元素の合成

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【水素・ヘリウム】


現在、110個あまりの元素が知られていますが、それらは、どのようにして誕生したのでしょうか?

ビッグバン理論によると、

まず、素粒子の1つであるクォークが結合して、陽子や中性子といったバリオンが生成します。

陽子は、そのまま「水素」です(ここでは、電子を除き、原子核の構成要素のみを取り上げています)。

次に、陽子と中性子が結合すると「重水素(D)」が生成され、

生成した重水素に中性子がもう1つ取り込まれると「トリチウム(T)」が生成されます。



トリチウムは、2つの重水素が反応することによっても、生成されます。

ヘリウムは原子番号が2です。つまり、陽子の数が1つ増えないといけません。



重水素やトリチウムが陽子と結合することで、ヘリウム3やヘリウム4が生成されます。



【リチウム・ベリリウム・ホウ素・炭素】


2つのヘリウム4が反応すると、ベリリウム8が生成されます。



生成されたベリリウム8にヘリウム4がもう1つ結合すると、炭素12が生成されます。

このように、3つのヘリウム4から炭素12に至る反応を「トリプルアルファ反応」と言います。

この名前は、ヘリウム4が「α線」という放射線で呼ばれることに由来します。

リチウム(原子番号3)やホウ素(原子番号5)は、ベリリウムや炭素が崩壊することにより生成されます。



【窒素・酸素・フッ素・ネオン・ナトリウム・マグネシウム・アルミニウム・ケイ素】


太陽も含め、その3倍以下の質量の恒星は、水素をヘリウムに変換した時点で、燃料切れになり一生を終えます。

太陽の3倍以上8倍以下の質量の恒星は、ヘリウムをさらに燃焼させ、炭素を作ることができます。

このサイズの恒星は、ヘリウムを使いきると一生を終えます。

太陽の8倍以上の質量の恒星は、さらに炭素をも燃料として使用することができます。



もちろん、これらの反応式に登場していない元素(窒素、フッ素、ナトリウム、アルミニウム)は、

先ほどの同様の考えで、生成された元素の崩壊により生成されます。



【リンからニッケルまで】


場合によっては、ケイ素で止まらず、さらに反応が進み、最終的にはニッケルまで至ります。



ニッケル以上の元素は、恒星内の核融合反応では起こりません。

核融合反応では、反応前の2つの原子核の質量の和と反応後の原子核の質量を比較すると、

後者の方が小さくなっており、この質量減少分がエネルギーとなって放出されているのです。

核子1つあたりのエネルギーが最小であるニッケル56まで至ると、

それ以上質量を小さくすることができないので、核融合反応は、ここでストップします。



【ニッケル以降の元素】


ニッケル以降の元素は核融合反応で作られません。

恒星がその一生を終え、超新星爆発するときのエネルギーを使って、原子番号のより大きな元素がつくられます。

詳しくは、また改めてお話しすることにしましょう!


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