東大のアルバイトについて(教育系)     文責/らう

◎家庭教師


 多くの場合準備がいらないので大変楽なアルバイト。しかも時給もよく(大抵時給2,500円以上)、家によってはおやつや食事、折に触れてのお土産までつく。さらに真面目に頑張る子が生徒になった場合、成績がどんどん上がるので、給料のことを考えなくても大変楽しいアルバイトとなる。指導時間は週に2~7時間であることがほとんどだろう。生徒は中学・高校・大学の受験を控えている人に限らず、定期テスト対策や小学校の授業内容の復習などを求める子どもであることもある。毎日親のいる生徒の家に訪問するということもあり、連絡不足によるトラブルが起きる可能性は大変低い。家庭によっては曜日や時間もフレキシブルに変更することが可能なので、突然用事が入ることの多い人は検討しても良いだろう。しかし、時給が高いうえに一人の生徒を一身に負って指導することになるため、最初やうまくいかなかった場合のプレッシャーは大きくなる。また教えるこちらの力量が不足している場合にはもちろん、本人の努力が足りないなどのこちらの力による改善の難しいことに因り成績が伸びないとか下がるといったことがあった場合にも親などに責め立てられたり、難しい相談や質問を持ちかけられたり、最悪の場合契約解除を申し出られるといったことがあるため注意が必要である。

 後述の塾講師、特に集団授業担当の塾講師との違いは、相手が基本的に一人であるので出来る子と出来ない子のレベル差を考慮する必要がなく、相手のレベルに合わせた指導ができればそれでうまくいくということである。しかしそれは容易ではなく、分野間の仕上がり具合とか指導単元ごとの理解の難しさの違いは予想以上に大きいため、ほぼ必ず生徒に指導内容を理解させるのに苦しむときが来るだろう。また相手が一人ということで責任を感じる人が多いと思うが、それゆえに相手に話していることを理解してもらうまで付き合わなければならないという考えに至る場合が多い。そこで頑張って生徒の「ああ、そういうことか!」を引き出すのは、家庭教師(や個別指導)の醍醐味であるといえよう。あなたが家庭教師を務めることになった場合、どんなに教えるのが難しいことであっても逃げずに理解させてやって、生徒とわかる喜びを分かち合ってみてほしい。

 ある程度以上信頼している人から家にきて子供の勉強に付き合って欲しいという申し出があった場合、迷わず申し出に乗り、家庭教師を務めさせてもらうべきだろう。逆に先述のつてがなく、見も知らぬ生徒の自宅に教えにいかざるを得ないといった場合、生徒の親と自分自身の双方のために、指導開始前に一度親と話をしてみるのが良いかもしれない。


◎塾講師

 

 集団授業を担当することになる場合と、個別指導を担当することになる場合とがあるが、それがどちらになるかは所属教室によることが多い。時給は個別指導(1,000円台が多い)よりも集団授業(大抵2,000円~5,000円)の方が高くなることが普通である。しかしこれは授業時間に発生する時給のことであり、プリント作成や指導内容の確認や予習などの授業準備、生徒の質問への応対をはじめとする時間外労働、ミーティング、研修、試験監督や事務作業などの安い給料で使われる雑務があることがほとんどであるため、実際の労働時間は授業時間の2倍強~3倍程度となり、時給は半分程度と考えるのが妥当であろう。
 大学生がアルバイトで塾講師をやる場合、生徒に懐かれることがよくある。また、大学生であるかどうかに関係なく、熱心な生徒がこちらをじっと見てこちらの話すことを聞いてくれることがある。給料が安くてもこういったことを喜びに感じ、楽しめる人には塾講師のアルバイトは向いているであろう。
 また家庭教師の項で述べたのとは反対に、全員に説明していることを理解させる必要のある場合はあまりないため、授業を比較的サクサク進めることができる。また、家庭教師では進み次第次々に新しいことを教えることができるが、塾ではそうはいかないことがあり、そのため授業時間をいっぱいに使ってそれぞれの回の指導内容を全うする必要があり、かつ時間オーバーをすることも許されないので、時間感覚の鋭さや話を広げたり削ったりするセンスは要求される。
 また上司、教室長やほかの講師に当たり外れがあるが、これは働き始めてからでないとわからない。運ゲーである。