長野・長野市西長野 往生地 1334 往生寺
*s.34.04.20. 水野善凱建立
*善光寺から西へ、リンゴ畑の葛山の急斜面を登る。人も車も息を切らして辿り着くと長野市街が一望の絶景地が待っている。見学料金の支払小屋には「夕焼小焼」の木製の額。鐘楼脇に鐘を見上げるように「夕焼小焼」が建っている。作曲者・草川信は当地・長野市の人。寺の鐘の音を思い浮かべながら作曲したとの縁で当寺にも建碑。狭い境内には松尾芭蕉・小林一茶句碑などあり.石段を登った道心御廟の近くには、この寺を描写した島崎藤村「破戒」の文学碑が建っている。寺の開基は高野山の秘話で有名な刈萱道心。
長野・長野市平柴 1173 阿弥陀寺
*s.34.04.12.長野白雲会・梵鐘再建記念建立
*不便さ故に何度も見逃していた。旭山の中腹にある小さな寺。平柴の部落から曲がりくねったリンゴ畑の急勾配を登る。民家のような赤いトタン屋根の本堂に辿り着くと頬を秋の風が撫でた。市街が眼下に広がる。少し荒れた碑面にはカラス、童子の線画も併刻されていた。本堂より立派な鐘にも「夕焼小焼」が刻まれていた。草川信は作曲時の心境を「善光寺や阿弥陀堂の鐘の耳の底にかすかに鳴っていた」と言う。作詞者の鐘は「故郷・陣馬街道の鐘」作曲者の鐘は「故郷・善光寺平の鐘」と何れも故郷で聞いた鐘が心の鐘の音であったようだ。
長野・東筑摩郡本城村 東条 1828 花顔寺
*s.32.05.26、 花顔寺檀徒代表古村青山氏建立。
*木曾山中の小さな本城村。人家も少ない山懐にその寺はあった。白壁に護られた狭い前庭には雨紅の碑は無く、本堂裏を探していると「無断で入らないで下さい」と大音響。平謝りしながら尋ねると「本堂右手の山道を登りなさい」と渋々教えてくれた。細い山道をよじ登る。見上げると立派な赤松。山は今が盛りの松茸の群生地なのだ。成程、松茸山なれば住職の大声も納得できる。赤松の根元で「夕焼小焼碑」にご対面して宿願を果たした。帰り際にお礼に伺うと「雨紅さんは何度もこの不便な地に足を運ばれました」と先程の剣幕は消えて、遠来の客人を迎える笑顔があった。
静岡・浜北市平口 5052 不動寺
*s.55.11.当寺14代住職 泰明庵道建立
*浜北市の郊外、天竜川の段丘に建つ不動寺は古刹だが不便な所。夕焼小焼碑は鐘楼の脇。碑面右下には子供.山の端の月の線画も併刻されたなかなか立派な碑であった。前日、碑の所在を電話で確かめた所為か、碑を見ていると庫裏から住職が現れて、「ようこそお訪ねくださいました。毎日17時にはこの鐘を鳴らしています。ご本尊はご利益が有りますので是非ご参詣ください。裏の万葉公園は素晴しいですよ」と親切に教えてくれた。境内には芭蕉句碑ほか沢山の句碑が立ち並ぶ。秋の夕暮は早い。もう直ぐ夕焼小焼だ。
兵庫・龍野市龍野町 龍野公園 「童謡の小道」
*h.01.05.05.龍野市.ふるさと創生事業の建立.
*兵庫県龍野市、人口4万人の小さな町には沢山の呼び名がある。「醤油の町」「白壁の城下町」「揖保の糸・そうめんの町」私には「童謡の里・三木露風の故郷」。揖保川の川風に吹かれながら町に入り、古い町並を抜けて白鷺山へと向う。入口には三木露風の「赤とんぼ」童謡碑。急坂の先に国民宿舎「赤とんぼ荘」。ここから左手の南斜面に「哲学の小径」が伸び、辿れば三木清(当地生)の哲学碑など。右手の展望台に向って「童謡の小径」。七基の著名な童謡を刻んだ碑が夫々趣向をこらしたデザインで立ち並ぶ。碑の前に立つとその童謡のメロディーが流れてきて一気に童心に帰る。
                                                           
「夕焼小焼」童謡碑 アルバム 3