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Revised: 11 February 2020
CONTENTS:趣旨・特徴][文献の分類][「憲法学参考文献表」の参考文献
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趣旨・特徴

◎憲法参考文献表は、憲法学(日本国憲法)に関する基本文献を紹介する文献表です。本表の編集方針は、日本憲法学における動向や著者の学問上の特徴が表れていると思われる文献を紹介するというものです。本表は、(1) 法学部生および法科大学院生が授業を予習、復習する、(2) 法学部生および法科大学院生が演習の報告を準備する、(3) 法学を専門としない方が日本における憲法学の動向を知る手かがりとする、といった用途に適しています。

◎憲法参考文献表は現在、小生の授業準備に用いる参考文献の覚書として作成しています。本表は、憲法学文献を必ずしも網羅するものではありません。また、憲法を精確に理解するためには、行政法文献の参照も必要です。しかし、本表においては、収拾がつかなくなるので、原則として行政法文献を掲載していません。網羅的な文献検索を行う場合、下記の参考文献のほか、各種の書誌およびデータベースを用いて検索なされることをお勧めします。

◎憲法参考文献表は、HTML 文書の特性を生かして、著者や文献に関連するウェブサイトへのリンクも一部張っています。

文献の分類

◎法学文献は、執筆目的や読者対象に応じて、いくつかに分類できます。このことは、法学を専攻する学生や大学院生、研究者にとって常識に属します。本表も原則として、通例に従って分類しています。ここでは、初学者を念頭に置いて、本表における分類を説明します。

◎ただし、最近の傾向として、入門書に演習書や判例解説書、資料集などの形式を取り入れた文献など、以下の分類をまたぐ内容をもつものが増えています。本表においては、小生の「独断」で(授業準備の際、主にどのように参考にするかという観点から)何れかに分類しています。

  1. 入門書

  2.  初学者を主な読者対象として執筆された文献です。ただし、「入門」と題されながらも、著者の学問上のエッセンスがちりばめられた、興味深いが難解な文献もあります。最近は前述した通り、さまざまな工夫をこらしたものが多く出版されています。
     
  3. 概説書/体系書・雑誌論文

  4. ■ 概説書/体系書とは、法学部生から研究者までを対象として、憲法学の内容を体系的に概説する文献です。資格試験(司法試験)受験生の間においては、試験勉強のための基本文献という意味で「基本書」とも称されます。概説書/体系書は、憲法学における「テキスト」と位置づけられ、憲法を学習する際に最も基本となる文献です。単一の著者による概説書/体系書(単著)の場合、著者の長年にわたる研究を踏まえて記述され、判例および通説(学界において通用している学説)の説明に加えて、著者の学問的見解が明らかにされています。

    ■ 雑誌論文とは、法律雑誌や判例雑誌に掲載されている文献です。(1) 市販の法律雑誌(e.g. 『ジュリスト』・『論究ジュリスト』・『法律時報』)の企画に基づき執筆される論文ないし解説と、(2) 学会誌(e.g. 『公法研究』・『アメリカ法』)や大学の紀要(大学が発行する学術誌)などの学術雑誌に掲載される論文とに大別できます。何れにせよ雑誌論文の多くは、研究者や実務家を対象とする専門的な論文ないし解説です。ただし、『法学教室』・『法学セミナー』などの法律学習雑誌に掲載される論文ないし解説は、初学者や法学部生、法科大学院生を対象として執筆されています。これらの雑誌論文を読むことで、憲法学の最新情報や動向を知ることができます。

    ■ 憲法学は、(1) 憲法総論、(2) 人権、(3) 統治機構という分野に大別されます。本表においては、憲法学全般にわたり叙述している体系書および雑誌論文を「全体」の項に、各分野について叙述しているものを「憲法総論」・「統治機構」・「人権」の各項に分類しています。
     

  5. 註釈書(コンメンタール)

  6.  実定法の条項ごとにその内容および解釈を説明している文献です。条項の解釈をめぐる論点をほぼ網羅的に取り上げて、判例学説の立場を整理しているので、これまでの議論の鳥瞰を得ることができます。
     
  7. 判例解説書

  8.  判例を解説する文献です。憲法学においても、判例は大きな意義を占めています。通常、判例1件に関して (1) 事実の概要、(2) 判旨、(3) 解説という構成をとり、判例および判例法理を説明・検討しています。文献1篇については、「判例評釈」・「判例解説」などと称されます。最近は、入門書、概説書または演習書の形式に近いものなども多く出版されています。
     
  9. 演習書

  10.  設問(司法試験等の資格試験または公務員試験において過去に出題された問題の場合もある)における論点を指摘して、論点ごとに解説と検討を加えて解答の道筋を明らかにしている文献です。
     
  11. 法科大学院教材

  12.  2004年の法科大学院発足以降、法科大学院生を主な読者対象として、法科大学院における授業実践を踏まえて教育上の工夫をこらした文献(ケースブックのほか、演習書、判例ないし論点解説書など複数の性格を併せ持つものなど)が公刊されています。本表においては、憲法および行政法(公法科目)をカバーする当該文献を「法科大学院教材」に分類し、掲載しています。
     
  13. 論点解説書など
  14.  本表においては、(1) 論点ごとに判例学説を整理・解説し、場合によっては執筆者自らの見解を明らかにしている論点整理書(「論点もの」・「争点もの」とも称される)、(2) 憲法を一通り学習した法学部生、法科大学院生および修士課程大学院生にとって参考になると思われる文献をまとめて掲載しています。
     

  15. 辞典・年表・国会答弁集・資料集・憲法集

  16.  本表においては、憲法を学習する際に有益な参考図書(辞典・年表・国会答弁集・資料集・憲法集)をまとめて掲載しています。
     
  17. 専門書(研究書)・講座・記念論文集

  18.  本表に掲載していないタイプの文献として、(1) 専門書(研究書)・(2) 講座・(3) 記念論文集があります。これらの文献は何れも、研究者や実務家を対象として執筆される学術文献です。

    ■ 専門書(研究書)とは、原則として単一の著者による著書です。(1) 一貫した研究計画と理論体系に基づいて執筆された研究書(モノグラフィ)と (2) 一定の主題の下にこれまでに執筆された論文を再構成している論文集とに大別できます。

    ■ 講座とは、一定の領域(たとえば、憲法学全般、憲法訴訟)における主要論点にわたって分担執筆・編集された論文集です。

    ■ 記念論文集とは、学界の第一線で活躍する研究者の還暦や古稀、法学部の創立何周年などといった慶事を記念して出版される論文集です。

「憲法参考文献表」の参考文献

◎専門書を含む憲法文献案内としては差し当たり、下記の文献に掲載されている文献表を御覧ください。

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