小林秀雄「無常という事」  問題

【本文】 本文の形式段落の冒頭に下のように算用数字をあらかじめ書き入れてください。



 1「ある人いはく、比叡の御社に、


 2これは、「一言芳談抄(いちごんほうだんしょう)」の中にある文で、


 3「一言芳談抄」は、恐らく兼好の愛読書の


 4確かに空想なぞしてはいなかった


 5歴史の新しい見方とか新しい解釈とか


 6この一種の動物という考えは、かなり


 7上手に思い出す事は非常に………を見失ったからである。



【問題】(第□段落・第△文など)

  本文に、下記の( □ . △)の該当箇所に傍線や記号などを書き入れてから解いてみてください。


問1 (1.1)@ていとうていとうと、つゞみを打ちて、心すましたる声にて、とてもかくても候、なうなうとうたひけりとあるが、このように「うた」うことによって何を求めているのか、10字以内で記しなさい。★★★


問2 (3.2)Aそんな詰まらぬ事しか考えられないを、文意に即して分かりやすく言い換えなさい。★★★


問3 (3.後から2)Bそういう美学の萌芽とも呼ぶべき状態とは、ここでは具体的にはどういう状態を言うものか簡潔に説明しなさい。★★★


問4 (5.5)C歴史の魂に推参したを分かりやすく言い換えなさい。15字を越えない程度で記すこと。★★★


問5 (5.後7)D彼笑って答えなかったについて、その理由として最も適当なものを次から選びなさい★★

    イ 小説家としては賛成できないが、口調が冗談めかしていて聞き流してもよいと思ったから。
    ロ 批評家の発言であるが、小説家としても十分賛成できる言葉で、自他の立場を超えて普遍的な真理だと考えたため。
    ハ 小説家としては賛成できないが、批評家としての発言としては納得もでき、自他の立場もよく理解していたため。
    ニ 小説家として賛成できない上に批評家の言葉としてみても少し外れた結論だと受け止めたため。
    ホ 批評家として卓越した見識であり、小説家としても執筆のヒントを受け取ったと思ったため。


問6 (5.後1)E生きている人間とは、人間になりつつある一種の動物かなとは、ここではどういう考え方なのか分かりやすく説明しなさい。★★★


問7 (6.後2)F記憶するだけではいけないのだろう。思い出さなくてはいけないのだろう。とあるが、筆者は「記憶する」「思い出す」の違いはどこにあると考えているのか、分かりやすく説明しなさい。★★★


問8 (7.2)G過去から未来に向かって飴の様に延びた時間という蒼褪めた思想と最も近い内容となる本文中の20字以上25字以内の語句を抜き出しなさい。★★


問9 (7.3)H成功の期とは、ここでは具体的にはどういう機会を言うものか、20字以内で説明しなさい。★★★


問10 (7.後1)I常なるものと同じ意味となる語句を前段落から2つ抜き出しなさい。ただし、5字以上15字以内の一続きの語句とします。★★



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小林秀雄「無常という事」  exercise

【本文】 本文の形式段落の冒頭に下のように算用数字をあらかじめ書き入れてください。


 1「ある人いはく、比叡の御社に、


 2これは、「一言芳談抄(いちごんほうだんしょう)」の中にある文で、


 3「一言芳談抄」は、恐らく兼好の愛読書の


 4確かに空想なぞしてはいなかった


 5歴史の新しい見方とか新しい解釈とか


 6この一種の動物という考えは、かなり


 7上手に思い出す事は非常に………を見失ったからである。



【問題】(第□段落・第△文など)

  本文に、下記の( □ . △)の該当箇所に傍線や記号などを書き入れてから解いてみてください。


問1 (2.3)b「ゲンカクが起こったにすぎない」、(2.3)d「イゼンとして一種の名文」、(3.3)e「取り戻すスベ」、(3.6)f「スデに僕を途方もない迷路に押しやる」のカタカナを漢字で記しなさい。

問2 (2.1)a「絵巻物の a残欠でも見る様な」・(3.1)c「遜色はない」の意味として適当なものを次の中から選び記号で答えなさい。

   a イ 名残惜しいもの    ロ 一部が欠けて完全でないもの
     ハ 失われたもの     ニ 欠落がなく残っているもの

   c イ 区別が付かないこと  ロ 変化がないこと
     ハ 謙遜していること   ニ 見劣りがしないこと

問3 問題文を三つに区切った場合の一つ目と二つ目の終わりの十字(字数に句読点・記号を含まない)の組み合わせとして適切なものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。(問題文の形式段落は無視すること。)

