隠された金山
山中の牧場では、
しばしば、エゾジカと馬や牛の同居が見られる。
さらに山奥へ向かう。
ここからはひたすら林道の迷走となる。
この時点では位置の特定に至らず、
ひたすらダートを虱潰しに走る。
このあたりは新旧の林道が入り乱れて、
縦横に走っている。
林業も盛んで、伐採の跡も随所で見られる。
登ったり下ったり、忙しい。
目指すは「海辺川」(ポロナイ川)上流だ。
一段と旧い基幹となる林道。
夏場は乗用車ではきついかもしれない。
羆の出そうな山中だ。
かなり登ってきたが、
橋も無く川を渡る部分もある。
山岳林道を走るのも、やはり楽しい。
狩猟期間に備えて、
派手な服装も意識して山に入るようにしている。
林道脇の山中に何かが見えた。
白い看板と石垣のようだ。
接近を試みる。
夏の時期だけに、藪漕ぎは必修となる。
あの白い看板はなんなのか??
少し登ると、
そこには古い石垣があった。
ようやくコンクリートの建造物に再接近した。。
一度は隠され、忘れ去られた鉱山であったが、
200年以上もたった、明治36年(1905)再び様似の住民らによって、
採掘が再開された。
脇の碑には
「埋蔵文化財包蔵地 東金山遺跡」とある。
混汞精錬機跡に近づく。
明治の再開発から、採掘権は何度も移り、
1932年(昭和7年)ようやく機械化が進み、
大規模に採掘、精錬が行われた。
コンクリート槽も脇にある。
ディーゼル動力を利用し、
搗鉱機を稼働したとのことで、それなりの規模があったようだ。
沢に向けて廃道を登る・・・。
ここからは脚での探索だ。
沢沿いまでやってきた。
こんな山中に何かあるのだろうか、と不安になる。
この上流に鉱山施設があった。
かなり登ってきた。
以前鹿道が続く。
斜面をトラバースする。
登りすぎたかもしれない。
坑口か!と勘違いしそうな穴があった。
これはただの岩穴だった。
赤いマーキングが所々にある。
こういうものがあると少し安心する。
廃棄されている腐食したペール缶があった。
しかし当時のものではないかもしれない。