京大地理     文責/地学マスター

1.概要

2.傾向

3.勉強法

4.お勧め参考書・問題集

5.その他

・試験時間:90分間(地歴すべて共通)
・配点:100点(各学部によって圧縮あり)

・問題構成:京大地理の難易度は極めて標準的で、大問は4題出題される。設問の構成は多彩で、選択式の設問、短答形式の設問、30字~100字の論述問題、まれに作図などがある。論述量は他大学と比べて標準的、むしろ少なめである。

 第1問に地形図の読み取りや気候の問題が頻出で、残りは産業、都市、地誌で構成されることが多い。産業では農業・工業・観光業等が頻出である。都市の問題では、各都市の性質や都市計画等が頻出である。地誌はあるテーマのもとに集められた国々について論述されるかたちが多く、世界各地万遍無く出題されている。環境問題の分野や言語・民族の分野等もよく出題されており当り前ではあるが全範囲をしっかり押さえる必要がある。日本国内の問題、47都道府県の統計から読み取る問題も頻出であり対策しにくい分野なので注意したい。

 地理をまず初歩から勉強するときの姿勢からはなす。地理は暗記ももちろん大切だが、他の教科以上に「理解すること」が重要で、さらに問題を解くときに「論理的に考えること」が要求される科目である。「理解すること」とはどういうことかというと、地理現象の因果関係を把握することである。たとえば、少子高齢化の原因はなにかというと、女性の社会進出が進み、非婚化、晩婚化が進んだから、といったように現象の背景はよく問われるので意識しておさえておこう。授業でも先生はこの因果関係を重視して教えてくれると思うのでメモをとったりしよう。また地理では、世界の各地域を教科書では網羅していないため、参考書を買うことをおすすめします。2次試験に耐えうる知識量が掲載されている網羅系の参考書として、『村瀬の地理Bをはじめからていねいに』『センター試験の点数が面白いほどとれる本』とかがおすすめである。

 

 次に標準的な地理の基礎をおさえている前提で、京大に特化した対策を記述したい。まず苦手な人が多い地形図の対策であるが、さまざまな地形図の問題や説明にふれることで「この地形は●●だ!」って判断できるようにしたい。地形がなにか、を判断できると知識勝負である。例えば「これって自然堤防かな!」と地形を見て気づければ、「自然堤防上に畑や集落が立地しているのは高燥地だから」という知識にもっていって記述する。だから解答の重要な方向性を決める地形の選択を誤らないように各地形が地形図に現れたときの特徴をおさえておきたい。また、表やグラフから読み取る問題もセンター試験と比較するとその数値の差が小さく、微妙な違いから判別させる問題も多い。47都道府県の細かい統計から出題されることも多く、受験生の盲点となっているので統計表をチェックしておくといいかもしれない。

 

 本番や模試のときはまずすべての問題を見て、記号問題はその場で処理し記述問題で書けそうなやつは要素だけ箇条書きで記し、できそうな問題とできなさそうな問題に分類しできそうな記述を優先してやるようにしたい。地理の特性上、どこにものっていない知識がとわれることもあるのでそのような問題に多くの時間を割くという事態は避けたい。

・『村瀬の地理Bをはじめからていねいに』(東進ブックス)
…地理の全範囲を網羅した一冊。因果関係を重視した丁寧な説明がされており、図や写真が豊富に掲載され地理のイメージをつかむも容易である。地理の網羅系の参考書のなかでも随一の詳しさを誇るので「センター試験向け」とは書いてあるものの2次レベルの知識はこれでそろう。


・『はじめる地理40テーマ』(Z会出版)
…Z会出版からの一冊で、地理の基礎的知識を40テーマにわけて問題がつくられている。全範囲を網羅した後に基礎を確認する一冊として最適。この参考書をきっかけに各国の位置関係や主要都市等の暗記事項を覚えるのが良い。

 

・『実力をつける地理100題』(Z会出版)
…地理の標準的な問題が90のテーマにわけられ掲載されており、5テーマごとに字数の多い論述問題が掲載されている。この参考書の問題がすべて解けるようになれば地理の力はかなりつくので粘り強く取り組んでほしい。最初に記述問題の書き方についてかなり詳しく説明されているのでそこもしっかり読んでおきたい。また字数の多い記述(400字記述)が掲載されており京大には不要のように感じるかもしれないが、地理の知識をつけるいい機会である。

・答案の書き方

 一つの要素について長々と書くのではなく、できるだけ多くのポイントを少ない字数制限の解答欄につめこみたい。解答を書くときは、書く前に要素を書き出し、使うものと使わないものに選別し凝縮したかたちで記述することをおすすめする。また過去問と同タイプの問題がたびたび繰り返し出題されているので過去問を2周以上やってもいいとおもう。また過去問を解いたときは信頼できる先生に添削をお願いして自分の記述の足りない部分を見てもらうことをおすすめする。