   イ け給へと申すなり云々・うに心にしみわたった
   ロ け給へと申すなり云々・どうしたものだろうか
   ハ うに心にしみわたった・どうしたものだろうか
   ニ やしい思いがし続けた・考えられないのである

問4 (1.1)@「とてもかくても候、なうなうとうたひけり」とは、このうたい手は何を求めているのか。10字以内で記しなさい。

問5 (2.2)A「そんな経験」、(3.8)C「そういう美学の萌芽とも呼ぶべき状態」が指す内容として最も適切なものを次から一つずつ選び、記号で答えなさい。

  A イ 先日、比叡山の山王権現の辺りを、『一言芳談抄』の一節が心に浮かんだ経験。
    ロ 先日、比叡山の山王権現の辺りの青葉や石垣を眺めてぼんやりとうろついた経験。
    ハ 先日、比叡山の山王権現の辺りで、『一言芳談抄』の古写本を発見して感動した経験。
    ニ 先日、比叡山の山王権現の辺りで、『一言芳談抄』の絵巻物を見せてもらった経験。

  D イ 美を受け取る側の心身の状態に欠陥があると深く認識していること。
    ロ 美は、それを受け止める心身の状態次第で、存在したりしなかったりすること。
    ハ 美は存在するのだが、それを受け止める心身の状態が失われていると気づくこと。
    ニ 美は存在することも、それを受け止めるそれを受け止める心身の状態も、自分では意識できないこと。

問6 (2.2)B「坂本で蕎麦を喰っている間」はどのようなひと時と考えればよいか。最も適切な者を次から選び、記号で答えなさい。

    イ 非日常的な経験の余韻に動揺し続けているひと時。
    ロ 非日常的な経験に揺さぶられ続けているひと時。
    ハ 日常的な状態に戻ったひと時。
    ニ 非日常的な経験をはるかに回想しているひと時。

問7 (3.9)D「決して美学には行き着かない」は、自分の経験を出来合いの解釈で受け止めることを拒否する筆者の姿勢が現れた表現である。同じような表現だと思われるものを次から一つ選び、記号で答えなさい。

    イ 今になってそれがしきりに気に懸かる
    ロ どうもそういう便利な考えを信用する気になれない
    ニ そんな詰まらぬ事しか考えられない
    ホ 少しも疑わしい性質を見付け出す事が出来ない



問1 本文の第一段落をさらに三つに区切り、二つ目と三つ目の初めの5字を抜き出しなさい。句読点・記号も一字に数えます。

問2 (5.4)@「そういう事をいよいよ合点して、歴史はいよいよ美しく感じられた」のように「感じられ」るためにはどのようなことが必要か。文中から最も適当な動詞を抜き出しなさい。

問3 (5.5)A「彼は恐らくやっと歴史の魂に推参した」について

   (1)鴎外でさえ「やっと」だったのは、「新しい解釈」に含まれるある要素が、彼が「推参」することを妨げたからである。それはどういう要素か。文中から20字以内で抜き出しなさい。

   (2)鴎外でさえ「やっと」だったことが、筆者にとっても「やっと」だったことを示す語句を、文中から15字以内で抜き出しなさい。

問4 (5.10)B「彼笑って答えなかったが」の理由として最も適当なものを次から選びなさい。

    イ 小説家としては賛成できないが、口調が冗談めかしていて聞き流してもよいと思ったから。
    ロ 批評家の発言であるが、小説家としても十分賛成できる言葉で、自他の立場を超えて普遍的な真理だと考えたため。
    ハ 小説家としては賛成できないが、批評家としての発言としては納得もでき、自他の立場もよく理解していたため。
    ニ 小説家として賛成できない上に批評家の言葉としてみても少し外れた結論だと受け止めたため。
    ホ 批評家として卓越した見識であり、小説家としても執筆のヒントを受け取ったと思ったため。

問5 (5.13)C「死んでしまった人間というのは大したものだ」とあるが、「死んでしまった人間」が「大したもの」なのは、そこから何が現れるからか。文中からそれぞれ8〜12字で二つ抜き出しなさい。

問6 (5.16)D「生きている人間とは、人間になりつつある一種の動物かな」とは、どういう考え方なのか。文中の語句を使いながら分かりやすく説明しなさい。引用した語句は括弧(「」)で示すこと。advanced.Q2


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