1.自己紹介

2.東大受験 ―勉強方法

3.センター/併願校について

4.模試成績と入試得点開示

5.東大入試本番について

6.ひとこと

・ペンネーム:mag
・科類:理科一類
・現浪:現役
・塾/予備校:東進、Z会
・出身:愛知県
・出身高校の例年合格者数:0人

〈本格的に東大をめざした勉強を始めた時期〉
高2の秋(きっかけは高2夏のオープンキャンパス)

〈生活パターン〉
平日 7:00起床 8:00学校へ 17:30帰宅(学校の隙間時間は基本的に勉強)
休日 8:00起床 9:00~12:00 13:00~15:00 17:00~19:00 20:00~23:00 が勉強 就寝24:00
(もっと早寝早起きをして朝に勉強するようにした方がいいと思います)

〈各教科の勉強法〉

◎国語
 基本的に東大の古文はそれほど難しくありません。古漢は単語と文法事項を押さえれば和歌を除いて大体読めます。次に中程度の問題集を一冊ずつ終わらせましょう。そうしたらあとは過去問で慣れる、くらいの感じでいいと思います。
 現代文に関しては、なかなか一人で勉強するのは難しいので、学校先生なり予備校なりに指導を仰ぐのがいいと思います。私は東進の林先生に頼っていました。漢字は絶対に落とさないように。精神的に良くないです。(おそらく最初に手を付けるので…)
 本番解く順番は 第1問漢字→第3問→第2問→第1問残り でやっていましたがいい感じでした。

◎数学
 基礎固め→応用の流れで勉強していました。公式を丸覚えするのは望ましくありませんが、重要なものは覚えざるを得ないので加法定理とかは覚えましょう。個々の問題について解き方を覚えるのはある程度大事なことですが、その場合「どうしてこの解法になるのか」も意識して勉強するようにしましょう。そうしないと応用が利きません。
頻出の分野は確率、数列、整数、求積などです。整数の問題は大抵難しく、確率に関しては難しいか易しいかのどちらかであることが多いように思います。求積はほぼ毎年出ています。過去問なり新数演なりでいろんな求積パターンを把握しておきましょう。極端に難しい求積は出ませんが、計算は大抵煩雑になるので、計算力も問題演習を通じてつけていく必要があります。
 150分間の試験で大問6問すべて解き切るのはほぼ不可能なので、自分の解けそうな問題を見極める目を養うことも必要になってきますが、これは過去問を解いていると次第に分かってきます。そのため、試験開始直後にすべての問題に軽く目を通す時間を作ったのち、解けそうな問題から解いていきましょう。ちなみに第1問は比較的簡単な問題であることが多いです。

◎物理
 他科目と比べて勉強すれば高得点が取りやすい科目です。勉強し始めのころは、「現象を理解してから公式を覚えろ」とか言われましたが、私ははじめ公式丸覚えで、問題演習を重ねるうちにその式の本質が分かってくる、という感じでしたので、初めのうちは無理に理解に努めなくてもいいのではないかと感じました。ただ、最終的には本質的な部分までの理解がないと東大の問題は難しいです。逆にそこまでの理解ができてしまっていればそれほど怖い科目ではないと思います。物理化学選択の人は、物理を手早く片づけて、時間の無い化学により多くの時間を割けるように工夫したいですね。
  気を付けるべき点は、最初の方で間違えて芋づる式に×にならないようにある程度慎重に行く必要もあることです。(大問一つ吹っ飛んだ!とかシャレになりません。)ちなみに第1問が力学、第2問が電磁気で、第3問が波導or熱力学ですが、第3問のヤマを張るのは大変危険な行為ですのでやめましょう(経験談)。

