ラニーニャ現象
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2022年9月1日、気象庁から、今年の夏(6〜8月)の天候について、発表がありました。 その内容に、「夏の平均気温は、東・西日本と沖縄・奄美で、かなり高くなった。」とありました。 特に、「西日本では、1946年の統計開始以降、1位タイの高温を記録」とのこと。 【ラニーニャ現象】 現在、2021年秋から続くラニーニャ現象下にあります。 南方振動により熱帯太平洋東部の気圧が上がると、貿易風が通常より強くなります。 より多くの暖かい海水が太平洋の西部に移動し、それに伴い、日本近海の海面水温が上昇します。 すると、熱伝導により、海面に接する空気が温められるので、日本列島の温度上昇につながるわけです。 【暑い夏】 今年は、早くも5月に猛暑日を記録しました(5月29日の栃木県と群馬県で35.2℃)。 また、東京では、昨年までで、6月に猛暑日を記録したのは、のべ3日間しかなかったのに、 今年だけで6日間もありました。・・・全国的に暑かったですね〜。 10月にかけても真夏日が続出するかも知れないとの予想もあります。 【台風】 日本近海の海面水温が上昇すると、他にも影響が考えられます。 台風の発生場所が例年よりも北に移動するので、日本列島に影響を及ぼす台風の数が増えるかも知れません。 6月30日に発生した台風4号は、沖縄県や長崎県に上陸しました。 高知県では、国道56号線が土砂崩れにより通行止めとなりました。 7月29日に発生した台風5号は、各地にゲリラ豪雨をもたらしました。 福島県二本松市では、観測史上1位となる94mmの大雨が降りました。 7月31日に発生した台風6号は、新潟県や山形県に、大雨特別警報が出るほどの大きな被害をもたらしました。 新潟県関川村:161mm、村上市:81mm、山形県小国町:64mm、・・・など。 8月12日に発生した台風8号は、静岡県の伊豆半島に上陸しました。 死者2人、行方不明者1人、負傷者9人、住宅損壊930棟、浸水被害5992棟です。 8月28日に発生した台風11号は、大東島付近で南下した、珍しい台風でした。 韓国で大きな被害が出ました。 日本でも1人がなくなっています。 9月10日に発生した台風14号は、宮崎県を中心に大きな被害をもたらしました。 死者4人、負傷者147人、住宅損壊365棟、浸水被害1155棟です。 上陸時の中心気圧(935hPa)は、日本に上陸した台風の中では過去4番目に低く、 2000年以降では最も低い気圧でした(過去の最低気圧は1961年の第2室戸台風で925hPa)。 9月23日に発生した台風15号は、静岡県を中心に大きな被害をもたらしました。 死者2人、行方不明者1人、負傷者3人、住宅損壊32棟、浸水被害4035棟です。 静岡市などで約12万戸の停電、5.5万世帯の断水が発生しました。 【まだ油断できぬ・・・】 気象庁の「台風の平年値」によると、 10月は、ピークである8月や9月ほどではないものの、7月と同じくらいの想定はしておかねばなりません。 今年の6月末から7月末にかけて、日本列島で台風による被害が出ていますから、 今月も警戒を怠らないようにしないといけませんね。 |
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