
朝7時過ぎ。高浜港。
松山市を6:25に出る伊予鉄高浜線に乗ってきました。当然ホテルで朝食は取れませんからコンビニでおにぎり買ってきてます。(^^;
毎度のことながら朝食は船の中で♪

朝一番のフェリーが来ました。三津浜を出てゆっくりと弧を描くようにこちらに向かってきます。今日もいいお天気♪

フェリー「ななしま」。
もうすっかりなじみになった船。
7:10、すっかり耳になじんだこのメロディーを聴きながら高浜出航。
いいですね~、やはり船旅は。瀬戸内の猫旅を始めてもう13年。でも猫に会う楽しみだけじゃない。このゆったりした船旅の楽しみも何物にも代えがたいです。内海だから船酔いする心配もないしね。(^^;

今日は風も穏やか。忽那の海も鏡のよう。

睦月島が近づいてきました。

7:40、定刻に睦月港に入港。
いつもの場所に歩いていくと…

チャトラーズ、いました。

みんな元気なようでなにより。

でも、いつも朝ご飯をあげてたお母さんの姿がありません。いつもこの時間には外に出てることが多いんですが。
しばらくすると猫たちのゴハンを持ってやってきたのはあのお母さんの妹さん。
「姉さん、今入院しとるんよ」
以前から腰の具合がよくなかったのは存じていましたが…。

なんでも悪いのは股関節らしくて今は自力では立てない状態で術後のリハビリをしているそうな。
「だから今は私がこの子たちの面倒を見とるんよ。他にも手伝うてくれる人おるけど」
「いつ頃戻ってこられるんですか?」
「さあなぁ~。ちょっとかかるかもしれんね」
なんでも本人は猫たちのことをかなり心配してるようで。
「ウチらが面倒見るから心配せんでええ言うとるんやけどね」
「ゆっくり遊んでって」と春みかんをいくつか渡してくれました。

みかんの島、睦月。
しかしこの島はかなり高齢化が進んでしまっていて平均年齢は75歳となっています。この島に10年以上通っていますが年々島全体が限界集落となっていくのが肌で感じられますね。訪れるたびに人が減っていく。みかん畑で働いている人が老いていく…もちろん収穫時には四国本土から応援の人が来たりすることもありますが、やがては畑を維持することも難しくなってしまうでしょう。そうなればこの「みかんの島」はどうなってしまうのか。数年前、猫たちの避妊去勢手術をしたのも「もう面倒を見る人がいなくなってしまうからせめてこの子たちの代まではしっかり世話してあげたい」という思いからなんですよね。

そうした島民の方々の複雑な思いを、この島を訪れる人の何人がわかっているんだろう…。

猫たちもひょっとしたら島のそんな実情をうすうす感じ取っているんじゃないかな。
猫って敏感な動物だから…いつもやさしい島の人の心の裏にある思いを。
彼らの人懐っこさの裏には「お願いだから皆元気でいて!」という思いがあるかもしれない。


さて、よくよく見ると猫の数が…私の記憶が正しければ数匹足りない。
去年の秋と頭数は変わってないってさっき言ってたけど。
ということは何匹か港に行ってるのかな??
ちょっと港に行ってみることにしました。
と、私のあとをついてくる二匹。(^^;

前にも書きましたが、朝のこの時間、港で日向ぼっこをしている子がいることがあるんですよね。もちろんいつもというわけではなく、全くの彼らの気分次第ではあるんですが。当然朝ごはんの時間に学校にいないわけだから朝メシ抜きになるのか…というとそういうわけではなく帰ってから家の前でニャーニャー鳴いて催促に行くそうです。(^^;
ちょっと小さな段差を登って角を曲がると漁港。
あれ?でも誰もいないなぁ。
港に来たんじゃなかったのかな?ねえ。

今朝は風もないので水面は鏡のよう。今日は一日こんな穏やかな感じかな。

まだ8時前なので過ごしやすい空気感。でも今日は23~4℃まで上がるかもしれないとか。


一緒に来てくれた二匹をモデルさんにしてのんびり撮影会していたら、向こうの方から歩いてくる子が。

二匹とご挨拶。

この後、ぞろぞろともう二匹出てきて総勢5匹に。
考えてみれば、ここ睦月の港で朝の撮影会を始めてもう10年以上になります。最初は偶然朝港にいる猫たちを見つけて写真を撮り始めたのでしたが、回数を重ねているうちに彼らも私の顔を覚えてくれたのか、私が港に向かうとこの二匹のように小学校から一緒についてきてくれる子も出るようになりました。撮影会終わった後にはモデル料としておやつあげたりしてるから、それを覚えちゃったかな?お母さんの話では他の人ではそういうことはないそうです。

