黄砂と環境問題
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“春霞”という言葉があります。 毎年、春になると、西から黄砂が飛んできて上空を覆い、景色が霞んでしまいます。 車のフロントガラスは、毎日、汚れてしまいます。 今年は、10年ぶりに東京にも黄砂が飛来したというニュースがありました。 黄砂は西方からやってくるので、やはり、飛来率は西日本の方が高く、東日本は低いです。 恐らく、例年、東日本で春に景色が霞んだり、車のフロントガラスが汚れる原因は、主に花粉でしょう。 今年は、それくらい珍しく黄砂の量が多かったということかも知れません。 ![]() どこから黄砂がやってくるのかと言うと、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などです。 風によって上空に巻き上げられた細かい粒子が、西風に乗って東側に移動してきます。 冬は表土が雪で覆われるので、黄砂が飛来することはありません。 雪が融けて、表土があらわになる春先から黄砂がやってきます。 近年は、温暖化により雪で覆われる表土面積が縮小し、春先も早い時期に雪融けとなるので、 黄砂の飛来時期が早まり、飛来量も増す傾向にあるようです。 なぜ、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原では、風により細かい粒子が巻き上げられるのでしょうか? 細かい粒子を大地に留めておくような植物が育たず、砂漠化が進行しているからです。 砂漠化の原因は、いくつか考えられます。 まず第1に、場所の問題があります。 アフリカのサハラ砂漠やオーストラリア大陸の砂漠は、緯度の関係で、どうしても砂漠になってしまします。 上述した中国西部の3地域は、緯度のためではないのですが、内陸に位置するため砂漠になりやすいです。 厳密に言うと、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠は、既に“砂漠”という名称がつけられていますが、 黄土高原は“砂漠”ではなく“高原”と呼ばれているので、砂漠ではありません。 しかし、現在進行形で砂漠化が進んでいるエリアです。・・・なぜ、砂漠化が進んでいるのでしょうか? 人口増加に伴う過放牧や過耕作が考えられます。 また、人口増加や産業の発達により、燃料にする樹木の伐採が大量に行われ、森林減少につながっています。 砂漠化を食い止めるには、どうしたら良いでしょうか? 放牧や耕作は、比較的傾斜の緩い場所で行われるでしょうから、 傾斜が急な斜面を緑化することは、現地の生業に大きく影響しないのではないでしょうか。 果樹園をつくることで、植林&農業を同時に達成することはできないでしょうか。 国を越えた緑化プロジェクトは、すでに進行しています。 余談ですが、英語教育の若年化が加速しています。 何のために英語を学ぶのでしょうか?・・・他の国の人たちとコミュニケーションをとるためです。 お互い母国語が違えば、会話することはできません。 世界共通語とされている英語に頼ることになります。 しかし、英語が話せてコミュニケーションが図れても、自分のことばかり考え協調性がないのはいけません。 もう“○○国の人”という感覚は時代遅れなのかも知れません。 コンピュータの性能が向上し、リアルタイムで地球の裏側ともコミュニケーションをとれる時代です。 環境問題をはじめ、色々な物事を考えるとき、“地球人”という感覚が必要なのかも知れませんね。 |
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