台風警戒の時期
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先日、国道168号線を走ってきました。 ここ数年、新しいトンネルや橋ができて、以前よりも道幅広く、走りやすくなったような気がします。 京阪神側からすると紀伊半島の反対側にあたる和歌山県新宮市に至る最短ルートのため、 国道の整備が盛んにされているのでしょう。 この国道整備ですが、今振り返ると、本当に整備されて良かったなぁ、と思うところがあります。 遡ること8年前。2011年の台風12号により「紀伊半島大水害」が発生しました。 その半年前に生じた東日本大震災のインパクトがあまりに大きく、つい忘れてしまいそうになりますが、 世界遺産である「熊野古道」もあちこちで崩落、熊野大社が水没するなど、大きな被害が出ました。 国道168号線も、あちこちがズタズタになり、復旧に何年かかるのか、復旧できるのか、とさえ思いました。 幸いにも、トンネル工事など国道整備がそれ以前から行われていたこともあり、 不通期間は思いのほか短かったように思います。 まだ整備途中な区間もありますが、これからも安全かつ迅速な整備を願います。 さて、9月1日は「防災の日」。 日付こそ、関東大震災が起こった日なのですが、 「防災の日」が作られたきっかけは、1959年9月の「伊勢湾台風」です。 地震や火山噴火など、日本列島が晒される自然災害は非常に多いのですが、 その中でも、特にこの時期、毎年のように警戒しなければならないのは、台風による大雨や暴風です。 ![]() ![]() この写真は、国道168号線を南下していき、奈良県から和歌山県に入ってすぐのところにある 道の駅「瀞峡街道熊野川」にあるモニュメント。 紀伊半島大水害のとき、この辺りの最高水位到達点は8.27メートルだったようです。 見上げると、はるか上に「最高水位」と書かれていました(写真:右)。 ![]() モニュメントの全体像。 いかに増水していたか、駐車している車との比較からも分かるでしょう。 この台風が高知県に上陸したのは9月3日。 それから北上して西日本を縦断していったわけですが、 台風の東〜南東側に位置していた紀伊半島には多量の雨が降り注ぎました。 そして、川から水が溢れて大水害になったのが翌日の9月4日だったのですね。 昨年は、台風21号が関西を直撃。タンカーが関空連絡橋を破壊するなどの被害が出ました。 私の家も、停電と雨漏りに悩まされましたね・・・。そう言えば、これも9月4日でした。 今年も、台風12号が一因となった大雨が九州北部で降り、大きな被害が出ています。 気象庁のホームページに「台風の平年値」というものがあります。 ![]() 台風の発生数・接近数・上陸数についての、1981年から2010年にかけての30年間の平均値です。 発生数が8月や9月を中心に増加していることに目が行きますが、注目したいのは、 7月・8月・9月の3ヶ月間は、発生した台風が5割以上の確率で日本列島に接近しているということです。 発生しても接近しなければ大きな自然災害につながる恐れは少ないですが、接近すると厄介です。 特に、9月の台風は、7月と8月の台風で日本列島がある程度ダメージを受けた後にやってくる “ダメ押し”の台風なので、被害が出やすくなります。 今年(2019年)は、8月終了時点で、 発生数:12(1月1個、2月1個、6月1個、7月4個、8月5個) 接近数: 6( 6月1個、7月2個、8月3個) 上陸数: 3( 7月1個、8月2個) 上陸数は、もう既に平年を上回っているので、今後、それほど多くはないかも知れないですが、 接近数は、まだまだ平年値に到達していません。 統計上、これから台風が13個発生して、そのうち、5個が接近してもおかしくない。 大雨などで既にダメージを受けている場所は、1つの台風がきっかけで大災害になる可能性もあるので、 「防災の日」をきっかけに、9月は台風に“ひときわ”注意しましょう! |
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