北頭鉱山 選鉱所 探検: 北の細道 北頭鉱山 選鉱所

北頭鉱山跡で選鉱所に遭遇する

岩手県宮古市

 坑内から採掘される鉱石は15〜30p以上の塊もあり、
それを12〜25o以下に砕くのが選鉱の最初の工程、破砕(はさい)である。
破砕機はクラッシャーと呼ばれる、打撃や振動を用いて鉱石を割る機械だ。
破砕後の鉱石は更に細かく砕くために粉砕(ふんさい)工程に入る。
そのときに使用されるのがボールミルである。
粉砕度は浮遊選鉱の成績にかかわるので、極微粉までは粉砕せずある程度の粒にする。

その後は網の目の付いた格子で仕切られた円筒のトロンメル内で、
粒や粉に分類、大きな塊は再度ミルに掛けられる。

その後はジグやテーブルと呼ばれる、水槽内での振動や波を用いて、
重い金属成分と軽い脈石(不要)部分に分類される。
これらは比重選鉱と呼ばれる。

また、大きな水槽内で泡に付着する金属成分を、
浮き上がらせて回収するのが浮遊選鉱である。
鉱物と脈石の比重差が大きいときはその間の比重を持つ重液用いて、
浮き沈みを利用した重液選別も用いられる。

このように鉱石の特徴やコストに合致した選鉱方法を、
場合によっては組み合わせて行う鉱物の仕分け作業を選鉱という。


以下に選鉱過程を模式化した図を掲示する。

選鉱所

本坑は昭和13年(1938)9月に出願、探鉱が開始され、
昭和16年(1941)優秀な鉱脈が発見、昭和18年(1943)には、
日産20tの浮遊選鉱場が建設され、金・銀・銅・硫化鉄・水鉛などの精鉱65tを生産した。

終戦後は複数の鉱業会社が買収を繰り返したものの、
探鉱と保坑が中心となり、金融引き締めと需要減のため、
昭和30年から休山、昭和46年11月に閉山している。

資料には6本の坑口、2か所の選鉱所が記載され、 現地で浮遊選鉱が行われたとある。


今回は選鉱所を中心に坑口の発見を期待して、
深い山中の鉱山跡を歩いてみよう。


輝泉坑・選鉱場・貯水槽・・・




選鉱所
選鉱所



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