サークル     文責/けんと

◎サークルってなに?


 大学生になっていないみなさんは、サークルというものが一体なんなのかよくわかっていないはずです。この記事では、部活動とあわせてサークル全般についてお話ししたいと思います。

 サークルとはある目的に沿って集った学生の団体を指します。高校までの部活動との違いはより自由度が高いことや学生がその運営のすべてを担っていることなどです。その種類は多岐にわたり、運動、音楽、演劇、学習会などなど、自分の趣味と合うサークルがないなんてことはないくらいたくさんあります。もしなかったならば新しく作ればいいだけのことです。

 サークルには学内サークルとインカレサークルが存在し、前者が東大だけのサークルであるのに対し、後者は複数の大学にまたがるサークルです。基本的にインカレサークルは在籍大学に縛られない自由なサークルであることが多いようですが、ある特定のサークルでは「男子は東大だけ、女子は日本女子大、お茶の水女子大だけ」といった制限があるようです……

 大学にはサークルのほかに「部活」というものもあります。定義があいまいなところはありますが、多くの場合大学の公共団体である「運動会」を指すことが多いようです。運動会は野球部やサッカー部のような運動系の部活然としたものであり、多くのサークルと異なり練習がかなり厳しいです。気軽に運動したいならばサークル、本気で打ち込みたいのなら運動会、というのが一つの目安といえるでしょう。(もちろんサークルにも厳しいところはありますが)

 サークルや部活に入ることのメリットとしてなにより大きいのが人間関係が広がることです。サークルでは他クラスや他大の人、先輩後輩など多くの知り合いを作ることができます。大学は高校までと違い、授業をそのクラスだけで受けるということがほとんどないため、クラス内のつながりが弱くなりがちです。つまりサークルに入らないと、最悪クラスにも友達がいない、そのほかのつながりもない、なんてことに……

 さらにサークル活動を通じて自分の趣味を深め、大学生活を充実したものにするという点でサークルは非常に重要なものであると言えます。

 デメリットとしては、どうしても拘束される時間が多くなるためあまりサークルをかけもちしたりすると自分の時間がもてなくなり、勉強や他の活動と両立できなくなってしまう可能性があるということです。大学には非常にたくさんのサークルがあり、あれもこれも入りたいとなりがちですが、自分のキャパシティと相談して入るサークルを選びましょう。(ちなみに筆者は活動がゆるめのサークルを2つかけもちしています)


◎サークルに入るまで

 

 東大の新入生は入学諸手続終了後、「テント列」という悪夢を乗り越えなければなりません。テント列とはそのままの意味で、東大の一部のサークルおよび運動会が新入生の通り道にテントを設置し、ありとあらゆる手で自分たちのテントに引き込んで勧誘しようとも目論む場所のことです。

 健全な勧誘ならばいいのですが、ただ勧誘しても効果が薄いため力ずくでかかってきます。彼らは本気です。特に運動部のテントではガタイがいいお兄さんたちが仁王立ちで立ちはだかっているため、強行突破しようとせず素直に勧誘を受けるのが安全策です。テント列は通過するのに平均3時間程度はかかるようです。

 ちなみに諸手続の際に東大のほぼすべて(?)のサークルのビラをもらえます。大量ですが目を通してサークルオリで回りたいサークルを決めておきましょう。

 諸手続から数日後、サークルオリエンテーション、略してサークルオリが開かれます。ここではテント列に参加していないサークルもすべてキャンパス内の部屋を割り当てられ、それぞれのサークルの説明や勧誘をしています。テント列ほど激しい勧誘活動はなく、回りたいところを自由に回れますが、意外と時間が早く過ぎてしまうためあらかじめ行くサークルは決めるべきです。

 たいていのサークルおよび運動会は、サークルオリの後でも5月いっぱいくらいまでは新勧活動をしています。新勧コンパでは入る入らないにかかわらず先輩がご飯をおごってくれることがほとんどなのでぜひ活用しましょう。

 サークルに入ることを決めたらそれを先輩に伝え、入部届などの書類を書いて終了です。(特に書類などのいらないサークルも多い)

 サークルの勧誘を受ける際、メールアドレスを求められることがありますが、あくまで記入は任意だということを覚えておいてください。また、記入するにしてもYAHOOメールなどのPCメールのメールアドレスにして、携帯のアドレスやLINE等は入部後に教えたほうが安全でしょう。


◎サークルの選び方


 サークルの勧誘は何回にもわたって行われます。焦って決める必要はなく、じっくり見て回って考えてください。

 とはいうものの、肝心なのは情報収集です。サークルオリなどではそのサークルがアピールする面しか見えてきませんので、信用できる母校の先輩や上クラの先輩に話を聞いたり友達と情報交換したりすることが必要になってきます。

 情報をしっかり集めたうえで、新歓にも参加し、自分がいいなと思えるサークルがあればぜひ入ってみましょう。自分が本当に向いているかどうか見極めるためにも、はじめのうちは多めのサークルに所属するのもいい方法です。


◎危険なサークルいろいろ


 サークル活動は基本的に学生の自由であり、公序良俗に反しない限りはいろいろな活動が認められています。しかしながら危ないサークルというのが一定数存在します。何が危険かは一概に言えるものではなく、ここで書くものは筆者個人の意見にすぎないということに注意して読んでください。

 

・カルトサークル

  最も危険な団体のひとつで、大学側も積極的に取り締まっています。そのほとんどは宗教団体のダミーサークルで、彼らは正体を隠しつつ近づいてきます。時期外れに校門で勧誘していたり、人生や学びについて考えよう、というように勧誘内容が漠然としていたり、話をすると称しどこかにつれていこうとする場合は要注意です。

 

・飲み(宴会)が多いサークル

 飲み自体をサークルの主眼においているのではなく、サークル活動後にどこかに飲みにいく、ということが半強制されるサークルです。もちろん成人の飲酒は合法ですが、新入生の大半は未成年であり、また飲酒に慣れていないため先輩の勧めるままにお酒を飲みすぎてしまうという事態がどこの大学でもあります。

 東大でも過去に死亡事故が起きていて、それからは飲みの強制は少なくなってきていますが、いまだにないとはいえません。

 結局は自分の飲める量を把握し、無茶な飲み方をしなければよいことなので自分しだいとも言えますが。

 

・出会い目的のサークル

 東大の女子率は2割未満です。溢れ出る青春の情動は学外に向かうことになります。そうして「出会い」を目的としたインカレサークルが作られるのですが、厄介なのが表向きはそうした側面を出さないことです。

 俗にいう「テニサーはチャラい」のような偏見はこうしたところから来ていて、表向きはテニスサークルでもその実態は……といったところも存在するのは確かです。

 無論出会いを目的として入るのならばよいのですが、まじめにテニスをしたくて入ったのに……ということもあり得るのでやはり情報収集は大事です。

 また、その性質上飲み会などでいかがわしい行為に発展する場合があり(ないと信じたいですが)十分に注意が必要です。