◎化学
 第3問の有機で満点近く取れるように練習を積みましょう。具体的には、構造決定の練習です。後述の新演習という参考書には難しい構造決定の問題がたくさん載っていて、かなりの実力が付きました。(26年度のような場合もありますが…)
  第1,2問では見たことのない物質や反応が出てきてはじめは面食らうでしょうが、問題演習を重ねれば慣れていくと思います。結局は基礎的な事項の組み合わせであり、それがどのように組み合わさっているのかを見抜けるのが本当の実力です。
  本番解く順番は 第3問→第1,2問の知識問題・簡単な計算問題→第1,2問の残りがおすすめです。計算は結構煩雑なので後回しにすべきです。化学は他の科目と比べて時間に余裕がないので、こうやって点数をかき集めていく方が結果的に高い点数になります。

◎英語
 形式が独特なので、帰国子女でもない限りしっかりとした対策が必要になります。基本的に毎日長文とリスニングはやらないと英語力が落ちます。特に直前期は必ず毎日取り組みましょう。
 要約問題は全体の流れをまずつかんで要約の大枠を作ったのち、重要そうなところを細かく読んで要約に組み込む、というやり方だと早いです。不要そうなところは流し読みでいいと思います。時間がないので。
 英作文は例文集などを使って「型」を覚えるのが上達への近道です。その型を少し変えて自分の文を作っていくととても楽です。また、長文など読んでいて「これ使えそう」とか「これ面白い!」と思った表現があったらノートに書き込んでおいて、その表現を英作文でどんどん使っていきましょう。自分の表現が豊かになっていって楽しいですよ。英作文は自分では採点しにくいし、ミスを見つけられないことが多いので、先生にお願いして添削してもらうのがいいと思います。しっかり練習すれば点が来るようになるので、頑張りましょう。 また、リスニングに関しては上述の通り毎日聴くに尽きます。東大の英語よりも少し早いくらいの英文(ニュース)に耳を慣らしておくとある程度余裕を持って問題を解けます。 シャドーイングも非常に効果的で、話すスピードが上がると読むスピードも上がるので一石二鳥です。また、リスニングは開始45分後頃に始まるので、それまでに必ず問題と選択肢に目を通しておきましょう。
 以上の3か所で得点を稼ぐのがポイントです。時間に余裕はないので自分のやりやすい順番で解いていきましょう。参考までに、私は1A→4A→2→4B→3→5→1Bの順で解いていました。

〈過去問の利用について〉
 私は高3の秋ぐらいから使い始めました。目的は専ら本番のための練習です。時間をしっかり計って取り組みました。これを繰り返すことによって時間の使い方に慣れていきました。 本番のための練習として取り組むので、ある程度基礎的な力がついてから取り組むのが良いと思います。
 私は数英物化に関しては25年分、国語は10年分解きました。特に英語と国語、化学は形式が独特なので絶対に過去問には取り組むべきです。

〈おすすめ参考書〉
○英語 キムタツの東大英語リスニング 英文解釈教室 英作文のトレーニング
○数学 1対1対応の演習 やさしい理系数学 新数学演習
○国語 古文上達 漢文道場
○物理 物理のエッセンス 名問の森 難問題の系統とその解き方
○化学 重要問題集 新演習 新研究
あと過去問です(東大の○○25か年)

〈併願校とその合否〉
併願校なしです

〈センター対策〉
 数学理科は数年分やって傾向に慣れるだけでいいと思います。英語に関しては文法とアクセントで落とさないように多少勉強しておきましょう。社会に関しては、しっかりと時間をとれば点になる(特に倫政の場合)ので、12月末ぐらいから集中的に取り組みましょう。国語はしっかりとした対策をしないと痛い目を見ます。過去問は最低5年分解いた方がいいです。選択肢を見てから解答を決めるのではなく、事前に解答のポイントを把握して、そのポイントがすべて網羅されているものが正解、というように解くとよいと思います。 たかがセンター、されどセンターです。二次試験までの精神状態に関わるので油断しないようにしましょう。

