地球楕円体「GRS80」

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【子午線孤長の測量】

“振り子時計の遅れ”から遠心力の話が出てきました。

この遠心力の発想から、それまで“球”と思われていた地球が

「実は赤道方向に扁平な回転楕円体なのではなかろうか?」

と考える学者が多数現れました。これを受けて、18世紀半ば、フランスの科学アカデミーは、

地球の形状に関する論争に決着をつけるために、赤道付近と極付近の子午線孤長を測ることにしました。



測量の結果、緯度1度あたりの孤長が赤道付近よりも極付近で大きいことが分かりました。

このことは、赤道半径の方が極半径よりも大きいことを意味します。

したがって、地球が赤道方向に扁平な回転楕円体であることが分かりました。



【地球楕円体「GRS80」】


回転楕円体は楕円を1回転させてできる立体であり、楕円の形によって回転楕円体の形状が決まります。

楕円は長半径と扁平率によって定めることができるので、

結局、「長半径」と「扁平率」という2つのパラメータで、回転楕円体が決定することになります。

地球の形に合わせた回転楕円体を「地球楕円体」と言います。

測量の精度が向上するとともに、幾度となく更新され、現在採用されている地球楕円体「GRS80」は

「長半径:6378km、扁平率:1/298」で定義されています。



【赤道半径(長半径)の変遷】


子午線弧長の測量データから「赤道半径(長半径)」と「扁平率」を求めることができます。

18世紀以降、測量の精度が上がるにつれて、幾度となく更新されてきた、これらのパラメータ。

赤道半径の変遷を記しておきましょう!

1799年 6375.74km

1800年 6375.65km

1819年 6376.90km

1830年 6377.28km

1841年 6377.40km

1856年 6377.86km

1863年 6378.25km

1866年 6378.21km

1880年 6378.25km

1906年 6378.28km

1983年 6378.14km

1986年 6378.14km


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