カルルス鉱山跡  探検: 北の細道 カルルス鉱山

カルルス鉱山でビレイデバイスに頼る




北海道登別町

    『鐵』(てつ)の文字の語源、それは『金(かね)の王なる哉(かな)』、
つまり鉄は生活に密着し役立つ金であるという意味からきているのである。
それだけ鉄は金属の中でも重要度が高く、貴金属よりも生活には欠かせない金属なのである。

地球は『鉄の惑星』と呼ばれる。宇宙の始まりは膨張から発生したとされ、
水素や中性子、電子などが高密度、高温で閉じ込められていたものが膨れ上がり、
密度の濃淡のある中性気体から銀河ができ、渦を巻くガスの中心に核が発生。
高温の核融合反応から水素→ヘリウム→炭素・窒素・酸素ができ星となる。
完成した原子核の中で最も安定したものが『鉄』であり、
そのため地球の鉄の存在率は30〜40%を占め、すべての元素の中で最も多い。


鉄の原料となる鉄鉱石には、磁鉄鉱・赤鉄鉱・褐鉄鋼・菱鉄鋼などがある。
「磁鉄鉱」じてっこう=マグネタイト は70%以上の鉄分を含む磁性を持つ黒色の鉄鉱石としては代表的なものである。
「赤鉄鉱」せきてっこう=ヘマタイト も産出量が多く70〜90%の鉄分を含み、
黒赤色の表面からギリシャ語の『血』を語源とする。
「褐鉄鋼」かつてっこう=リモナイト は黄褐色で60%の鉄分、粘土のような状態で産出し、
天然の赤さびと呼ばれ鉱物名からは削除されている。
「菱鉄鋼」りょうてっこう=シデライト は黄黒褐色で30〜60%程度の鉄分を含み、多くの鉱物を含有、
精錬が容易で肝臓や骨格の治療にも利用される。

硫黄鉱床として採掘の進んだ幌別鉱山を有する道南の登別町には、
褐鉄鋼を産出した鉄鉱山があった。
褐鉄鋼の中でも風化して溶融した鉄分が、沼沢地に沈殿してできた 「沼鉄鋼」しょうてっこうが採掘された。
これは温泉活動が衰えた沼地が、やがて硫酸鉄を溶かし込んだ冷泉となり、
山麓や沢、沼の底にたまり、鉄バクテリアが作用して鉱床を形成した温泉地ならではのものである。

加留々壽(カルルス)市街から北北西2.8qに存在したカルルス鉱山は、
エコイカ・加留々壽・来馬鉱床があり、大正5年発見、昭和16年に企業経営が計画されたが、
終戦とともに頓挫、再び昭和25年に職員6名、鉱員50名にて再開した。
昭和27年には1万t以上の鉄鉱石が搬出されたが、鉱脈がつき廃坑となった。


今回は毎年のように冬季に訪れている、 カルルス鉱山であるが、
時期を外して各鉱床の坑口を多数発見したい。
本坑常連の 「室蘭工場夜景+α展」様 との合同探索となった。

坑道・グローリーホール・巻揚げ機跡・・・



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( ̄u ̄;)風洞跡





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