老いの道 (1) 渡島当別への道は 曠野の道 曠野の道は 迷路ばかり 秋の饗宴に潜む迷路は 老いには複雑すぎるというのに 親しい人とも次々別れ 飛んで来いというのか 独りで 秋に迷い込んだ 北の蛍よ お前の季節は既に過ぎたが 夕映えに いしぶみを並べ 闇に消されぬ 赤い灯を点せ 渡島当別への道は 曠野の道 曠野の道は 迷路ばかり |
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老いの道(2) 神威への道は 巡礼の道 巡礼の道には 風ばかり 積丹ブルーが隔てる その距離は 老いには遠すぎるというのに 過去も未来も吹き飛ばす 風と共に 這って来いというのか 冬に迷い込んだ オロロン鳥よ お前の翼は疲れているが 鮮やかに 飛行機雲を描き 風に消されぬ 飛跡を残せ 神威への道は 巡礼の道 巡礼の道には 風ばかり |