隠された金山


当時、幕府は金山の開発に力を入れており、
様似は、にわかにゴールドラッシュと相成った。
しかし、開山後35年の1669年、「シャクシャインの乱」が発生する。
松前藩が交易レートを一方的に2倍以上に引き上げた事で、
アイヌの人々の不満が爆発。
静内地方の酋長、シャクシャインと和人の戦いが勃発し、
和平を申し込んだ松前藩により、終戦を迎えたにもかかわらず、
シャクシャインは、松前藩との和議の席で謀殺されてしまう。

このとき、金山を守るため、東金山鉱山は隠されたとされている。


えりもに近い様似町は、
自然の良港と高山植物群落の「アポイ岳」、
「かんらん岩」からなる珍しい自然地形を有し、
ジオパークとしての認定を受けている。 様似

観音山展望台 様似港を見下ろす観音山展望台。
高すぎず低すぎず、霧は多いが、
ひなびたいい展望台だ。


岡田 街を抜けて山中へ向かうと、
人家は一気に少なくなる。


牧場

山中の牧場では、

しばしば、エゾジカと馬や牛の同居が見られる。

さらに山奥へ向かう。

林道

ここからはひたすら林道の迷走となる。
この時点では位置の特定に至らず、
ひたすらダートを虱潰しに走る。


オロマップ

このあたりは新旧の林道が入り乱れて、

縦横に走っている。

林業も盛んで、伐採の跡も随所で見られる。

林道

登ったり下ったり、忙しい。
目指すは「海辺川」(ポロナイ川)上流だ。

一段と旧い基幹となる林道。

旧道

夏場は乗用車ではきついかもしれない。
羆の出そうな山中だ。

かなり登ってきたが、

渡渉

橋も無く川を渡る部分もある。
山岳林道を走るのも、やはり楽しい。



発砲注意

狩猟期間に備えて、
派手な服装も意識して山に入るようにしている。

遺跡

林道脇の山中に何かが見えた。
白い看板と石垣のようだ。

接近を試みる。

藪漕ぎ

夏の時期だけに、藪漕ぎは必修となる。
あの白い看板はなんなのか??


石垣

少し登ると、

そこには古い石垣があった。

ようやくコンクリートの建造物に再接近した。。

精錬機

一度は隠され、忘れ去られた鉱山であったが、
200年以上もたった、明治36年(1905)再び様似の住民らによって、
採掘が再開された。


碑

脇の碑には
「埋蔵文化財包蔵地 東金山遺跡」とある。



混汞精錬機跡に近づく。
明治の再開発から、採掘権は何度も移り、
1932年(昭和7年)ようやく機械化が進み、
大規模に採掘、精錬が行われた。



コンクリート槽も脇にある。

コンクリート槽

ディーゼル動力を利用し、
搗鉱機を稼働したとのことで、それなりの規模があったようだ。

ポロナイ

沢に向けて廃道を登る・・・。
ここからは脚での探索だ。


登山

沢沿いまでやってきた。
こんな山中に何かあるのだろうか、と不安になる。
この上流に鉱山施設があった。


沢

かなり登ってきた。
以前鹿道が続く。


斜面

斜面をトラバースする。
登りすぎたかもしれない。






坑口か!と勘違いしそうな穴があった。
これはただの岩穴だった。


マーキング

赤いマーキングが所々にある。
こういうものがあると少し安心する。


ペール缶

廃棄されている腐食したペール缶があった。
しかし当時のものではないかもしれない。

坑口

斜面を遡り、右岸を探す。
この付近には坑口があったに違いない。

登坂

道なき斜面を登る。
下からは森しか見えない。

坑口

ようやく坑口に到達した。
上りきらないと穴は見えず、なかなか発見には至らなかった。

坑道

坑道に突入してみよう。
冷気が来る。


こうもりと坑道跡


坑内

坑内を少しかがんで歩く。
水没はしていない。

鉱山

坑口付近から下を望む。
昭和8年の鉱量40t中金品位は15g/t。
翌年には鉱量12,000t中5g/tと大きく減少する。

大木

大木があった。
一度は切られ、その切り口から再度新しい木が育っている。
鉱山が盛んな頃からここにいたのかも知れない。


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荒れた坑口
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