Northern White ~北の絵日記~

 
 2月7日(水) 晴れのち曇り 
 
空を見上げれば、触れば切れそうな月がかかってる。

月例26.6。月の出は4:37。現在時5:44。日の出にはまだ一時間近くある。
気温-21℃。寒い。あと1~2℃は下がるだろう…。
やがて空が白み、雪裡川の下流がぼうっと明るくなってくる。川面から立ち上がる気嵐がはっきり見えるようになるころ、目覚めたタンチョウたちが朝の「体操」を始める。
日が昇った。
左岸も右岸も霧氷がびっしりとついている。

ジッポゲージを見た。-23℃…今季一番の冷え込みというのは本当だった。

8:00前、和田さんが迎えに来てくれた。
さあ、宿に戻れば暖かい朝食が待っている。
今日は午後から曇るという予報。一日サンクに張り付いて、早目に宿に引き上げるようにしようか。
朝食をとって一休みしてからサンクへ。
朝9時の時点でまだ-10℃。やはり今日は寒い。鳴き合いする番の吐息が白い。

あちこちで舞うタンチョウ。
でもよく見ていると、必ずしも成鳥の番同士だけで踊っているのではないのがわかります。

これは右側は亜成鳥ですね。差し上げた翼の真ん中に黒い斑点のようなものが見え、さらによく見ると初列風切(白い羽)の先端がかすかに黒く縁どられているのがわかると思います。これは「未成年」のシルシ。
タンチョウは平均して満三年で性成熟を迎えますが、満三歳になるまので間は翼の上や縁に黒い斑点や縁取りが見られます。一番濃厚にわかるのは幼鳥の時期で、満一歳、満二歳と成長するにつれて黒い部分が減り、満三歳を迎えると斑点も縁取りもない白い羽になります。
下の写真は親子の飛び立ちを後から撮ったものですが、先頭が幼鳥、後が両親。この写真だと幼鳥の羽根のかなりな部分が黒くなっているのがわかると思います。

ランディングしようとする番。
でもよく見ると上のツルは亜成鳥であるのがわかります。

もちろん三年で性成熟というのはあくまで平均であって、人間と同じようにオマセもおればオクテもいるので満二歳ですでにパートナーを見つけているのもいれば、四歳・五歳になっても独身というのもいないわけじゃありません。タンチョウにも「独身主義者」っているのかな???

でも人間の世界と違ってタンチョウの場合は、独身だと社会的地位が低下しますから「独身貴族」というわけにはいきません。
一番強いのが子持ちの夫婦、次位が子なし夫婦、独身は最下位ですから。(^^;

やっぱり結婚して子供を持って初めて一人前、いや一鳥前(いっちょうまえ)ってことでしょうか。(^^;
14時に給餌。

あちこちで場所取り争い。右の番はちょっと押され気味。(^^;

それが終わって1時間ほどもすると、ほぼコーンを食べつくしたタンチョウたちはそわそわと帰り支度。
なんだかマナヅルもタンチョウに混じってなにやら帰りの相談?をしているような。

15:30を回った頃、申し合わせたようにあちこちからタンチョウが飛び立ち始めました。

今日は北西風がやや強かったせいか、こっちに向かって飛び立ったタンチョウが多かった。

明日は雪が降るかも…?
ちょっと期待♪

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