30L-1をICOMで使う

(リレー回路のインターフェース=ソフトリレー)

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 30L-1はリレー回路の制御電圧が高く、近年のICOMに代表されるトランシーバと直接接続すると問題が発生する。例えば、IC-756Proシリーズの場合、リレー接点の耐電圧が16Vと低く、30L-1の様なリレー電圧が−110Vもあるリニアアンプと組み合わせて使った場合、アークによる接点の溶解が発生する。これを防止する為に、種々のインターフェース回路(ソフトリレーと称される)が考案されているが、部品点数が少なくシンプルで、安価な回路を見つけたので再現してみた。  

 
1.部品と回路図

 バラックで部品を組んだのが右の写真である。実態配線図として参照願いたい。本機の特徴は、
  1. 廉価で入手しやすいパワートランジスタを使用した。
  2. ドライブのための外部電源が不要である。
  3. 部品点数が少ない。

2の特徴により、リニアアンプとトランシーバの間に挿入するだけで稼動し、接続が非常にシンプルになる。部品表と参考価格は下記の通り。パワートランジスタ、ダイオードは秋葉原の小澤電気商会で調達出来る。

部品名 規格 個数 参考価格
パワートランジスタ 2SC5198

200円

ダイオード 1N4002

60円

抵抗 1KΩ 1/2W

10円

実体配線図


 
2.組み立て

 実装は右の写真を参考にされたい。
  • 小型ケースにパワートランジスタを両面テープで取り付け、パワートランジスタの足を利用してダイオードと抵抗をマウントする。
  • ケースにRCAコネクタ(メス)と取り付け、パワートランジスタとリード線で接続する。
  • RCAコネクタ(オス)が付いたケーブルを取り付け、パワートランジスタと接続する。

小型ケースに入れた模様


 
3.利用方法

 リニアアンプとトランシーバを接続するケーブルの間に本機を挿入し使用する。
  • リニアアンプからのケーブルを本機のRCAコネクタ(メス)に接続する。
  • 本機のRCAコネクタ(オス)をトランシーバに接続する。

TL-922の様にリレー電圧がプラスの場合は、次の回路変更を行う。

  • 2SC5198の代わりに2SA1941を使用する。
  • 1N4002と2SA1941との接続は、2SC5198との場合と極性が逆になる。(E−カソード、C−アノード)
  • 部品の調達先及び価格は2SC5198と同様。

 参考のために、本機のオリジナル回路が掲載されているページを紹介しておく。なお、ここで使われているパワートランジスタは既に絶版となっている。

   qsl.com の ICOM Information のページ

完成品(+電圧用、−電圧用)