全国学力テスト

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2024年度の「全国学力テスト」が4月18日に行われました。

(意識しているのかは分かりませんが、4月18日は「発明の日」です。)

翌日(4月19日)の読売新聞の朝刊に、小学6年生を対象とした「国語」と「算数」、および、

中学3年生を対象とした「国語」と「数学」の、問題と解答が掲載されていました。

小学校算数と中学校数学を実際に解いてみて、感じたことを以下に書きます。



【小学校算数】


「答え」を求める問題も、もちろんありましたが、

その答えを導き出すのに、どのような式を立てたら良いか?・・・と、「式」を問う問題もありました。

中学校に入って、多くの子が、「連立方程式は解けるけれど、文章題はできない。」と言います。

与えられた式を解くことはできるが、そもそも、式を自力で立てることを難しく感じている子が多いようで、

「式を立てることの大切さ」を意識させる問題のように感じました。



ただ、その「式」を、ノーヒントから自力で立てるのではなく、

与えられた選択肢から選ぶ問題だったことが残念でした。

これでは、やはり、言われたことしかできないレベルでしょう。

新しいものの発見や開発は、誰も到達していない領域でのみ起こり得るのであり、

“言われたこと”は、少なくとも、その人が既に到達した領域内のことです。

前人未到の領域へ踏み込むには、「式を自力で立てる力(勇気)」が必要かと思います。

あくまで、採点者側の都合に合わせた出題形式であり、

解答者側の自由な発想を十分に発揮するチャンスは抑えられていたように思います。



言葉(文字)を使って説明させる問題もあり、これは良いことだと思いました。

頭で考えていることを文章で表現することは案外難しいです。

頭の中ではイメージできていると思っていても、いざ書くとなると、なかなか書けないもので、

俗に言う「わかる」と「できる」の違いです。



スピード化する世の中において、手間がかかる「書くこと」をつい省略しがちですが、

書くことで、(ぼんやりした)頭の中のイメージをハッキリさせることができるので、大事なことだと思います。

人類の歴史を、文明を境に「先史」とそれ以降に分けることがありますが、文明の象徴が「文字」だと思います。



【中学校数学】


計算問題も、もちろんありましたが、思考・判断問題も多くあったように思います。

「算数オリンピック」のような問題もありましたかね・・・笑。



高校の新教科に「情報」が加わりましたが、その影響もあってか、

「統計」や「グラフ」に関する問題もありました。

旧課程で、「箱ひげ図」は、高校数学に含まれていたのですが、新課程では、中学校数学へ前倒しされています。

高校数学でも、従来では、あまり授業チャンスのなかった「統計的な推測」を扱う学校が増えてきており、

「これからの社会を生きていくために、情報処理能力を高めよう!」という意識が伺えます。



「算数」は、「現在」を必死に生きるために必要な道具であり、

「数学」は、「将来」を有利に生きるために必要な道具です。

待ったなしで、今まさにリアルタイムで起こっている日々の生活には、即効性の算数で対処し、

この先起こるかも知れないことを予測しながら、土壇場で慌てることないよう、数学で事前に準備していく。

もし、「算数」の実用性は分かるけれども、「数学」の必要性が分からない・・・という方がいれば、

ひょっとすると、将来をあまり考えず、その場しのぎでバタバタしているかも知れません。

情報が溢れる現代社会において、メディアの情報を鵜呑みにして振り回されるのではなく、

参考資料として、一旦は入手するものの、自分で考え(思考)、取捨選択(判断)し、

各人が、自分のライフスタイルに合った利用の仕方を身につけていかねばなりませんね。


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