Northern White ~北の絵日記~

 
 7月6日(水) 雨のち曇り 
 
朝、雨音で目が覚めました。かなり激しい降りです。
窓を開けると雨が吹き込んでくる。ちょっと風もあるらしい。
これじゃ早朝散歩も無理。
まあ三日間けっこう動き回ったから今日は一日休養日ということでもいいかな。
6:00過ぎまでベッドでゴロゴロしたあと朝風呂。
TAITOの温泉は宿泊者に限り朝8:30まで入浴可能です。
ゆったりと朝食をとって部屋に戻って。
風は止んだみたいだけど雨は相変わらず。

10:00になると部屋の清掃が入るのでいったん部屋を空けなければなりません。もちろん「掃除はいいよ」と言ってそのまま部屋に寝転んでいてもいいのですが、私は一応部屋は毎日きれいにしてもらう主義で。いや別に毎晩汚しているわけでもないけれど。(^^;

10:00ちょっと前で気温18℃。今日はこれ以上あまり気温が上がらないみたい。昨日とは雲泥の差ですね。

幸い、10:30になれば和田さんがカフェをオープンさせるので、お昼までそこで過ごさせてもらうことに。

それじゃ行きましょうか。

私が時間を持て余すのを知ってたか、和田さん、早目にお店を開けてくれていました。
しばし1時間ほどコーヒーを飲みながら和田さんと雑談。
さすがに今日はこんなお天気でしかも平日ということもあってお客さんは来ません。
「昼からどうするの?」
「雨が止めばブラブラ歩いて来ようと思うんだけど…」
「いつもなら車出してやるんだけどなぁ、今日はダメなんだよね」
そう、実は今日はご親族の法事があってマネージャー(奥さん)と専務(長男さん)が出かけてます。次男さんは厨房を仕切らなきゃならないし、和田さんが出かけちゃうとTAITOの差配をする人がいなくなっちゃう。和田さん、一応社長ですから。
まあ私としてもそうそう甘えてはいられないし。(^^ゞ
TAITOに戻って昼食を終えた頃、雨は小やみに。
13:00ごろにはほとんど止みました。
ちょっと歩いてこようか。
ここから十三号線に出て菊池さんの前を通って本流橋を渡り、東側の農道を歩いて音羽橋、そこから丘を登って国道に出て戻って来る、距離14km。これならまあ3~4時間コースかな。休憩入れても。カメラ一台もって歩くにはちょうどいい距離。一応傘は持って行くけど…。
13:00過ぎ、TAITOを出て冬場サンクに向かう道へ。途中で右に折れると歩いて5分ほどで十三号線。これをまっすぐ歩いていくと右手には菊池農場。
それを通り越して道はゆるく右手にカーブ。しばらく行くと雪裡川をまたぐ本流橋。
たまにここに若鳥がいたりすることもあるんだけど、今日は姿が見えませんでした。
橋のそばは牧草地。馬が二頭放されていましたが、ずっと草を食みっぱなしで顔を上げてくれませんでした。(^^;

このまま農道を歩いて行ってもいいんだけど、ちょっと野の花や小鳥の声も聞きたいので小川沿いの細い脇道へ。
この道は今の季節しか通れません。秋になるとタンチョウたちの生活圏になるので立ち入りが禁じられます。

花はあまり咲いてなかったなぁ。(^^;
ボザキシモツケ。

セイヨウノコギリソウ。

「ヤロウ」ともいいます。これはハーブの一種で葉を指でつまんで嗅ぐといい香りがします。
しかし釧路湿原にとっては有難くない帰化植物。繁殖力が強く北海道中の道路の法面などによく群生してます。どこででも見ますね。
だから和田さんなんかは湿原ガイドでこの花見つけると「このヤロウ」なんて言ってます。(^^;
マツヨイセンソウ。

これももともとは帰化植物ですね。
クサフジ。本州のクサフジより大柄に見えたのは気のせい?

チョウも飛んでます。

この時期草が伸びるのは早い。けっこう頻繁に草刈り車が道路を走ります。草刈り音は豪快ですが…。

緑一色の畑。ここもデントコーンを植えてますね。

何年か前、台風のおかげでデントコーンが軒なみ倒されて収穫に難渋した年がありました。今年はそんなことがないように。牛たちの貴重な飼料ですから。
音羽橋を望む丘の上に上がってみました。

まだ雨が上がって間もないせいか空気がクリアじゃありません。
ふと左岸側の牧草地に目をやると白い点がふたつ。

タンチョウの番ですね。

飛んだ!

音羽橋の上流をかすめて飛んで…

視界の右側に消えて行きました。

あれは成鳥の番でこのあたりをテリトリーにしています。今年は繁殖に失敗しました。
丘を下りると牧場があります。
昨日も会った子。今日は草の中にかくれんぼ?(^^;

あれ?今日はもう一匹いますね。

こちらはマッタリ。この子も3月に会ってるな。
すぐ近くに咲いていたエゾスカシユリ。この花、さほど珍しい花じゃなくて道路沿いにけっこう頻繁に咲きます。

そろそろ帰らなきゃ…。
北11号まで戻ってくると、牧場脇の草地に若鳥が二羽。まだ首筋の黒が薄い、頭も白いままの「一年生」です。

あ、飛びそう。片方が飛び立ち発声をしているということは、この二羽は雌雄のペアでもう婚約してるのかな?(^^;

亜成鳥でもオマセもいればオクテもいますからね。一年生で早くも番形成か~。まだ縄張りもないのに。人間で言えば学生結婚みたいなもんですね。
番の場合、飛び立ち発声をするのはオスです。

羽根をよく見てください。後のツルのほうがわかりやすいかな。翼の上側に小さな黒い斑点、それに翼の端っこに黒い縁取りが見えるでしょう?
あれが「未成年」の証しです。タンチョウはほぼ平均して満三年で性成熟が起きますが、生後三年になるまではこの黒い「初心者マーク」がついています。これから成長して頭の上も赤くなると翼を折りたたんだ状態では成鳥と区別がつかなくなりますが、飛ぶときやダンスをするときに翼を広げると「未成年」か「オトナ」かがわかります。

まあ、人間と同じで未成年で結婚しちゃうのもいれば大人になっても独身というのもいるんですけどね。
人間は「独身貴族」なんて言って独身主義を貫いてるのもいますけど、タンチョウの場合は独身か番か、さらに子持ちかDINKSかで社会的地位が全然違ってしまうので皆必死に?結婚相手を探します。(^^;

どこに塒を取ってるんだろうな、この二羽は。
さてそろそろTAITOに戻りましょうか。あしたは晴れそうです。

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