「メソ気象学」という学問分野

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2015年9月9日から11日にかけて、関東地方および東北地方で大雨になり、

この大雨に対して、気象庁は「平成27年9月関東・東北豪雨」と名付けました。

関東北部から東北南部にかけて、あちこちで被害をもたらした大雨でしたが、

その中でも鬼怒川の堤防が決壊し、広範囲にわたって水没した常総市では、多くの犠牲者が出てしまいました。



この豪雨に関する報道の中で繰り返し出てきたキーワードは「線状降水帯」で、

次々と発生した積乱雲が列をなし、数時間にわたって、ほぼ同じ場所に強い降水をもたらす雨域のことです。

線状降水帯ができるメカニズムについては、まだよく分かっていません。

その理由は、観測網の密度が低く、3次元的な把握が難しいからです。



国内の約1300ヶ所に設置されているアメダス観測所ですが、

この密度では、天気図に描かれるようなスケールの気象(総観気象学で扱う気象)に対しては十分なものの、

集中豪雨や雷、突風などの、もっと局所的な気象に対してはまだまだ不十分です。

また、観測データを解析する方法についても、一般的な流体方程式では対応しきれないので、

別の理論を持ち込む必要があるでしょう。



気象現象を、その大きさにより分類したとき、2〜2000kmのサイズを「メソスケール」と言い、

このサイズの気象現象を扱う気象学を「メソ気象学」と言います。

主な対象は、台風・ダウンバースト・集中豪雨・雷雨などで、

これよりもっと大きなサイズの気象現象(一般的な天気など)を扱う「総観気象学」とは区別します。



近年、明日の天気予報や週間天気予報の精度は、かなり向上してきています。

しかし、突発的な気象をピンポイントで予測するには至っていません。

これからの気象学は、このような局地的な気象をターゲットにしていくものと考えられます。


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