模擬試験 文責/Junca
受験生のみならず、高校生のみなさんのほとんどが受けることになるであろう模擬試験。ここでは、模試についての基本的なことから各模試の特徴までご紹介します。
◎模試の基本
・種類
大学入試の模試は、大きく次の3種類に分けることができます。
- ①マーク模試:センター試験型の模試、記号問題のみ。マークシートを塗りつぶす。
- ②記述模試:記述問題を含む、二次試験を意識した模試。対象大学は不特定。
- ③冠模試(各大学の名前を冠した模試):「東大実戦模試」「京大オープン模試」など、特定大学の入試を再現した模試。
・申し込み
高校で一括して受けるものは個人で申し込む必要はありません。冠模試などは、高校を通して個人的に申し込む場合があります。
浪人生などは自分で申し込まなければならないので、事前に期限をチェックしておきましょう。インターネットを通じて申し込むと安くなる場合もあります。
・試験会場
高校で一括して受ける場合はたいてい高校の教室で試験となります。
全員ではないが同じ高校から一定以上の人数が受ける、というような場合もその高校が会場となる場合があります。
個人的に申し込んだ場合は、予備校が指定する地元大学や専門学校、施設の会議室などが外部会場となります。
・成績の返却
多くの模試は試験から1カ月前後で成績が返却されます。高校で受験した場合は高校の先生を通じて返却されることがほとんどです。個人申し込みでは郵送の場合が多いですが、最近はインターネット上で成績を確認するウェブ返却も行われているようです。
・レベル
ほとんどの模試は、本番より高いレベルに設定して問題が作成されています。「模試では取れたことのないような高得点を本番で出せた」という話はよく聞きます。河合塾のセンター模試などでは、「換算点」として、「この模試で何点ならセンター本番では何点相当」という点数も成績表に掲載されます。
◎各社の特徴
・駿台模試
母体が大きく(受験者が多く)、受験者のレベルが高いと言われます。12月のセンタープレは激ムズのことが多いので、直前期に受けてひどい点を取ってもくじけてはいけません。
・河合塾模試
母体が大きく、さまざまなレベルの受験者がいるので、センター模試などは本番に近い形の判定が出ると思います。
・代ゼミ模試
母体が小さく、講師の個性が強く出ているという話も聞きます。また、東大模試とセンター模試については他の予備校と比較して問題レベルが適切に(本番と同程度に)設定されているという話も良く聞きます。よい練習になるかもしれません。
・東進模試
他社の模試が相対評価であるのに対し、東進は絶対評価で判定がなされます。つまり、「まわりと比べてどれだけできたか」ではなく、「志望校合格まであと何点必要か」が判定されます。返却が早いのも特徴の一つ。
◎判定は気にするべき?
多くの模試では志望校の合格可能性判定が出ます。受験生、特に浪人生はなるべくいい判定を取れるよう意識しましょう。ただし、「ずっとA判定でも落ちた」「E判定から逆転合格した」などという話をよく聞くように、あまり気にしすぎてはいけません。よくても過信せず、悪くても落ち込みすぎず、その時点での自分の立ち位置の把握として活用しましょう。
模試の結果が返却されるのはたいてい1カ月後くらいですから、自分の手元に成績表が届いた時点でそれは1カ月も前のデータであるわけです。その1カ月の間にすでに順位は変動しているのだ、ということを忘れないでください。
また、高校1,2年生のうちは判定など気にする必要はないと思います。受験生になった年に自分がどんな成績を取るようになるかなんて、まだまだわからないのですから。
◎復習のしかた
まず、模試を受けたその日のうちに自己採点をし、復習をはじめましょう。返却されてからではとっくに記憶が古くなっています。
復習のしかたは人それぞれだと思いますが、以下、いくつか例を挙げておきます。
・間違い直しノートをつくってまとめる
自分が間違えた問題を書き写すなりコピーして貼るなりし、その下に正しい解答・解き方を書きます。また、自分がどこで間違ったのかなどを書いておくと効果的です。
しばらく経ったら解答部分を隠してもう一度解いてみましょう。
・解説に書いてあることをぜんぶ飲み込む
解答解説冊子に書かれていることすべてに目を通し、自分の知らなかったこと、つまずいたところ、忘れかけていたことなどの事項すべてにアンダーラインを引きます。冊子を読み終わったら、ノートなどにアンダーライン部分をまとめ、その後何度も見直しをします。
・もう一度最初から問題を解きなおす
間違い直しが終わってから、同じ問題を、模試本番と同じかできれば少し短い時間を計って解きなおします。二度目ですから、満点をとるつもりで解きましょう。
ただし、この方法はかなり時間がかかるということを付言しておきます。長期休みなど、余裕のあるときにやるといいかもしれません。