守株(「韓非子」) 問題

 儒家の人々は,堯(ぎょう)・舜(しゅん)をはじめとする昔の聖王(先王)の政治のやり方を絶対不変のものとして信奉していたが、法家はそれを否定した。政治の方法は、世の中の移り変わりに応じて変化していくものであるとした。「守株」は、そのような彼らが儒家を批判するときにもちいたたとえ話である。

 ※ 問題本文はすべて横書きかつ白文です。問題に取り組む前に、予め教科書などで訓点付きの本文を読んでおいてもいいことにします。
 

 a宋人 @有耕田者。田中有株。兔走触株、折頸而死。因 A釈其耒而守株、 b復得兔。 B兔不可復得、而身 c宋国笑。
 今 C欲以先王之政、治当世之民、 D皆守株之類也。【『韓非子』・巻一九巻・五蠹】


問1 a宋人・b・cの読みを、送り仮名が必要なものはそれを含めて記しなさい。★★

問2 @有耕田者を書き下(訓読)しなさい。★★

問3 A釈其耒而守株において、「釈」てた理由を記しなさい。★★★

問4 B兔不可復得について、
 (1)書き下しなさい。★★
 (2)口語訳として適当なものを次から選びなさい。★★

   ア 兔を捕ってよいと許可が下りず、    イ 兔も畑も手に入れられないで、
   ウ 兔は二度とは手に入れることができず、 エ 兔はまた手に入れることができず

 (3)Bが「兔復不可得」の語順であったら、どういう意味になるか。(2)の選択肢の中から選びなさい。★★

問5 C欲以先王之政、治当世之民は「せんおうのまつりごとをもって、とうせいのたみををさめんとほつするは」読む。Cの白文に返り点を記しなさい。★★

  欲 以 先 王 之政 、治 当 世 之 民


問6 D皆守株之類也における作者の主張の説明として適当なものを次から選びなさい。★★

  ア 「当世之民」が「先王之政」の大局的な視点を全然理解していないと怒っている。
  イ 「当世之民」は、みな「兔」のように弱い立場にあると同情を寄せている。
  ウ 儒家の人たちが信奉する「先王之政」は、革新的な政策だと考え賛同している。
  エ 儒家の人たちが信奉する「先王之政」を時代に合わないものとして批判している。


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