ねこたび日記

2023年4月10日(月) 続き 
大泊に向かう道。歩き出すとまた途中ですれ違う猫。

しっかり日陰を選んで歩いています。「島のえき」に戻るのかな。昼間はみんな思い思いの所で過ごしているようです。
「島のえき」から歩いて数分のところにあるのが「猫神社」。

昼間はここにたむろしている猫もいるんですよね。

前述したように田代島では猫は大漁を招く守り神として奉られています。
江戸の昔から猫は網を破るネズミを退治してくれる、人間にとってのパートナーでした。これはかつては日本各地の漁村でも同じだったと思いますが、ここでは神様。

猫神社。正式には美輿利大明神。そのいわれはここに書かれている通り。

昔、定置網漁に使う碇(いかり)を作るためにある漁師がここで岩を削っていたのですが、その時その岩のかけらが猫を直撃してその猫が瀕死の重傷を負ってしまいました。もともと大漁を招くとして猫を大事にしていた漁師たちはこのことを大いに悲しんで、ここに祠を作って死んだ猫を弔い神様として祀ったところ、それ以来海難事故もなくなり大漁が続いたと言い伝えられています。
今でも毎年三月になるとここで神事が行われるそうです。
猫はよく「化け猫伝説」などで人々に恐れられて、いいイメージをもっていない人もいるんだろうけど本来は人間と近しい動物。
恨みを残せば祟りもするでしょう。でもお互いまっすぐ愛し信じあえば、福を呼び幸運も与えるもの。私もそう信じています。
猫神社から道は下り坂になり、15分ほど歩くと大泊の港につきます。
ここは本当に小さな港。スイセンがきれいでした。

この日、港のそばには猫の姿は見えませんでした。
仁斗田に比べると十分の一以下の小さな集落なので猫の数も少ないですが、人懐こいのはここの猫も同じ。
ハナモモの下でたむろしていた子。

私の姿を見ると寄ってきました。集落の方の話ではこのあたりでは10匹程度の猫がいるそうです。ちょうどお昼寝の時間なのか、この日出て来てくれたのはこの子だけ。

すぐそばに漁師民宿があるんですが、そこでお昼寝してることが多いそうな。ゴハンもそこでもらってるのかな。残念ながらその民宿もGWまでお休み。もっともそこは釣りで訪れる方が多く、釣り船を出しているそうです。

この子が愛想よくモデルさんをしてくれたんで、しばしここで撮影。30分ばかり休んでから仁斗田に引き返すことに。
途中でまた猫たちが。

木漏れ日がある道。ゴロンするにはちょうどいいんだろうな~。
また「島のえき」に寄ります。
ここは本当にのんびりできるところで…歩くのはあまり得意じゃないという方は、仁斗田からここに来て、帰りの時間までここにいても飽きないでしょうね、猫好きなら。
仁斗田の港まではゆっくり歩いても30分あれば行けますから。

箱を占領して寝てる子。頭隠して足隠さず。(^^;

でもチョッカイ出す子がいたりして。
「おい、その箱ゆずれよ!」「やだ!」

ここはお店の手前にいくつものネコハウスがあって。

これはネコハウスじゃないです。キミ、入るの?

シッポがまっすぐゆらゆらと。何かみつけたのかな。

下手な都会の猫カフェなんか行くより、よっぽど猫と触れ合えるし楽しいですよ。なにより無料だし♪

事実、私が大泊に行く時にいた外国人の観光客の方、この時まだいました。(^^;
2時間近く経ってたはずですけどね。

ここでは田代島オリジナルの猫グッズも売ってます。小物からTシャツ、置物やお菓子。お土産買うにも事欠きません。その収益の一部が猫たちの餌代と医療費に回されるそうです。こういう島は他にないですよね。福岡の相島にも猫グッズ売ってたけど、あの収益金はどこに行ってるんだろう???ただのお金儲けだったのかな。

ほんとにこの島の猫たちは幸せだと思います。
この島でも高齢化と労働力減少は大きな課題。でもそれを猫たちがこの島のアイドルになったことで、経済的に支えてくれている。やっぱり「猫の恩返し」なんじゃないかなぁ。
人と猫が寄り添って生きてきた島だからでしょうね。

仁斗田に向かってゆっくり道を下って行きます。途中で見かけた雄猫。
りっぱな「にゃんたま」ついてます。(^^;

この島では避妊去勢はほとんど行われていません。(特定の家で飼われている「飼い猫」は避妊去勢されている子もいますが)
その必要はないそうで。それをしなくとも猫の数は一定しているそうです。
考えてみれば当たり前の話で、この島に限らずどこでも人が余計な手を下さなければ産まれてくる仔猫のうち無事に成猫になって二歳まで育つのはせいぜい3割。それと同じくらいの数の老猫が毎年亡くなる…。だから結果的に数が変わらない。これは自然の節理です。だからこそ猫は一度の出産で4~5匹の子を産むわけですから。自然の法則なんですよね。
都会で「猫が増える」って騒いでいるけど、別に放っておいても数は爆発的には増えないはずです。もしそうなら避妊去勢などをしていなかった昭和の時代はどうだったでしょう?猫、増えましたか?増えてないでしょう?
都市部で避妊去勢をしているのは最終目的は「ここから将来的に外猫をゼロにする」ということなんですよ。まったく人間の都合以外の何物でもない。
要は「猫が外にいるのはイヤだ」という人がいるから。まあ現状、都市部では「人間ファースト」だからやむを得ないという考えになってますが、外を猫がうろついたって人が死ぬわけでもないのに。人間って勝手ですよね、自分の都合で他の生き物の数をコントロールしようなんて

確かに室内飼いにする猫なら避妊去勢したほうがいい。それは認めます。そのほうが長生きするし仔猫の貰い手探しもしないで済む。でも外で暮らす自由猫にまでそんな束縛をする必要がどこにある?思いあがった人間の勝手な理屈を当てはめて。
仁斗田の港に戻ってきました。
明日の漁に備えて網の手入れをしている漁師のおじさんの後で座っている子。何を待ってるのかな。ちょっと微笑ましいシーンでした。

おじさんの作業が終わればなにかもらえるんでしょうね。
「まだかニャ~」って感じでうろうろしてます。(^^;

おじさんが一言。「もうちょっと待っちょれ」。仕方なくこの子は時間待ち?でウロウロ。

そんな様子を撮ってたら「なに撮ってんだよ!」とガン飛ばされてしまいました。(^^;

でも、漁港と猫ってやっぱり相性いいですね。
帰りの船の時間がきました。6時間なんてあっという間ですね。
船に乗ろうとすると桟橋までついてきた子が。

「明日も来る?」
うん、来るよ。また明日会おうね♪
明日もお天気はよさそうです。
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