羽幌本坑アプローチ
羽幌町内から築別川を遡る道々356号を約30分
曙から分岐した道々741号沿いに選炭工場から繋がる貯炭場が現れる。
石炭の主となる販売先は国鉄に52%、34%が商社経由の製鉄・発電・製紙工場向けであった。
羽幌炭の市場は昭和30年・35年・40年で確認すると、
国鉄向けが28%→10%→3%と減少しているのに比較して、
大口工場や暖房用炭の割合が増加している。
ホッパー内には軽自動車が棄てられている。
仕向け先としては留萌港から道外へ積出されるものが、
例年、全体のおよそ半数を占めていた。
貯炭場から坑口事務所へ向かう。
石炭の輸送はその生産と同一の重要性を持っている。
貯炭には広い敷地を必要とし、長期間の貯炭は困難で、
しいては生産の制限にも影響する。
崩れた選炭工場に最接近
坑内から搬出されたままの原炭には、岩石や不要な炭層のものも混入している。
崩壊した横壁からの進入を試みる。
石炭の中には塊もあれば粉もあるので、
大きさを揃え、不純物を取り去り品位を高める工程を「選炭」という。
1階部分の崩落はすざましく、RC塊が落下している。
炭車からあけられた原炭はまず漏斗(じょうご)の下で動いている一定のスクリーン(ふるい)にかけられ、
ふるい上に残存した塊はクラッシャーで更に一定の細かさに破砕され水選機に掛けられる。
二階部分は足元の空洞が多く非常に危険だ。
幾何学的で、高価なバウム等を搬出するために、
意図的に破壊された痕跡も見える。
鉄筋でかろうじて、ぶら下がるコンクリート塊。
水選機により水中で撹拌されることによって、石炭は比重により上位へ、
廃石類は下位を流れて水洗精炭・水洗ずりとなる。
つたない階段を恐る恐る登り、選炭事務所へ向かう。
精炭はスクリーンにより「塊炭」「粉炭」に分離され、
別々のコンベヤーによりそれぞれのポケットに貯炭された後、貨車積みされる。