浮力について

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2018年5月15日、株式会社フェリーさんふらわあの新造船「さつま」が就航しました。

大阪港と志布志港(鹿児島県)を結ぶ航路で活躍していた「さつま(2代目)」の後を継ぐ3代目です。

早速、この夏、鹿児島県にいる親戚のところへ行くために、この新造船を利用してみました。



ところで、このフェリーは13659トンもあります。

さらに、この中に大量の自動車やトラックを乗せて、海に浮かんでいます。

重くて沈むことはないのでしょうか?・・・少し、計算してみましょう!



フェリー本体は、先ほども書いたように13659トンです。

次に、このフェリーが大阪港から志布志港まで行くために必要な燃料を計算してみましょう!

タンカーで運ばれてくる原油は、いろいろな成分に分けられます。

自動車はガソリンで走ります。トラックは軽油で走ります。

(余談ですが、軽自動車に軽油を入れる人がいるようですが、軽自動車はガソリンなので、御注意を!)

フェリーは重油で進みます。

重油の種類もいくつかあり、よく用いられるのは「A重油」と呼ばれる、含有硫黄成分が少ないものです。

硫黄成分は酸性雨の原因にもなるので、なるべく少ない方が良いです。

さて、大阪港から志布志港まで行くのに、このA重油がどれくらい必要かというと、ドラム缶3000本分です。

ドラム缶1本が200(L)なので、600000(L)必要ということになります。

水だと、1(L)= (kg)なので、600000(kg)= 600トン必要ということになります。

A重油の比重は0.86なので、600×0.86=516トン必要ということになります。



次に、フェリーに積み込むものを考えましょう!

この新造船「さつま」には、大型トラックを121台積むことができます。

大型トラック1台が10トンだとすると、121台で10×121=1210トンです。

乗用車は140台積むことができます。

乗用車1台が1トンだとすると、140台で1×140=140トンです。

もちろん、人も乗りますよね。定員は709名。

1人60(kg)だとすると、60×709=42540(kg)=42.54トンです。



以上、フェリー本体が13659トン、燃料が516トン、

大型トラックが1210トン、乗用車が140トン、人が42.54トン。

これらを合わせると、15567.54トンになります。

この他、食料なども積み込むので、もう少し増えると思いますが、約16000トンということにしておきます。



さて、これだけの重量を上回る浮力が得れないと、フェリーは沈んでしまいます。

フェリーが得られる浮力は、どれくらいなのでしょうか?

新造船「さつま」の全長は192(m)、横幅は27(m)です。

決して直方体ではありませんが、まずは、フェリーが直方体だとして考えましょう!

喫水(船を浮かべたとき水面下に沈む深さ)は6.8(m)なので、

192×27×6.8=35251.2(m3)の体積分だけ沈みます。

中学1年生で学ぶ「アルキメデスの原理」により、

物体が押しのけた液体の分だけ浮力を得ることができるので、

海水が真水だとすると、35251.2トンの浮力を得ることができます。

もちろん、今、直方体として計算していますが、フェリーは船底へ近づくほど細くなっているので、

実際は、6.8(m)沈んだときの体積が35251.2(m3)にはなりません。

これより小さな値になることでしょう。

しかし、実際の海水は真水ではなく多少の塩分などを含んでおり、真水よりも比重が大きいです。

浮力の、押しのけた体積の減少による分と、海水の比重による増加分で相殺されるか、

細かい計算はしてみないと分かりませんが、

16000トンより上回る浮力を得ることができているのは間違いなさそうです。


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