〈模試成績〉

河合駿台代ゼミの順で(点数は四捨五入)
高2秋 120E
高3夏 250A 190C 210A 秋 240A 240A 260A

〈センター得点開示〉
英語194 (リス48) 数ⅠA94 数ⅡB100 国語161 物理95 化学100 倫政92 計836  

〈東大得点開示〉
国語35 数学67 物理44 化学39 英語83 センター102.1778 計370.1778

〈当日の過ごし方〉
 私は全日の昼頃に上京して、ビジネスホテルに泊まりました。外に出ている間は東京観光のつもりでいて楽しかったですが、ホテルの自室で一人になると緊張と不安が押し寄せてきて正直ヤバかったです。そんなとき、今まで自分の解いてきたノートを見返すと心が落ち着いて自信が出てきた……という話はよく聞きましたが、私の場合は特に効果がありませんでした(笑)結局自分を落ち着けてくれたのは家族や友人からのメッセージでしたね。自分っていろんな人に支えられているのだと実感しました。夜更かしは禁物なので、軽く参考書を読み翌日に備えて早く寝ました。
 当日は早くに目が覚めてしまって、喉を通らない朝ごはんを食べました。ちなみに脳にエネルギーを送るにはパンよりもお米がいいそうです。「今日と明日で今までやってきたことの結果がすべて決まる」と思うと不思議な気分でした。
1日目の夜も同じような感じでしたね。1日目失敗しても取り返すことは十分可能なので諦めてはいけません。私も数学で失敗したと思ってもう地元に帰りたくなりましたが、メッセージを見て思いとどまりました。
 注意点を言っておくと、ホテルで問題を解くのはいいですが、新しい問題は解かない方がいいと思います。自信を無くしかねないので。あと、暗記物は直前まで頑張って詰め込みましょう。夜は眠れないかもしれませんが、目を閉じているだけでも体は休まっているものです。眠れないからといって焦らなくても大丈夫です。

〈自分の受験会場こんなところでした〉
 本郷キャンパスの経済学部研究科棟で受験しました。(赤門の近くです)暖房の効きはやや強く、少々暑かったです。しかし外はとても寒いのでしっかりと温度調節のできる服を着ていきましょう。トイレは噂ほど混雑しませんでした。各科目の入室完了時刻と試験開始の間、試験終了と退出時刻の間には結構な時間があるので教室内に拘束されますが、その時間でも試験監督に申し出ればトイレには行かせてくれました。試験本番でそうなったら恥ずかしがらずに行くべきです。我慢していると精神的にもよくないので。椅子は、一つの長机に3人座ったので、中央に座ると出入りが大変です。こればかりは運ですが。

 受験においては「自分の信念を貫くこと」これがとても大切だと思います。これは周りを無視して独りよがりになることとは違います。良いと思うところは取り入れ、周りの雰囲気が悪かったらそれにのまれずに自分で変えていくつもりでいきましょう。合格は無理とか誰かに言われても気にしてはいけません。そんなことに傷ついている暇があったら前へ進むべきです。私は地方の出身で、周りに東大受験の生の情報が全くありませんでした。インターネット等を通じて少しずつ情報を集めて、判断して、失敗して、の繰り返しでした。きっとこのような環境で苦労している人は少なくはないと思います。環境は大事ですが、それでも東大への、自分の夢への強い思いがあれば、必ず乗り越えられます。一度きりの自分の人生、後悔しないように突っ走っていきましょう。
  また、周囲で支えてくれる人への感謝の気持ちを忘れないこと。私のこの合格も自分一人では決して成し遂げられなかったものです。私の場合、もちろん自分の夢があったという面もありますが、周りの人がいたから頑張れた、と本当に実感しています。多分入試本番頃になるとみんな実感するでしょう。支えてくれる人がいるっていうのは受験において本当に大きなことです。だから、感謝の気持ちを忘れず、そのような人を大切にしてください。
  以上、私が受験を通じて感じたことのうち、後輩に伝えておきたかったことです。
    ”a dream still waiting to be realized”
 これは東大の過去問の中で見つけた表現です。夢は逃げずに待っていますが、近づいていくのは自分自身しかないのです。頑張ってください!