睦月島には島を「8」の字(を横にしたような)にめぐる道があります。
下の案内図を見るとわかりやすいでしょうか。
もともとは農道なのですが、二十年位前から「睦月スカイライン」と名づけられた散策ルートにもなっています。
東側のルートは「西国三十三か所」、西側のルートは「四国八十八か所」と呼ばれていて、それぞれに道端に小さな野仏が置かれ、それを巡礼しながら海を眺めて歩くというルートです。東側の「三十三か所」はこれまで何度か歩いたことがあったのですが、西側の「八十八か所」はこれまで行ったことがない。西側のほうが距離長いんですよね。
今日は時間に余裕があるのでそちらに行ってみようかと。
集落を抜け、
歩いていけばみかん畑。
ここも今みかんの花が盛り。いいにおいがします。
みかん畑を両側に見ながらゆっくり歩いていくと、やがて道はゆるい上り坂になって分岐点。
ここを右手前に折れていくと東側の「三十三か所」ルート。今日はこれを道なりに。
さらに進むと坂がややきつくなり、再び分岐点。ここをさらに左に入ると「八十八か所」ルートに入ります。
目の前に海が広がり、
足元には野仏。
こちらの野仏は東側のそれとは違ってお寺の名前が。これは実際の「四国八十八か所霊場」のお寺の名前が刻まれています。
つまり、このルートを歩けば実際の八十八か所巡りをしたのと同じ霊験があるということ…かも。(^^;
だから五十一番は「石手寺」。
歩き始めて気が付いたんだけど、私は逆順で歩いていたんですね。
番号順に歩くには時計回りに歩かなきゃいけないようで。今は反時計回りに歩いてるものね。ま、いいか。(^^;
それにしても本当に海がきれいです。
この海を見るだけでもここを歩く価値があると思う。
左に見えるのは中島。右奥に霞んでいるのは芸予諸島と本州。
睦月島は東西を中島と野忽那島に挟まれていますが、どちらも狭い海峡になっています。特に中島との間にある瀬戸木海峡の潮の流れは早く、小さな高速船はこの海峡を通ることができません。
道々に野仏を拝みながらゆっくりと歩きます。
こんな島の裏側にもみかん畑が。さきほど港で会った方が荷積みの作業をしていました。
「あれ?こっちまで来たんだ」
「ええ。海の写真も撮るもので」
「きれいでしょ?ここの海」
「はい。好きですよ、睦月の海」
「うれしいこと言ってくれるね~」
と、ジュースを一本いただきました。(^^;
さらに歩いて島の真西側に来ると…、
これはきれいだ。今まで東側の野忽那を眺める海がすごくきれいだと思っていたけど、ここはその数倍の美しさ。
瀬戸内らしい多島美が味わえる場所。手前にあるのは高島と殿島。奥に見えるのは小市島と横島、右手奥は二神島かな。
時間は11時半過ぎ。ここで景色を眺めながらお昼ご飯にすることに。朝松山のコンビニで買ってきたおにぎりだけど。いただいたジュースを飲んで。
こんな風景を独り占めしてるかと思うと写真家冥利に尽きます。(^^;
そうだ、秋はここで夕陽を撮ってみたいな。11月に…。
やがて右手から汽笛が聞こえて、
フェリーが白波を蹴立てて走っていきます。中島大浦から松山に向かう便ですね。この便は松山の三津浜を10:55に出て睦月・野忽那に寄港して中島の大浦港に11:30に着き、そこからはどこにも寄港せずに瀬戸木海峡を抜けて反時計回りで一周する形で松山に戻っていきます。
このフェリーを追いかけるようにゆっくり歩いて…。
やがて睦月の港が見える場所まで戻ってきました。
時刻は12:30。
ちょっと暑くなってきたかな。
農業倉庫横のホワイトボード。怒和島にもありましたが、花が咲くこの時期がみかん栽培にとってもっとも大事な時期なのだそうです。
学校まで戻ってきました。
猫たちはお母さんからおやつをもらっている最中でした。(^^;
「山行ってきたの?疲れたじゃろ」
そう言って、カラマンダリンをいくつかくれました。
これ、ほんとに美味しいんですよね。この時期にみかん食べられるなんて思ってなかった♪
これ、もともとはアメリカのキングマンダリンという品種と温州ミカンを交配させてできたものらしいんですが、かつては酸っぱくて売り物にならなかったそうです。ところが、畑で放置しておいたら4月~5月ごろにヒヨドリが群がっているのを見て、改めて味を見てみたらすごく甘くなっていたというので再認識されたそうです。長い期間樹になっていることで甘味が出るんでしょうね。「春みかん」として有名なのはそのためです。
ヒマそうにしてる猫たち。(^^;
ちょっとお散歩行こうか?
気が付いてみたら、帰りの船の時間が迫ってる。
最後に遊ぼう!
14:48発のフェリーで松山に戻ります。昨日と同じように最終のフェリーの時間まで居残ってもよかったんだけど、明日は松山を朝6時の特急で発ちます。早めに寝ないといけないし…。
ちょっと、いやかなり後ろ髪を引かれたけれど、次に来る秋を楽しみに。
チャトラーズのみんな、そして島の方々、ありがとうございました。また秋に来ますね♪
第二部「佐柳島」に続く