ねこたび日記

2023年11月20日(火) 続き 
猫たちはすっかり落ち着いてぽよぽよ。

さて、これからちょっと山を歩いてこようかな。睦月に来ると恒例の山歩き。
「山に行くの?じゃあ、これ持って行って」
とお母さんからまたみかんをもらってしまいました。すみません~。

小学校のすぐ先にある鳥居。

この先にある八幡神社の鳥居ですが、見てわかる通り安政年間に建立された古いものです。
山の方へと歩き出したら猫たちがついてきて。(^^;

集落を抜けてみかん畑の小道へ。
昨日は時間がなかったのでちょっと歩いてすぐ浜の方に抜けましたが、今日は分岐点を山側に折れて徐々に坂道を登っていきます。ところどころで歩を停めて写真を撮りながらゆっくりゆっくりと高度を上げていきます。いただいたみかんを頬張りながら。
睦月島には、島全体を8の字を横にしたような道が通っています。基本的にはみかん畑を結ぶ農道なのですが、「睦月スカイライン」と呼ばれるウォーキングルートにもなっていて、瀬戸内の海を見ながらのんびりウォーキングを楽しめます。その路には野仏が間隔を置いて置かれていて、東側ルートは「西国三十三ヶ国巡り」、西側は「四国八十八ヶ所巡り」とも呼ばれています。

この絵日記を以前からご覧になっている方はお分かりの通り、東側は私も何度か途中まで歩いています。でも一周したことはないので今日はぐるりと一周歩いてみようかと。東側ルートは一周約7km。のんびり歩いても2時間あれば充分。お昼ごろには戻ってこられるでしょう。

山の斜面のみかん畑。その傍らの農道には、

「バタバタ」と呼ばれる運搬専用の車が。これ、その名の通り走り出すと「バタバタバタ…」という派手な音がするんですよね。(^^;
睦月の港を見下ろす地点まで歩くとフェリーが出て行くのが見えました。10:55発の中島行き。昨日はこの船で来たんですよね。

ゆっくり歩きながら、この船を追いかけるように撮影。今日も海はきれいです。この瀬戸内の海の色に魅入られたかもしれないな…。
野忽那島に向かっていくフェリー。あの岬を右に回ったところが野忽那港。

船が右に舵を切っているのがわかりますでしょ?
野忽那も以前行ったことがありますが、睦月に比べるとこじんまりとした島でした。猫は数匹しか見ませんでしたけどきれいな砂浜が印象に残ってます。

気温17℃。ちょうどよい陽気ですが、さすがに歩いているとちょっと汗ばみますね。いただいたみかんが有難かった。
やがて野忽那を出た船は大きく睦月を回るようにして中島に向かいます。もうだいぶ小さくなったけど、ここからもその姿が見える。手前にはみかん畑。

これまではここで港に引き返していたのですが、今日はこの先へ進みます。私にとっては未踏の?地。(^^;
こんな島の裏側にもみかん畑が続いています。もちろん農家の方々は軽トラで来るんですが。

収穫作業の最盛期。軽トラの上にはみかんが満載。
「荷台の写真撮らせてください」とお願いすると快くOKしてくれました。

「どこから来たの?」
「埼玉です」
「ずいぶん遠くから来たんだね~。カメラマンかい?」
「ええまあ。(^^;」
「せっかくだからウチのみかん食べてってよ。もぎたてだよ~」
とまたまたここでもみかんをいただいて。

美味しいです♪
作業をしているのは皆さんやはり一目でご高齢とわかる方々。
お話を伺うとこちらの畑では一番若い人でも60代だという…。
「まあ、体が続く限りは畑やるつもりだけどね」
体つきを見ると70代とは思えないくらいたくましい。同じ年齢でも都市部にいる人と比べたら肉体年齢10歳は若いんじゃ…。それでもあと10年後、15年後、この島のみかん畑はどうなってしまうんだろう?
「観光立国」などと浮かれている一方で国の根幹をなすべき農林業をないがしろにして都市集中・東京一極集中政策を改めようともしないこの国はいったい…。
暗澹とした気持ちになりますね。
またいくつかみかんをいただきました。(^^;
「この先にも海がきれいに見えるところいくつかあるよ。でも道端にイノシシワナが仕掛けてあるところがあるから気を付けてね」
「ありがとうございます」
お礼を言って先に進みます。
ちょっと先で見た風景。

