いしぶみ紀行・新潟2(長岡市・小千谷市) 三条市の信濃川には凌霄花が流れていた 心地よい目覚め。朝日に輝く新潟駅を見下ろしながら昨日のメモを作り今日の行程を復習。TVは待望の「梅雨明け」を宣言していた。 新潟駅でレンタカーを借り、コシヒカリを踏み分けて三条市に向った。 正楽寺で吉野秀雄歌碑「慈母の乳壱百八拾石とかや 愛しきことは世に残りけり」にご対面。新潟市は不発に終っただけに、無事に探し当てほっとしたものの、碑文の内容についての勉強不足を悔いる。信濃川河畔の与謝野晶子碑では凌霄花が満開の花で歓迎してくれた。広がる伸びやかな風景が目に優しい。青空の下の晶子歌碑「くろ雲と越の大河の中にあり 珊瑚の枝に似たる夕映」も素晴しい出来で気持ちは快晴。この天気なら凄まじい落日が歌碑を飾る所が見える筈だが、旅人は留まることを許されず、隣の小千谷市に走った。 西脇順三郎のふるさとを歩く 再び、田圃で埋め尽くされた平地を一直線に走る。日本一のお米の上を走る。何だか勿体ない気分。所々に大震災の跡を見る。 小千谷市は信濃川の段丘地帯に蹲っていた。人口4万人のこの地に足を運ばせたのは「西脇順三郎」と司馬遼太郎の小説「峠」であった。これ以外は「小千谷ちぢみ」「豪雪地帯」「2004年の大震災」とたったこれだけの言葉しか知らない。従って、この街は「西脇順三郎」に沿って歩く他ない。歩きだす前に生涯を見ておこう。
メニューへ戻る −P.01− P.02へ |