ラスベガスから成田空港に向かう飛行機にて


帰りの飛行機に乗り込んで、自分が希望した座席に着いた僕は感動した
なんとそれぞれの座席の背もたれの部分に、各自テレビモニターが付いていたのである
よく説明書を見てみると、飛行機本体のフロント部分と
ちょうど飛行機のお腹の部分にカメラが設置されていて
その模様をそれぞれのテレビで見る事ができるのだ
もちろんそれ以外にも各種ビデオを見る事も出来れば
機内ラジオ(正確にはそんな名前かどうかはわからんが...)も聞く事ができる
そして何と簡単なゲームまで楽しむ事が出来るのだ
それどころか更に、また僕は感動してしまった
何と僕の席は希望通りにトイレのすぐ前の4人掛けの席なのだが
この席に座っているのは僕ただ一人であった
前の席には各通路側に人が座っていて
前の席も空いている場所という希望は叶わなかったが
僕はこの4人掛け独り占めで大満足であった

いざ飛行機に乗り込んでみたのはいいが、なかなか飛び立つ気配がない
やはりこの悪天候の為に、出発の順番待ちで飛べないらしいのだ
それだけではなく行きの場合の成田空港からマッカラン国際空港までの直行と違い
今回は一度、ロサンゼルスの空港を経由してから
日本の成田空港に向かう飛行航路になっている為に
そのロサンゼルス空港においても着陸予定の順番待ちなのだそうだ
予定よりも遅れる事また40分、ついに飛行機は動き始めて
ここラスベガスの土地を後にする事となった
さようなら、そしてありがとうラスベガス
再び飛行機の走る振動と轟音の中、次第に加速し始めて
僕の嫌いな大空へと、フワリと舞い上がり始めた
またあの独特な揺れと音速での風切り音、そして長い禁煙状態のスタートである
しかし今回はロサンゼルス経由の為、ほぼ1時間の飛行の後、一時着陸である
またあの苦手な離着陸を、しかも行きの時の倍味わうのかと思うと
それだけで僕は生きた心地もしなかった

約1時間後、最初の目的地であるロサンゼルス空港に到着
すさまじい着陸の衝撃の後、僕らは皆、一時飛行機から降ろされて
また再び搭乗口での待機となった
っと言ってもまた同じ飛行機に乗り込む訳なのだが
この辺の仕組みは僕にはチンプンカンプンだ
文句を言う事もできないので、大人しく着陸ゲートから搭乗ゲートまで大移動をし
椅子に座って出発を待つ以外に出来る事はなかった

ロサンゼルス空港にあった公衆電話

当初はなぜかここで1時間も再出発を待たねばならない予定であったが
すでにここまでにかなりの遅れを出している為
僅か30分ほどの待ち時間で、また飛行機の中に再搭乗する事ができた
しかし平気なのか?仕組みはわからんが何かの為にここに立ち寄って
1時間が必要だったはずだろうに、その為の時間は僅かに半分
少々不安にかられたが、僕にはそのまま素直に飛行機に乗り込む以外に
出来る事などなかったのだから...
乗り込んでから数分後、今度は順調に時間通りに離陸を開始して
今度こそ順調ならば日本の地に無事に帰れる事となった

行きの飛行機とは違い、帰りの飛行機の中は快適だった
決して嫌いな飛行機が好きになったり慣れた訳ではなく
4人掛けの席を一人独占する事ができたからだ
全ての肘掛を上げてしまえば、ここで横になる事もできる
今度こそ10時間以上にも及ぶ飛行時間を
何も出来ず何もする事なく無駄に過ごさずにすみそうだ
無事に飛行機が飛んでくれたらの話だが...
機内では2度の食事の時間以外はなるべく横になって
少しでも体を休める事にした
予定では日本時間の夕方5:50には成田空港に到着予定だったが
この時点ですでにかなりの遅れが出ている為
何時に日本に着くのかは、僕には検討もつかなかった
機内での食事はあいかわらずのメニューで、特別美味しい訳でもなかったが
行きと一緒でこの時にもほとんど残す事なくたいらげてしまった
しかし後は寝る事しかない...まさに食っちゃ寝状態だった
この飛行機の轟音は確かに耳障りでうるさくはあったが
揺れ自体は次第に慣れてくるもので
まるでいい感じのゆりかごに乗っている様な感じで良く眠る事ができた

そして食べては寝て、そして寝て、また食べては寝てを繰り返し
どれくらいの時間が経ったのだろうか?
僕が乗っているにもかかわらず、飛行機は無事に
成田空港の滑走路へと舞い降りていった
すでに真っ暗な夜の闇に包まれた、日本の大地へ...

ただいま、今無事に日本へ帰ってきたよ