石炭集約の選炭施設
坑内から地上へ運び出された原炭はまずこのポケットへ貯炭される。
工場での処理1日分の量をまず保管する。
同じ大資本の芦別炭鉱にも同形状の原炭ポケットが存在する。
石炭庫としてのポケットの下部はd9程度の鉄筋が露出している。
ここから出された石炭は振動するスクリーン上でふるいに掛けられる。
スクリーン(ふるい)の上が炭塊で下が中塊と粉炭に分離するのである。
ポケットから連続する選炭機。
中塊と粉炭は水選機に掛けられ、
撹拌後、水洗炭・水洗ズリ・沈殿粉炭に分離される。
この漏斗の下で最初のふるいが掛けられる。
水より更に比重の大きな重液を利用する重液選鉱も、
この後の工程だ。
この施設は精炭後の処理だろうか。
精炭を濃縮するためにはシックナー、
脱水には濾過器や遠心脱水機を利用した。
こちらは更に高い位置にある施設だ。
チップラーで運炭された原炭をローラースクリーンで選別する施設だろうか。
これもかなり大きな廃墟だ。
更に山中に廃祉は続く。
微粉炭は油と共に撹拌し、気泡に付着させる浮遊選炭も行われていたようだ。
この先は精炭の工程のようだ。
今度は崖下に遺構が広がる。
こうして塊炭・中炭・粉炭・微粉炭・ズリに分離された石炭は、
いよいよ最終工程の精炭ポケットに送られる。
ここにはレイルも横たわる。
混炭、貯蔵、精炭は必要に応じて銘柄の異なるものを混合し、
需要にかなった品質に調整する。
精炭ポケットから原炭ポケットを望む。
仕上がった精炭は適時に積出が可能なように、
微粉・二号粉・洗粉・中塊・塊に分離して保管するのが一般的だ。
廃祉にからむ木々。
総括制御運転による機械化が実施されたのは昭和30年代以降であるという。
選炭の歴史は乾選-水選-重液選炭-浮遊選炭と続くが今は自然に押された廃墟が物悲しい。
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