第二部 暖冬
2月5日(水) 晴れ |
正午過ぎの便で羽田を出発。
前回の訪問以来2か月。今冬は暖冬の予報が出ていましたが、まさに予報通りで早朝でも-15℃を下回らない日が続いている道東。
1月後半になっても-20℃を下回った日はほんの数日だとか。
そんな年は…。
釧路空港着陸直前の窓から見た風景。
長年見慣れた風景ではあるけれど、ちょっと違和感が。そう、明らかに雪が多い。
多くの人は北海道は冬はどこに行っても雪がたくさん、と思っているようだけど、実際はそうじゃありません。地域によって差があります。
釧路から根室。鶴居を含めた「釧根地区」と呼ばれる道東平野部はもともと積雪は多くない地域。豪雪で知られる道央の名寄や倶知安あるいは岩見沢などのように1mを超える雪が降ることはありません。通常の冬ならば積雪はせいぜい15~20cmほど。晴れた日が多く空気も乾燥しています。
ただ…暖冬の年はちょっと様相が違ってきます。
例年よりも北側を低気圧が東に進んでいくために南から暖かい空気が入ってくることが多くなりますが、上空の空気自体は本州に比べるとはるかに冷たいために南風によって運ばれてきた海上の湿った空気が道東方面に大雪をもたらします。逆に日高山脈を越えた西側の札幌や倶知安などでは雪が少なくなるという現象が起こる。
暖冬の年は道東平野部では雪が多くなるのです。
出発直前にネットで見た鶴居の積雪深はなんと66cm。例年の三倍強…。
果たして降り立った釧路空港では滑走路内の除雪にかなり苦労した跡がありあり。なにせ前日は帯広空港も釧路空港も大雪のために着陸不能で全便欠航になったんだから。
空港から連絡バスで市内へ。
例によって最初の二泊は釧路市内に宿泊。寒さに体を慣らすために2月はいつもそうしているんだけど、今年はあまりその必要もなかったかも。夕方の気温-3℃。充分暖かい。
幣舞橋で夕陽の撮影。
もう何度も撮った光景だけど…。
もう春節は終わったはずだけど、中国からの観光客が多かったですね。ワーワーうるさい…いや失礼、賑やかで。(^^;
橋の上は騒がしいので、下に下りて見上げ撮影。
20分ほど写真を撮った後、泉屋本店に出かけて早めの夕食。
スパカツにサラダ、そして白ワイン。
最近、釧路の第一夜はいつもこれですね。(^^;
この日はホテルでゆっくりTVなど見てゆっくり夜更かし。明日はゆっくりだから…。
2月6日(木) 晴れ |
翌朝。
空はきれいに晴れ上がって。ホテル前のバス停。除雪の跡が山となって。
釧路市内でこの雪の多さは異常だよね。普段の年ならこんな光景にはなっていないはず。
今日は阿寒に行くことに。
バスは10時過ぎに出るので、10時前までホテルでまったりしていました。昨夜夜更かしできたのはそのため。なにせ今朝は起床が8時前でしたから。(^^;
丹頂の里11:22着。
1時間半近くバスに乗ってるとさすがに腰が痛くなりますね。(^^;
阿寒国際ツルセンター。旧称山崎給餌場。
鶴居にある二つの大給餌場が民営であるのに対して、ここは日本唯一の公営給餌場です。正確に言うとタンチョウ生態研究のための施設であり、給餌場はその付随施設ということになりますが。
ここは本館と分館とがあり、かつては本館が研究施設で分館が給餌場・見学施設だったんですが、10年ほど前に本館にもより広い給餌・見学施設を設け飛来するタンチョウを本館側の給餌場に誘導するようになりました。分館給餌場もこれまでは開設していたのですが機能を本館に集約するため、この3月をもって分館を閉館することとなりました。
分館給餌場でのタンチョウの姿を見られるのはこれが最後になるので今回は初日に訪れた次第。
最近飛来したタンチョウたちはほとんど本館給餌場の方に下りるので、今は分館に飛んでくる番は少なくなっています。
その代わりオオハクチョウがたくさん降り立っていて。
一応こちらもエサは撒かれているのですが、それをハクチョウが我が物顔で食べていて。(^^;
ちょっとムッとしているタンチョウ。
「お前ら、え~かげんにせ~よ!」
本館給餌場の方に行ってみます。
ほとんどのタンチョウがこちら側に集まってます。100羽は超えてましたね。
ただ、こっちは分館側に比べると正直写真は撮りにくい…。
左右方向には広いのですが分館側のような縦深がないので、どことなく窮屈な感じが否めません。鶴居の鶴見台と土地の形態的には似てるかもしれない。規模はこちらの方が大きいですが…。
水場なども作ってあって変化に富んでいるとも言えますが、むしろこの水路があるせいで縦深方向の見通しが利きにくい。そこだけ凹んだ形になってますからね。
南側に展望所があって、そこから給餌場全体を見渡すことができるようになっています。ただ、ここからのアングルもうまく組まないと背後に境界網などが入ってしまいます。
鶴居のサンクチュアリのように自由自在のアングルが取れる場所ではないです。
風景的なアングルを取るのは難しいですね。
タンチョウをアップにしたアングルが主になりやすい。鶴居と違って背後が山になるのでこういう絵が撮れる利点はありますが。
ここで3時間ほど撮影しました。この日は給餌場への出入りはあまり多くなかった。風があまりなかったせいでしょうね。
分館のほうに降りていく番が。
後を追って分館のほうに行ってみました。
やっぱりこっちのほうが風景的にはいいですね。バックに雄阿寒岳が入る。
このアングル、好きだったんだけどなぁ。
名残を惜しむようにこの番で雄阿寒とのコラボカットを。
この場所は分館閉鎖後、畑に戻されるということですが…。
釧路に戻るバスは16:58発。なんぼなんでもちょっと時間がありすぎる。16:00前にはツルたちは飛んで行ってしまうから…。
15:00ちょっと過ぎにタクシーを呼んでもらって阿寒町まで行きます。阿寒町までは近いので歩いていく手もあるんだけど、歩道がない交通量の多い国道はコワい。特に雪が深い季節は…。
阿寒町始発の15:41のバスで釧路に戻りました。
さあ、ウォーミングアップは済みました。明日からは鶴居です。