がありよく確認するとカサブタのようなものが動いている。
それは麻酔成分を出しながら、皮膚を噛み吸血する「マダニ」であった。
皮膚を切開しマダニを抽出することとなり、
幸い処置が早く、大事には至らなかったが、
予想外のタスクを課せられる探索結果となってしまった。
ところがそれらタスクをも吹き飛ばす、大型物件であったのは不幸中の幸いだった。










精錬所・通洞坑・焙焼炉・・・



木造精錬所
( ̄u ̄;)木造精錬所



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