Northern White ~北の絵日記~

 
 7月7日(木) 晴れ時々曇り 
 
きれいに晴れました。
今日は釧路町在住のgoing-kyoさんと一緒に行動することになっています。
もう15年以上のお付き合いになりますね。
もともとはホームページ上の掲示板でのお付き合いから始まって、冬のSL撮影でご一緒(というか私がクルマに便乗させていただいたのですが)してから、私が道東に行く時はよく現地合流で数日撮影をご一緒するということが多かったです。
ただ、私が撮影を再開した昨年一昨年はまだコロナの余波が残っていたのでお会いするのを遠慮していたんですが、この夏、久しぶりに一緒に撮影して回ろうと声をかけていただきました。
私より一回り近くご年配の方ですが、まだまだお元気。毎日のように撮影に出られています。
しっかりした趣味を持ち、しかもアウトドアで活動すること。これが健康を維持する秘訣の一つですね。私も見習わねば…。
9:00、going-kyoさんのクルマがTAITOに到着。
「お久しぶりです~」
「元気そうだね~」
あれ、ちょっと太…いや体格よくなったような。(^^;
「そうなんだよ。食べ過ぎかな?(笑)」
まあ、食欲旺盛なのはいいことですよ。
出発。
行先は…先日和田さんと一緒にいったコースを一部なぞって、先日回り切れなかった場所を訪問しようかと。
「この間霧多布でラッコ見てないでしょ?」
「あ~、湯沸岬は行かなかったんですよね~」
「じゃあ、ソレ行こう。それと別寒辺牛も行ってないよね?」
その二つをメインということで、あとは道々撮影しながら。
「ちょっと標津あたりも覗いてみようか」
かなり大回りなコースになるけど…going-kyoさんは平然と言い放ちます。今日の走行距離、いったい何kmになることでしょうか。(^^;
標津に向かう道すがら、とある牧場のD型倉庫の手前。草むらにうごく白いもの。

タンチョウですね。

「あれ、道路に出てくるぞ」
とgoing-kyoさん。
幸い後からは当分クルマは来る様子がないので(北海道の直線道路はこういう時かなり遠くまで見えるので助かりますね)、そっと下車して自分たちのクルマを盾にして隠れるようにしてカメラを構えます。
出て来た…。

と、二羽の成鳥の後ろからチョロチョロとヒナが出て来て親鳥を追い越すように…ヒナ連れだったんだ!

もうかなり大きいですね、このヒナは。生後70日くらいかな。
足から下はほぼ親鳥と変わらない。タンチョウに限らず水鳥の多くはまず足から発達するものが多いです。というのは、ある一定の期間を経ないと飛ぶことができない(タンチョウの場合は飛べるようになるまで生後約100日かかる)ので、それまでの間は万一天敵に襲われた時は走って逃げるしかありません。
だからヒナは「足でっかち」状態で育っていきます。

親を追い越さんばかりの勢いで歩いていきます。(^^;

産まれたばかりのヒナはいつも親のあとをピットリくっついて歩いていますが、もうこの頃になると好奇心旺盛で勝手に歩き回ることも多くなります。だから親鳥は心配が絶えないようで。
考えてみれば人間の子供もそうですよね。2歳~4歳くらいの子供がちょうどこんな感じじゃないかな?
子供を育てたことのある人なら誰でも「ああそうだった」と共感すると思います。
ちょっと目を放して立ち話でもしていようものなら、それこそ糸の切れた凧なみにフラフラ親の目の届かない場所に歩いてく。
かく言う私も3歳の頃、連れて行ってもらった遊園地で行方不明になり、両親が迷子捜索の放送をしたことがあったとか。(^^;

この夫婦もたぶん気苦労が絶えないことでしょう。(^^;
牧草刈りをしているところが多かったですね。

一番牧草の刈り取りでしょう。酪農家にとっては一年で一番多忙な時期です。
ちなみに東北海道の酪農家が使ってる農作業車ってデカいしお値段もかなりするんですよ。ランボルギーニもありますから。(^^;
標津海岸にて。知床の山並みが遠くに見えます。

