ダイヤモンドトレイル

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8月11日は「山の日」です。

「全国山の日協議会」のホームページを見てみると、今年の「山の日」全国大会は沖縄県で開催されるようで、

前日(8月10日)には、「JAPAN TRAIL」の起終点道標が設置されるようです。

「JAPAN TRAIL」とは、沖縄から北海道までを結ぶ、総延長距離が約1万kmの「歩く道」のことで、

「日本ロングトレイル協会」が企画しました。

登山道やハイキングコース、ときには、車道も利用しながら、

その地域の自然や歴史、文化に触れることができるための道が「ロングトレイル」であり、

現在、国内に20ヶ所存在します。



ロングトレイルの1つに、金剛山地から和泉山脈にかけて45kmほど続く

「ダイヤモンドトレイル(ダイトレ)」というものがあります。

「お〜っ、地元にもロングトレイルがあるやん!」ということで、試しに歩いてみました。

以下、「山の日」に因んで、今回は、ダイヤモンドトレイル(ダイトレ)の紹介をします。





この白い岩肌の奇岩群は「屯鶴峰」と呼ばれています。

多くの鶴が屯(たむろ)しているように見えることから、このように名付けられました。

岩肌の白さから、「もしや凝灰岩?」と思われた方は鋭いですね。

屯鶴峰(154m)のすぐ南に「二上山」という山があります。

現在、近畿地方に活火山はありませんが、今から1500万年ほど前、二上山でも火山活動がありました。

(ちなみに、活火山とは、過去1万年以内に噴火したことのある山です。)

地震と火山には関連性があると考えられています。

世界地図レベルだと、日本列島全体が火山帯のように見えますが、

日本地図レベルだと、日本列島の中でも、火山の分布に偏りがありそうです。

・・・ということは、日本列島の中で、地震の起こり方・起こる頻度にも偏りがあるのでしょうか?

 

階段を下りて、屯鶴峰の入口付近に来ると、「ダイヤモンドトレイル」の起点石があります。

ここからダイトレのスタートです。

大阪府道・奈良県道703号線を横断して、登り返すと、二上山(517m)。

最高点は雄岳ですが、こちらには神社があるだけで、展望はありません。

景色が良いのは雌岳の方で、ここには大きな日時計があります。

 

まぁ、さすがに、日時計があるところの展望は良くないと、日差しが入ってきませんからね。

日時計の目盛りが均等でない理由を御存知ですか?・・・御存知でない方は、塾にて一緒に学びましょう!

二上山を後にし、一旦、国道166号線が走る竹内峠まで下り、再び登り返すと、岩橋山(659m)。

 

樹林帯の中で、展望はありません。

岩橋山のピークから急な丸太階段を下ると、岩橋峠に着き、ここからは再び丸太階段の登り返しです。

毎度ながら、「下って登り返すなら、初めっから下るなよ〜。」と愚痴ってしまいます。

縦走となれば当然のことなのですが・・・笑。

 

大和葛城山(959m)に着きました。 大阪府の最高峰です。

展望が良く、大阪方面、奈良方面ともに、よく見渡せます。



大和葛城山は「日本三百名山」「花の百名山」に選ばれており、

ゴールデンウィークから2週間くらいの期間、山頂付近のツツジが見事です♪



さて、ツツジに関する雑学です。

葉が一年中落ちないものを「常緑樹」と言い、秋や冬に葉が落ちるものを「落葉樹」と言います。

街中の植え込みなどで見かけるツツジ「オオムラサキ」は常緑樹であり、

朱色で有毒な花をもつ「レンゲツツジ」は落葉樹です。

この他、半落葉樹の「ヤマツツジ」や、半常緑樹の「サツキ」などもあるのですが、

「半落葉樹」と「半常緑樹」の違いは、如何に?



綺麗なツツジ越しに、金剛山(1125m)が見えています。

今から、あそこ(金剛山)に向かうわけですが、どう見ても、一旦、下って、また登ってるよね〜。

大和葛城山と金剛山の間には、水越峠(516m)があります。

標高959mから標高1125mへ、単純に166mのアップをすれば良いわけじゃなくて、

一旦、443mダウンしてから、再び、609mアップしなくちゃならない。・・・はぁ〜。



・・・というわけで、登り返しました! 金剛山の山頂には神社があります。

金剛山は山岳信仰の山であり、登ることで崇拝しよう!・・・という発想から生まれた、回数登山が有名です。

中には、通算して1万回以上登った強者もいらっしゃるようでして・・・。

毎日1回の登頂だと、1年間で365回だから、1万回に到達するには27年以上かかります。

27年間続けていることってあるかな・・・。

今使っているシャープペンシルは100円で買ったものですが、今年で24年目に突入ですね。

あとは、結婚して以来、毎日、晩御飯の写真を撮り続けているかな。 こちらは、まだ歴史が浅く、13年目。

間違いなく27年以上していることは、「呼吸」ですね(笑)。

 

金剛山の南に「中葛城山(937m)」という山があります。

ダイトレは、ここで大きく「L字」に折れ曲がり、

ここまで金剛山地を南下してきたルートが、和泉山脈を進む西向きルートに変わります。

和泉山脈の尾根は東西に走っているので、斜面は「南斜面」と「北斜面」が生じるわけですが、

当然のことながら、南斜面の方が日当たりは良く、そのことを意識した植林や登山道の整備が行われています。

 

紀見峠(400m)まで降りてきました。 ここから、岩湧山(898m)に登り返すのが「ダイトレ」です。

 

岩湧山に着きました。 大阪平野の向こうに、大阪湾を望むことができます。



上の写真で、左端の下から3分の1くらいのところに、“青い穴”みたいに見えているのは「滝畑ダム」です。

今から、一旦、あそこまで下り、その後、ダイトレの終点である「槇尾山(600m)」へと向かいます。

 

西国33ヶ所の第四番札所である「施福寺」に着きました。

ここが槇尾山の山頂であり、ダイトレの終点です(厳密には、槇尾山の山頂は、少しズレたところ)。

施福寺からは、金剛山などの見事な展望を楽しめます♪



和泉山脈には、国の天然記念物に指定された“日本南限のブナ原生林”があり、貴重な自然環境を残しています。

温暖化によって、森林の分布が変化すると、野生動物の分布にも変化が出てきます。

クマ、イノシシ、サルなどの野生動物が人家周辺に出没する頻度が増えてきたのも、

温暖化の影響があるかも知れません。

また、森林分布の変化は、大雨による土砂災害など、風水害の影響の出方にも変化を与えるかも知れません。



人間活動のほとんどは平地で行われていますが、その人間活動が山地へ影響を与え、

山地環境の変化が、巡り巡って、平地に住んでいる私たちに影響をもたらします。

「街中に住んでるし、登山しないから、山は関係ない。」という考え方は成り立たないということですね。


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