地震(後)に備える。
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2019年6月18日、山形県沖でマグニチュード6.8の地震が発生しました。 負傷者は出てしまいましたが、最大震度6強であったにも関わらず、死者が出なかったのは幸いでした。 震度階級改正(体感による主観的であったものから、計測震度に変更)以降、 2000年に発生した鳥取県西部地震を除く、最大震度6強以上の地震すべてで死者が出ていたので、 今回の死者0人は本当に良かったと思います。 建物の耐震性や、人々の防災意識が高まってきた成果でしょうか。 地震大国である日本で暮らしていく上で、地震の予知ができれば良いのですが、なかなか難しいようです。 2011年に発生した東北地方太平洋沖地震以降の震度6強以上の地震においては、 何となく、その前年や前々年に震度5クラスの地震が発生しているような気がします。 2011年3月(三陸沖:震度7) ← 2010年3月(福島県沖:震度5弱) 2011年3月(長野県北部:震度6強) ← 2010年10月(新潟県上越地方:震度5弱) 2011年3月(静岡県東部:震度6強) ← 2009年12月(静岡県伊豆地方:震度5弱) 2016年4月(熊本県熊本地方:震度7) ← 2014年3月(伊予灘:震度5強) 2018年9月(胆振地方中東部:震度7) ← 2017年7月(胆振地方中東部:震度5弱) 2019年6月(山形県沖:震度6強) ← 2018年5月(長野県北部:震度5強) 近年の耐震性に対する科学技術だと、震度5クラスなら突然であっても逞しく耐え抜けると期待して、 震度5クラスの地震を「その後の大きな地震への予兆となる地震(予震)」という目安にして、 それ以上の揺れに対して事前に備える、といった作戦はダメかな・・・。 もちろん、震度5クラスの地震が発生したからといって、 その翌年や翌々年に大きな地震が発生していないケースもあるので、 大規模な備えをし過ぎて、逆に、笑えない大きな損失につながるようなことがあってはいけないのですが、 「備えあれば憂いなし」という諺もありますしね。・・・うーむ、難しいところ。 地球の活動が正常ならば、地震は定期的に発生するので、次の地震はいずれ発生するでしょう。 しかし、いつ発生するか分からない地震に備えるのは難しく、突然発生したときに必死に命を守るのみ。 発生時に避難所など安全な場所へ速やかに移動できるよう、持ち物を厳選して鞄に入れておく。 閉じ込められ救助してもらわねばならないときでも、命をつなぎとめる数日分の水や食料を確保しておく。 これが、通常イメージする「地震に備える」ことだと思います。 ここで、もう1つの「地震に備える」を提案したいと思います。 それは、「後」という語を付け足した「地震(後)に備える」こと。 地震後の復興に対して、事前に準備できることが相当あるのではないでしょうか。 ・全壊、あるいは、半壊した家屋の再建 ・仕事をはじめとする通常の日常生活への復帰・・・など。 家屋再建の多くは、建設会社に依頼することになるでしょう。 多くの家屋が破壊された場合、順番に再建していくことになりますが、 建設業の作業速度にも限界があるので、待たねばならぬ事態も考えられます。 待ち時間を短縮して、一日でも早く再建したいとは誰もが望むこと。 再建物のイメージや設計など、事前にできることは、いくらでもあるのではないでしょうか? 素人だからプロに任せるしかないと放っておくのではなく、 プロに依頼するにしても、自分のイメージを事前に用意しておくことで、事態を早めることは可能かと思います。 素人なりの図案作成に挑戦してみてはいかがでしょうか? 仕事への復帰についても同じです。 元の職場が破壊された場合、再興を目指せれば良い展開ですが、 場合によっては、厳しい現実を付きつけられることもあるでしょう。 再興を断念することになり、失業なんて事態も考えられます。 もしそのようになった場合にでも立ち上がり、新たな道を進むことを想定した準備。 資格を取得したり、特殊技能を身に付けたり、 その時に突然では遅くて間に合わないかも知れないことを、今から事前に準備しておく。 地震への備えとして、 「地震発生時に対する備え」と「地震発生後に対する備え」をダブルで考えてみてはいかがでしょうか? |
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