斜度40度
旧国鉄岩内線幌似駅跡である。
1985年廃線に伴い、鉄道公園として保存されている。
鉱山跡へはここから北へ向かうこととなる。
ヤチナイ川に沿って林道を登ると、
やがて開けたグラベルとなる。
ここから大切坑、中切坑ら坑口に向かう。
しばらく遡るとキタキツネが現れた。
しかも結構な時間、林道に沿って歩いている。
まだまだ鉱山跡の雰囲気はない。
この辺りからは徒歩での探索だ。
鉱山跡の予想地点まではまだ3.5㎞ある。
標高差は160mだ。
小一時間歩き、ヤチナイ川はいよいよ上流部に差し掛かる。
川床の色は付いておらず、
鉱山跡特有の赤い色もしていない。
人工物の木材がある。
標高943mの八内岳のふもとであり、
林業の痕跡かも知れない。
珍しく黄色のガードレールの橋梁がある。
いよいよ鉱山跡付近に突入だ。
鉱床図に従って進む。
少し人工的な治山の雰囲気のある沢だ。
製錬などの記録は無いが、
水利関係の施設があったのかもしれない。
明らかに人工的な荒地が残っている。
かつてはなんらかの施設があったようだ。
ここからは目を凝らして坑口を探すこととなる。
小さな砂防ダムが現れた。
右岸は露天掘りのような鉱床が露出している。
少し近づいてみよう。
周囲とは一線を画する鉱石の露出だ。
赤い岩盤は人工的な掘削跡があり、
すぐにでも崩れそうだ。
左岸の遥か頭上には坑口である。
鉱床図のどの坑道かは特定できないが、
険しい斜面の上に人工的な坑口だ。
手がかりを利用して登坂してみよう。
斜度は40°近くある。
かなり険しいが、経験値では到達可能と判断。
かなりの時間をかけて坑口に接近した。
はたしてここからどうやって鉱石を搬出したのか。
このような坑口は
大周鉱山、
御園鉱山
などでも探索している。
残念ながら坑道は続いておらず、
すぐに行き止まりだ。
恐らく試掘坑で、実際の坑口は未発見の宿題となってしまった。