東大地理     文責/拓郎

1.概要

2.傾向

3.勉強法

4.お勧め参考書・問題集

5.その他

・試験時間:地歴2科目で150分間(試験2日目の1コマ目)
・配点:60点満点。配点はおそらく各大問20点です。
・構成:第一問から第三問まである。それぞれがA、Bのように二部、三部に分かれていることが多い。それぞれの大問は30~90字の論述、グラフから国や資源、傾向などの読みとり問題、地形図の読解などで構成される。
・解答用紙:A3の解答用紙一枚で、表に(イ)(ロ)、裏面に(ハ)(ニ)の記号が付された解答欄(方眼、一行30字)がある。それぞれに第一問から第三問を順番に解答するので、地理に場合(ニ)は使わない。解答用紙の上部を解答する科目の三角形を切るという特殊な作業があるのでハサミを忘れないようにしましょう。あと(イ)の上の方に解答用紙で解答する科目を( )内に書くのもあるので忘れないようにしましょう。

 基本的には60~90字で論述する問題と、資料にあてはまる国名・資源名を応える短答式の二つしかでません。どちらも知識をみると言うよりは、資料の読解を重視しており、資料集で見たことのないグラフや表も当たり前のようにでます。大問(3つ)ごとにどのジャンルがでるかは年によって違うが、例年バランス良く様々なことが問われています。なので出題分野を予想するのは難しいです。ただほぼ毎年農業や日本に関する問題がでるなどの傾向はあるので、そこらへんは過去問を研究しておきましょう。

・知識はあまり求められないと言っても、最低限の知識はやはり必要です。資料集などの知識は一通り頭に入れた上で、いくつかメジャーな論述問題を解くといいでしょう。(実質的には)単語の説明となっている問題も多々でるので、定義なども頭に入れておかないと話にならないです。

 

・東大は上にも述べたように、見たこともない資料が多く出ます。しかし基礎的な知識が裏に潜んでいるのも多いので、あまりいろいろな問題集をやるのではなく少なくてもいいので一つ一つを完璧にする方がいいと思います。仮にその場で資料を読解しなくてはならない問題であっても、そのような問題はあまり差が出ないので気にしなくても大丈夫でしょう。

 

・たまに時事的な要素を絡めたものも出題される(環境問題やエネルギー関連、教育の話題、労働者問題や交通事情など)ので、そのようなニュースには常日ごろアンテナを張っておきたいですね。

 

・短答式の問題は一つ一つの配点こそ低いと考えられが、量は多く出るので馬鹿にはできないです。データブックなどの主要品目はどの地域で取れるのかくらいは押さえておきましょう。

 

・東大入試の大きな特徴として、ほぼ毎年日本関連の問題が出ることがあげられます。工業や漁業、地理的な情報(標高とか気候とか)、人口動態などもおろそかにせず対策しましょう。

 

 ・・・とここまで一般的なことを書きましたが、東大日本史、世界史に比べとっつきにくいのが東大地理の特徴でもあります。地理を勉強するとこの気持ち分かりますよね?(笑)参考書も多くでまわってないですし、ぶっちゃけそんなにやらなくても他二つに比べ勘でいけてしまう問題も多く、点数の差もあまり開きません。でてくる単語は常識的に知っているものも多く、覚えなければならない単語なんて世界史に比べたら鼻くそみたいなもんです。しかも現象などは一度しっかり理解してしまえばそう忘れるものでもないので、具体的にこんな勉強をしたらいいみたいなのは他二つに比べるとほとんどないですね。(なのである程度知識もあり、偏差値的にも十分ならば、時間と根気の必要な世界史、日本史のまわすのもありだと思いますよ。)

 強いて言うと暗記よりは理解に重きを置くといいと思います。例えば、ある国で多く取れるものは気候や地形が関わっていることもおおいのでそういうことと絡めて覚えるなどですかね。がんばってください。

・『地理の完成』(帝国書院)
…東大地理受験者なら必須の参考書です。高校地理の全ての範囲が網羅されており、しかもかなり詳しいことまで書いてあり、これ一冊をマスターすると結構応用がきくので、是非使ってください。

 

・『データブック オブ・ザ・ワールド』(二宮書店)
…各国の貿易品目や資源の取れる国のランキング等いわゆる問題でよくつかわれる資料を集めたものです。どの国でどんな物がとれるかなどは基本事項なので、それをおさえるためにも買っておきましょう。一年ごとに更新されるので、毎年買い換えましょう。

 

・『地理B標準問題精講』(旺文社)
…地理の基本的な問題を集めた問題で、資料の読みとりから論述まであり、様々な大学の問題を扱っているので一通りやっておくとよいと思います。

 

・『世界の諸地域NOW』(帝国書院)
…その名のとおりです。ビジュアルが多く、あまり論述対策には役立ちませんが、世界でどんなことが起こっているか分かるので、息抜きとかに読むと面白いです。

 

・『地理B論述問題が面白いほどとける本』(中経出版)
…論述問題の良く出る問題を55個厳選して解説している本です。どれも有名問題ばかりなので、問題をみたら答がすらすら言えるようになっておかなければなりません。東大の論述は基本的なことも多く聞いてくるので、そういう問題を落とさないためにも是非押さえておきたい一冊です。

 

・『センター試験地理Bの点数が面白いほど取れる本』(中経)
…センター対策の本で、内容も基礎的ですが、用語の解説とかは分かりやすいので、分からない基本用語があったり内容を一通り整理したいときによむといいです。

 

・教科書
…僕は一回も使ったことがないですが、教科書(東京書籍)からそのまま出されたなんてこともあるので侮れません。ただ説明が冗長であまり分かりやすくない気が個人的にはするので、『地理の完成』がおすすめです。

 

・各社東大模試過去問(代々木ゼミナールが一番おすすめ)、東大√T直前予想問題(ベネッセ)
…東大の問題を模した模擬試験問題集です。上記二つをあげたのは、問題の質、内容が本番にかなり近いからです。正直駿台や河合のは難しすぎです。あんなマニアックな問題は出ないので、買うならこれらをお勧めします。

・合格者平均点
 だいたい40いかないくらいだと思います。ただし不合格者でも30を割る人は少なく、合格者でも45越えはかなりレアなので、他の社会二教科に比べ差がつきにくいと言われてます、というか実際そうです。

 

・解答の書き方
 どの教科でもそうですが、解答用紙に問題番号を自分で書かなければならないので、問題用紙の表紙の指示をしっかり読んだ方がよいです。基本的には問題ごとに行をかえます。
 実践的な面では、どの問題もあと20,30字は欲しいなあと思わせるくらい字数的には厳しいのでいかに要点をまとめるかがポイントです。30字だと1つか2つ、60字だと2つか3つ、90字だと4つほど要素があるはずなのでそれをコンパクトにまとめましょう。ただしまとめようまとめようとばかり思っていると、SVの関係がおかしくなってしまうことがよくあるのでそこらへんも十分気をつけましょう。

 

・当日の様子
 会場では東大を大人数で受けてくる進学校の人たちが固まります。あの問題の答ってさ~みたいな話をしていることが多いので、そういう会話を聞きたくない人は音楽などを聞きましょう。昼ごはんは大学の外の買い出しに行ったり、校内の公園で食べることも可能なので、息抜きに友だちと教室の外にでて過ごすのもありだと思います。トイレがかなり混むので、(一応試験中も行くことは可能ですが)早め早めに行っておきましょう。あと試験終了後は、一斉に解散すると駅が大変なことになるので、号館ごとに分かれて解散します。最後の方になると試験終了後一時間ほど待たされるところもあるので、覚悟しておきましょう笑。