“知識の使い方”が大事!
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【「教育」にも“国際化”の波】 「ミネルバ大学」という大学を御存知でしょうか? アメリカのサンフランシスコで2014年に開校した“新鋭”の大学で、 「世界の革新的な大学ランキング」では、世界の名立たる大学を差し置いて、堂々の第1位です。 東京大学やハーバード大学を蹴って、ミネルバ大学に行く方もいるとか・・・。 ミネルバ大学の最大の特徴は、キャンパスがないことです。 本拠地はサンフランシスコですが、そこにあるのは学生寮のみ。 最初の1年間は、このサンフランシスコで過ごすのですが、2〜4回生時は、 半年ごとに、世界中にある、ミネルバ大学の学生寮を転々とします(したがって、4年間で7都市)。 講義は、オンライン形式なので、どこにいても参加可能です。 学生には、講義の他に、その滞在先で実際に生じている社会問題への取り組みも課せられ、 その取り組みを通して、実践力を養います。 卒業生の中には、 世界的経済誌「フォーブス」が選ぶ「社会的影響力のある、30歳未満の起業家30人」に選ばれた人もいます。 いよいよ、今年(2025年)の秋から、東京も、ミネルバ大学の滞在先になります。 そう言えば、東京大学が、2027年から秋入学プログラムも始動させるようですし、 徐々に、日本の教育にも、国際化の波が押し寄せてきているのかも知れません。 【“知識の使い方”が大事!】 ミネルバ大学が重視していることは、「知識を学ぶこと」ではなく、「知識の使い方を学ぶこと」です。 したがって、知識は、講義に参加する前に、予習で仕入れておき、 講義では、仕入れた知識を、どのように運用したら良いかを学びます。 自ずと、日々のキャンパススケジュールも変わっており、講義は午前中のみで、午後はフリー。 遊び呆けれるのかと思いきや、決してそんなことはなく、 皆、次の日の講義のために、4、5時間の予習をしているそうです。 日々の講義は、ディスカッション形式であり、予習により入手した知識を、そのディスカッションでぶつけ合い、 自分の考えでは至らなかった発想を、他の人から吸収する・・・というわけです。 まぁ、「ミネルバ大学は、極めて特異的である!」・・・というだけで、 事前に予習することは、ミネルバ大学に限ったことではなく、どこの大学でも当たり前のことです。 繰り返しになりますが、大事なのは「知識を学ぶ」のではなく、「知識の使い方を学ぶ」こと。 予習で仕入れた知識を、どのように使ったら良いのか?・・・を学ぶことが“肝”ですね♪ 【“縦方向”と“横方向”】 「少子化」が騒がれ、久しいです。 私立の学校は、生徒数を確保すべく、“囲い込み”を実施。 中高一貫の学校も、だんだん増えてきました。 中学校とは別のところで、高校生として学ぶとき、 まずは、“中学の復習から・・・”ということで、授業内容が反復されることも多々ありますが、 中高一貫だと、同じところで学ぶので、ダブりによるロスタイムがなく、 通常の授業カリキュラムに比べて、“授業のゆとり”が生じます。 本来ならば、この“ゆとり”を、“(横方向に)考える間(ま)”として利用したいところです。 しかしながら、多くの学校では、この“ゆとり”を、 (他のことができる時間)→(先に進める時間) と解釈し、「先取り授業(縦方向)」に舵を切っているような気がします。 そう、まるで、新幹線が誕生したときのようです。 それまで、汽車で、東京〜大阪を片道10時間以上かけて移動していた時代に比べて、 新幹線だと、片道3時間以内で移動できるようになりました。 時間的余裕ができたので、気持ちに“ゆとり”ができたはずなのですが、実際には、そうなっていません。 省けた時間を、横方向(趣味を楽しむなど)に利用するのではなく、 縦方向(別の仕事を入れるなど)に利用し、スケジュールが余計に慌ただしくなり、 心理的には、“ゆとり”どころか、むしろ“気忙しく”なっています。 「先取り授業(縦方向)」では、授業が速く進むことになるので、 通常のスピードならついていける子も、どんどんついていけなくなる可能性が生じます。 立ち止まって考えること(横方向的な発想)は許されず、 パッと見ただけで関係なさそうだと即座に判断したものを、何でも「ムダ」と言って、しりぞけてしまう。 「ムダ」と言えるのは、既成概念(縦方向)の中で考えているからであって、 新しい発想を持とうと思えば(横にある新しい価値観に従えば)、 それがムダであるかどうか、すぐには判断できません。 もしかすると、「先取り授業(縦方向)」が、新しい発想(横方向)を潰してしまっているかも知れない・・・。 【知識の使用例を仕入れておこう!】 幼い頃から将来の夢が確定していて、その道へ向かってまっしぐら!・・・という人ならば、 選択肢は1つで、ひたすら“縦方向”を実施し、直線的な生き方をすれば良いでしょう。 しかし、仕事内容も、働き方も多様化する現代において、 自分の進路をギリギリまで見極めたい人や、一旦進んだ道から方向転換する人も、いることでしょう。 そのような、生き方が曲線的な人たちにとっては、“横方向”の選択肢が多数あると良い。 「この知識は、こんな使い方されている。」という事例を、1つでも多く知っておきたい。 そうすれば、「この知識は、こんなことにも使えるんじゃないか?」という素朴な発想が起点となり、 今まで誰も思いつかなかった“前人未踏の領域”に達することができるかも知れません。 学校の授業は、どちらかと言うと、“縦方向(前後方向の動き)”になっている気がします。 「(授業時間)=(次の知識の調達:前への動き)」と「(テスト)=(仕入れた知識の確認:後ろへの動き」 物理の「波」に例えると、「縦波」ですね。 「横波」、つまり、“左右方向や上下方向の動き”になっている授業は、少ないような気がします。 まぁ、止むを得ないこともあり、仕方ありませんが・・・。 「数学活用塾」は、そこを補っていきたいですね。 「数学」という知識の習得を目指すだけでなく、知識として得た「数学」を、どのように活かしたら良いのか? 数学ができない人も、数学ができる人も、全員、集合! 「大学や大学院に進学して、実践により“知識の使い方”を学んでいくぞ!」 ・・・と意気揚々な小学生・中学生・高校生・大学生に、その事前情報を提供することもできるでしょうし、 「社会人として“使い方”を先に習得したものの、その基礎理論が分かっていないので知りたい!」 ・・・という一般の方々に、ブラックボックス可視化の手助けをすることもできるでしょう。 最後は、塾のPRもしちゃいました(笑)。 今年も、よろしくお願いします。 |
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