ここに限らずですが、私は島猫を撮影するとき初めからカメラを構えてファインダーを覗きっぱなしでシャッターチャンスを狙うなんてことはしません。外猫撮影をしてる人でたまにそういう人を見かけますけど、それは逆効果です。
猫は敏感な動物ですから、こちらの心の緊張というのは敏感に感じ取ってしまいます。
こちらが気を張り詰めた状態でいると猫はそれを敏感に察知して「何かされるんじゃないか」という警戒心を抱きます。そうなればカメラを持ちあがて構えるというさりげない動作でさえも彼らの警戒を誘ってさりげなく遠ざかって行ったり逃げたりします。

だから、私はいつもカメラは肩からぶら下げたままで地面に腰を下ろしただただ彼らの様子をぼんやりみつめているだけ。たとえ彼らが私から離れて行ってもすぐ追ったりはしません。
そうこうしているうちに彼らが警戒心を次第に解いて動きが少なくなってきます。
そうなってからおもむろにカメラを取り上げてファインダーを覗きます。初めは望遠レンズで。そして次第に中望遠・標準とレンズを変えていきます。

ところがこのレンズを変えるというのが意外に面倒くさい。(^^;
カメラマンがこんなこと言っちゃいけないんだけど…。
だもんで今回はカメラをあえてAPSサイズの7DMarkⅡにしてEF-S18-200mmという高倍率ズームレンズをつけてます。これだとレンズ交換の必要はないんですよね。
ただし…画質は各段に悪くなる。レンズ自体の解像度が落ちるのに加えて開放F値が3.5~5.6という広い幅ですからね。私は基本的に背景をボカシ飛ばしたいなどの特定の作画意図がない限り絞り開放というのはほとんど使いません。開放F値より2/3~1段絞った状態で撮ります。だからテレ側で撮影する場合このレンズだと最低f7.1まで持って行かねばならず晴れてる日はともかくちょっと暗い空のもとではISO感度を上げなきゃならない。基本的に私は古い人間なのでやはりISO感度は低く抑えたいほうです。晴天下なら100~200、曇天下で400~640がメイン。1600以上の感度はあまり使いたくない。今の機材はその気になればISO25600まで使えるんですけどね。それでも。

メインの愛機であるフルサイズの5DMarkⅣならば使用するレンズもすべて開放F値はF4なのでそういう点はいくらか楽ですが、その代わりレンズは広角~標準域と望遠域で2本必要になります。それでも今まで私はそれにこだわってきました。少々重い思いをしてもいい絵を撮るために…と。

でも今回はあえて7Dで広域ズームを使ってます。画質が落ちるのは承知の上で。
結局「いい写真」って何?と改めて思ったんですよ。画質がすべてだろうか?そうじゃないだろ、と。
要は相手の(猫の)表情が活き活きと捉えられればそんなものにこだわる必要どこにもないじゃないかと。「私は写真家です」的な妙な見栄を張る必要がどこにある?いい写真とは「機材」で撮るものじゃないはずだ、猫たちとの心が通いあっていなければどんないい機材を使ったところでいい写真なんか撮れない。

猫を本格的に撮り始めて13年、今までどこかそんな見栄を捨てきれてなかった自分がいたんですよね。
だったら、メインの愛機で撮るのもいいけど、たまには画質が落ちても汎用性の高い機材で撮ってみてもいいんじゃないかな。どちらもそれぞれいい点があるのだから。
5月というと最近は夏日も多い。そんな中、レンズ交換って億劫なんですよね。特に私は暑さに弱いんで。(^^;
だから瀬戸内の撮影も11月はフルサイズ、5月はAPSでいいかな、と。

あの~、キミ、重いんだけど。(^^;

この日は珍しく岸壁の西側に漁船がもやってありました。

風の弱い瀬戸内ではよく見かける帆のついた漁船。入港していると帆を畳んでいるので遠目には小さなヨットのようにも見えます。

おやおや、キミはどこに登ってるの?

整備のためでしょうか、岸に陸揚げされていた漁船。

猫たちの遊び場になってるような。(^^;

あれあれ、この子は操舵室に入っちゃって。

ネコ船長さん?(^^;

たぶん、後で漁師の方が猫の足跡見つけて「またここで遊んだな」と苦笑いするんでしょうね。
ここ睦月はみかん栽培がメインの島ですが、漁業を営んでいる方もおられます。昔はタコ漁も盛んだったそうですが、今はタイ・メバルなどを主に獲っているそうです。

昔から、漁師さんは猫をよく飼ったんですよね。網を破るネズミ対策に。
でもみかん栽培と同様、漁業に従事する方も高齢化が進んでいます。

だいぶ陽が高くなってきましたね。

さあ、そろそろ帰ろうか、みんな。

行くよ~!




小学校に戻ってきました。

おかえり~。


もうすぐ10時。さすがに陽が強く降り注ぐようになって陽射しを避けて日陰に入ってる子も。

さて私もちょっと一休みしたら、海を見に行こうかな。

また来るからちょっと待っててね♪