幌内炭鉱 配水池跡 探検: 北の細道 幌内炭鉱

幌内炭鉱 配水池跡でコア抜きを見る




北海道三笠市

   昭和45年に制定された「水質汚濁防止法」によって
炭鉱廃水も浮遊固形物(=suspended solids=SS)濃度は150ppm以下に規制されることとなった。
それに伴い各炭鉱とも廃水処理設備を設置しその運転操業にも管理措置がとられていった。
無公害化を目指す炭鉱の操業形態として選炭用水の完全循環は長らく研究が進んだ項目である。

選炭工場における廃水処理で問題となるのは水中の浮遊固形物(SS)であり、
この除去のために行われてきたのがシックナーなどによる濃縮・清澄と呼ばれる沈降法である。
選炭後の処理水に含まれる最小粒径の粒子を沈降することが可能な装置が完成すれば、
上澄水は完全な清水となり繰り返し使用可能となるが、
実際にこの完全クローズド化は不可能である。

循環使用するごとに固液分離が困難となり凝集剤等をも使用して沈降を加速させ、
その再利用化を進めているものの、その用水量減少には限度がある。

必要な選炭用水量が2.6〜4.0m3/給炭tとなる中で、
全選炭用水に対し循環水量は新規の補給水の2.5〜6.3倍と循環水量の占める割合は高い。
つまり、多量に必要な選炭用水の中で再利用している水がいかに多いかということだ。

幌内炭鉱 は明治12年開坑、明治22年に北海道炭礦汽船株式会社が払い下げを受け、
幾春別層は厚さ300m、十数枚の炭層で構成され地下水は少なくガスが多いのが特徴だ。

選炭工場は旧三笠駅から3.5qの山中にあり、
3か所のシックナー、ベルトフィルターやドライヤーを介した廃水処理も充実した炭鉱だ。

今回はこれら選炭用水の確保に伴う水タンクの探索だ。
山中に残る配水池を訪ね、
選炭用水の浄化行程を確認してみたいと思う。


シックナー・フィルタープレス・パドルフィルタ・・・




選炭工程図
選炭場坑外図





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