この小さな島、こちら側と地繋がりになっているのがわかると思います。
これは「梅ノ子鼻」と呼ばれる岬で、かつては満潮時には睦月島と離れ干潮時だけ歩いて渡れる島になっていました。今はコンクリートの道が整備されて常時渡れるようになっています。
かつては水軍の見張り砦が置かれていたと言われ、数々の合戦の記録もあるようです。

あ、これね。さっきの方が言ってたイノシシワナって。

ほんとに道のすぐ脇です。コワイコワイ。(^^;
瀬戸内では今世上を騒がせているクマは出ませんが、イノシシはどこの島でも出ます。
「イノシシが出るので夜間は歩かないでください」と観光客に注意を促す島も多いですから。
島の北側にきました。

見える風景が少しずつ変わっていきます。
海を隔て見える大きな島、あれが中島です。

忽那諸島最大の島で、島内には小中学校と高校があり、さらに島内をバスが走っています。
忽那を観光で訪れる人はほとんどこの中島に行くようですね。事実見どころも多い島ですよ。猫は…どのくらいいるのかな?(^^;
この中島が見えるビューポイントで腰を下ろし、お昼ご飯。朝松山で買って来たおにぎりとさっきいただいたみかんで♪
20分ほど休憩して、また歩きだします。
やがて道は左にカーブしていき、だんだん高度を下げて再びみかん畑の中を通って、

さっき来た道に合流します。一周しましたね。睦月の港に戻ってきました。現在時12:45。途中で合計1時間近く休憩とってるから正味1時間50分ほどで歩いたことになります。アップダウンのある道ということを考えればまずまずのペースかな。
今度来た時には西側のルートも歩いてみたいですね。
小学校に戻ってみれば猫たちは思い思いにマッタリしていました。(^^;

あらら並んじゃって…♪運転手は君だ~車掌は僕だ~♪

猫電車。(^^;

帰りの船の時間まで1時間ちょっと。
西の浜へ。何匹かの子たちがついてきました。

朝とは光の方向が違っています。朝いた場所はこの対岸。

こういう堤防上の猫の構図、どうやって採ってるんですか?という質問をいただいたことがあります。タネ明かしをしましょうか。
もちろんさっき書いたように私はエサを使って猫を誘導するようなマヌケな真似はしません。猫たちが自然に私を追いかけて堤防上に乗ってくれるときもありますが、時にはジャラシを使って猫を誘うことがあります。こうやって。

これで謎が解けましたか?(^^;
でもこれ、けっこうテク要りますよ。おかげで一回の瀬戸内猫旅でジャラシは1~2本壊されます。最低でも3本用意しておかないと…時には旅の途中で買ったりします。
エサはね、一応持って行きますが全て撮影後のお礼というかモデル料というか…初めからエサを与えて釣ろうとするよりも、後からお礼としてあげたほうが猫たちは懐いてくれます。

帰りの船の時間になりました。
いつもながら後ろ髪を引かれるのですが、チャトラーズと分かれて港へ。

「帰っちゃうの?」って顔されちゃった…また来るからね。
この子が港のそばまでついてきました。お見送り?

もうすぐ冬が来る。温暖な瀬戸内だけど、それでも冬は猫たちにとってはつらい。
再び春が巡ってくるまで、皆元気で過ごすんだよ。来年、みかんの花が咲く頃にまた会おうね!

明日もいいお天気のようです。
松山滞在はあと一日。青島に行くか怒和島に行くか…また道後温泉に浸かりながら考えましょう。
Back Home Next