「ケプラーの法則」と「万有引力の法則」の関係

00000000 ホームごあいさつ授業形式講師紹介時間&料金アクセス御予約&お問い合わせ 00000000


科学の研究における2つのスタイルである「帰納的方法」と「演繹的方法」の関係を示した1つの具体例として、

「ケプラーの法則」と「万有引力の法則」の関係について見てみましょう!



「ケプラーの法則」とは、ドイツの天文学者であるケプラーが発見した、惑星の運動に関する3つの法則のことで

第1法則:惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道上を運動する。

第2法則:惑星と太陽を結ぶ線分が単位時間に描く面積は、それぞれの惑星について一定である。

第3法則:惑星の公転周期の2乗は、楕円軌道の半長軸の3乗に比例する。

というものです。一方の「万有引力の法則」は、イギリスのニュートンが考え出した、

あの有名な“リンゴが木から落ちるのを見て・・・”という逸話に関係する内容のことです。



「万有引力の法則からケプラーの法則を導く!」という表現がいろいろな場面で見受けられますが、

ケプラーは1571年〜1630年に存在した人物であり、

ニュートンは1642年〜1727年に存在した人物です。

時間の流れを考えると、ケプラーの法則が先にあって、後から万有引力の法則が登場してくるわけであり、

「万有引力の法則からケプラーの法則を導く!」という表現を目にしたときに「おや?」と不思議に思います。

・・・この真相は、どうやら次のようです。



「ケプラーの法則」は帰納的方法により発見されたものであり、

“史上最高の眼視(肉眼で見ること)による観察者”と称されるデンマークのブラーエ(1546〜1601)の

大量かつ精密な観測データを整理することにより気付いた法則でした。

ニュートンがこの世に生まれたときにはケプラーの法則が既に存在していたわけですが、

その法則がなぜ成立するのかはまだ不明でした。

ニュートンは、「太陽と惑星を結ぶ線分方向に働き、その大きさが距離の2乗に反比例するような力が存在すれば

ケプラーの法則が証明できる!」と考え、数学的な考察(特に幾何学的発想)から“万有引力”を考えました。

ニュートンのスタイルは演繹的方法です。数学の知識を駆使して、理論的に“万有引力”なる力を想定し、

その理論が実際の観測結果であるブラーエのデータを説明でき、さらに、

ブラーエのデータから導かれたケプラーの法則の妥当性を証明したわけです。


00000000 ホームごあいさつ授業形式講師紹介時間&料金アクセス御予約&お問い合わせ 00000000