振り返れば国後島。

湿原の向こうに見えるのは武佐岳から標津岳。その左手は摩周の山並み。

ハマナスが盛りでした。

そしてヒオウギアヤメ。

ここの原生花園には群生しています。

別海でやや早い昼食を取り、霧多布へ南下。
先日は霧多布湿原で時間を使ってしまって岬まで行けなかったので、今日は新川十字路から霧多布市街を抜けて湯沸岬へ。

ここは一年中風の強い場所。
荒々しい海岸線と合間って潮の流れも激しい。

断崖にへばりつくように咲く美しい花々。

目もくらむような高さから望遠レンズを使って海面を見下ろせば、何かが泳いでる。

ラッコです。

見れば周囲にはカメラマンがけっこういる。あれ?TV局も来てたりして。(^^;
そう、「霧多布のラッコ」と言えばかなり有名になりました。
たぶん、道内で一番お手軽に(それなりの望遠レンズは要るけど)ラッコが撮影できるのはここでしょうね。よほどの荒天でないかぎりいないということはほとんどないし。

二頭並んでのんびり背泳ぎしたり…。
三頭もつれあうようにして遊んでたり。

見ていて飽きなかったですね♪
太平洋は青かった…。

エゾカンゾウ。今年は花が早くてどこも盛りを過ぎていましたが、ここでは比較的まだ残っていました。他の地域と比べるとやや寒いせいでしょうね。

ここで小一時間ラッコを眺めてから、ちょっと市街のお店でお茶休憩。
その後、今日最大の目的地、別寒辺牛湿原へ。
「え~っと、茶内で交換だね。厚岸14:20発。下りが先に来るね」
そう、実はここは湿原を入れての鉄道写真の撮影名所。(^^;
国鉄時代からの有名撮影地です。

今13:30。ちょっと急いだほうがいいかな。
撮影地の小高い丘に着いたのは14:00ちょっと過ぎでした。
さて列車はいいとして、タンチョウはいないかな…?
別寒辺牛(べかんべうし)湿原。
カキで有名な厚岸湾に注ぎ込む別寒辺牛川の両側に広がる湿原は、風蓮湖や野付と並び称されるタンチョウの営巣地。
以前も何度かこの丘からタンチョウの姿を見たことがありました。が、ここは背の高いヨシが密度濃く生えていて、タンチョウの姿が見えても首から上だけということばかりで今まで満足いく写真を撮ったことがありません。タイミングよく水辺に出て来てくれればいいんですが、なかなかそうはいかない。

もgoing-kyoさんも本当に撮りたいのは気動車よりもタンチョウなんですが。(^^;
さて今日は…丘の上から超望遠で湿原のあちこちを眺めてみると、緑のヨシ原の間に白いモノが。いた。

あれ?三羽いる。ヒナ連れかな。

上の写真をトリミングしたものがこれ。

確かにヒナがいますね。
この親子、もうちょっと足場のよく見える位置まで移動してくれないかな…こうなったらもう待つしかない。ヒナ連れの夫婦は飛ぶことはない。たえず餌を求めて歩き回るはずだから右手に見える水辺に向かって歩き出す可能性はありそうな。

え?左に行っちゃう??(^^;

と思ったら方向転換して右へ。
え?ヒナがいない?
いいえ、いますよ。上の写真をトリミングしたのが下の写真。いるでしょ、親鳥のそばに。

そのまま親子はゆっくりゆっくり右手に歩き…。

大きな水辺の近くに出て行きそうな気配。もうちょっと…。

というところで、花咲線6531Dが来ました。

もうこっちはタンチョウのほうが気になって鉄道撮影どころじゃない。(^^;
上のカット一枚だけ撮って、手前のシーンは撮らずにまたタンチョウにレンズを向けます。

お、いいところに出て来た♪

親子三羽ともきれいに足まで見えてますね。
ここでこんな絵を見るのは初めてです♪

この後、親子は右手のヨシの茂みに入っていきました。
別寒辺牛でこれだけタンチョウをまともに撮れたのは今回が初めて。ついていましたね♪
今までは首から上だけ写真ばっかりだったから。
「上りが来るよ~」
going-kyoさんの声に我に返って北を見やります。気動車が接近してくる。さっきの5631Dと茶内で交換した5630D。
今度は心置きなく「鉄ちゃん」できます。(^^;

お決まりの絵ですけど。

さて、撮るものは獲ったし…そろそろ帰りましょうか。
going-kyoさんは別保にお住まいなのでここからまっすぐ帰った方が近いんですが、私を鶴居まで送って行ってくれるということで、またその帰り道で寄り道撮影を。

TAITOに着いたのは17:00ちょっと過ぎ。
和田さんのカフェでコーヒーを飲んで談笑してからお別れ。
going-kyoさん、一日ありがとうございました!
「今度は冬来るときに会おうよ。連絡ちょうだいね」
ぜひ、その時はまた甘えさせていただきます。

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