羽幌本坑浄水場跡 探検: 北の細道 羽幌炭鉱

羽幌本坑浄水場でフローメーターに逢う





北海道羽幌町

 「川の水、三尺流れれば水清し」、これは昔からあることわざだ。
つまり河川には自然の浄化作用があり、
希釈・分解・沈殿・生物分解などの複合効果により浄化されているとされる。

きれいな川の底の石などは、表面にぬるぬるとした生物膜が付着している。
これがケイ藻・藍藻などの付着藻類とバクテリアで、
また水辺の 葦(アシ) なども汚染を吸着除去、
干潟の生物なども水質を浄化することが知られている。

このように微生物による自然浄化作用は常時行われ、
汚染水を浄化する時には酸素を消費するので、 一時的に水中の酸素は減少する。

しかし、ケイ藻などが増加し光合成などの炭酸同化作用が活発になると、
再び水中の溶存酸素量が増え、微生物の活動は活発となる。
すると有機物の分解が促進され、河川水は自然浄化が進む。

ところが、生活排水や産業排水に含まれる化学物質は自然の浄化作用を超えて残存し、
また大量の水を効率よく浄化滅菌するために浄水場は機能しているのである。


かつての羽幌本坑付近は三毛別地区と呼ばれ、
三毛別上水道は、昭和31年(1956)旧羽幌砿を給水区域として創設され、
昭和37年(1962)に水量拡張を行い、計画給水人口 5,200 人、
計画 1 日最大給水量 936m3 /日の規模を有していたが、
炭砿閉山とともに、昭和 46(1671 年)年5月31日をもって休止している。

創設時は給水人口 1,500 人、1 日最大給水量 225m3 /日で、
「伏流水」 川の一部が水に染み込みやすい場所で地中を流れる現象、地下水とは異なる を緩速ろ過していたが、
昭和37年12月28日の水量拡張認可後は、 「表流水」 地上を流れる河川の水 を利用し、急速ろ過を行った。

今回はこの羽幌本坑にかつて存在した浄水場の探索だ。
『広報はぼろ』という町誌のバックナンバーから浄水場の存在を確認してから3年間、
そして3度目のアタックにて到達した廃上水施設。
浄水場の基本的なメカニズムをも見ながら、
配水池を含む、現地に色濃く残る産業遺産を実地検証したいと思う。




急速濾過・配水池・プレシピテータ・・・




フローメーター三毛別浄水場



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