HF-380

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【凡例】 

 
改善 機能の改善
予防 予防保守
修理 不具合箇所の修理
修理 未解決の修理

#1

番号 種別 内容 対応
1  改善 周波数偏差がある 偏差は次の通りであった。
  • 1.9MHz +8Hz
  • 3.5MHz +5Hz
  • 7MHz   0
  • 14MHz  −10Hz
  • 21MHz  −20Hz
  • 28MHz  −30Hz

OVEN(39.6MHz)の調整、R10(455KHz)の調整を実施し、偏差はほぼ1Hzとなった。

改善 ALCが効きすぎ出力が80Wしか出ない バイアスとALCにより90Wに調整。
修理 オプションのテンキーで入力できない数字がある。 キーボードのマトリクスの内、123の列の配線の半田が外れていた。半田を付けて復旧。
修理 PLLロックエラー 電源を入れるとPLLロックエラー発生のワーニングであるビープ音が鳴り止まらない。この時に周波数表示が 「* .000.00」(*は0の左辺上部が欠けた表示)となる。切り分けの手順は次の通り。
  @ OSC⇒A5A2の39.6MHz
  A A5A2⇒A8の9.9MHz
  B A5A2⇒A5A1の100KHz
  C A5A2の39.6MHz分周後の500Hz信号経路
  D A5A1の100KHz信号経路
  E A8の9.9MHz経路
DA5A1:U8P6(100KHz)OK。CA5A2:U5P13(500Hz)OK。EA8の9.9MHz確認準備中に自然復旧(A8基盤を引き抜いた時に接触不良が直った?)。==>再現待ち。

再発。発生しない時もあるが、一度、発生すると再起動しても直らず。A8の9.9MHz注入箇所のコネクタを磨き復旧。

修理 受信感度が落ちる ガサガサと接触不良の様な音がして受信感度が大きく低下。送信は問題なし。暫くの間、原因が分からなかったが、同軸ケーブルコネクターの半田付け不良を発見、半田付けをしなおして様子見。 

再発。受信出来なくなる。周波数制御、受信信号によるSメータ稼動(AGC稼動)は正常。AFアンプからと思われるホワイトノイズは出る。ポップ音と共に復旧。その後、ガサガサという音が時々発生。
受信出来ない時に次の症状を確認。CWポジションにすると受信出来る。CW、USB、LSBとも送信が出来ない。Sメータ稼動。周波数制御は正常。⇒IF段?

その後、長期間現象は発生せず。

修理 キャリア漏れ 交信相手にキャリア漏れが有ると指摘された。突然のキャリア漏れの理由は不明だが、A3(Receiver-Exiter)のキャリアバランスボリューム(R513)を調整。エキサイター出力(J1)で規定の12mV以下となった。
修理 MICゲインボリウムにガリ ボリウムを分解せず、呉エレクトリック・クリーナーで清掃、アンテナエレメント接合用に使用した導電性グリスを内部に塗り解消。
修理 PLLロックエラー 電源を入れて暫くすると周波数表示が「* .000.00」(*は0の左辺上部が欠けた表示)となる。但し、受信は出来、周波数の変更が出来ない。電源を再起動するとるとPLLロックエラー発生のワーニングであるビープ音が鳴り止まらない。

Control Card A8のKIRONメモリーがソケットから外れかかっていたので、念のために一旦、抜き差しして差し込んだ。⇒復旧

修理 送信時電圧降下 送信をすると、メーターランプが暗くなり電圧降下をしている事が確認できる。
DC電源を使用しているが、電源装置の電圧調整つまみが動き、供給電圧が10V程度になっていた。規定電圧に戻し復旧。

#2

番号 種別 内容 対応
1  レストアメニューの実施 レストアメニューの一部を実施
  • 生臭い臭い除去。⇒コンデンサの電解液が若干もれてこれが臭いの原因となっていた。アルコールで電解液を除去、くさい部分の清掃をしたら概ね臭いが無くなった。
  • 注油
  • ワックス
修理 PLLロックエラー 電源を入れるとPLLロックエラー発生のワーニングであるビープ音が鳴り止まらない。
Receiver-Exiter A3 のOSCからの39MHZ、455KHz注入部のコネクターを接点復活材で清掃したら復旧。
改善 周波数偏差がある 偏差は次の通りであった。
  • 7MHz   −20Hz
  • 21MHz  −20Hz

Oscllator A7 のOVEN(39.6MHz)の調整、R10(455KHz)の調整を実施し、偏差はほぼ1Hzとなった。

修理 外部スピーカー使用時にスピーカーの音が切れない スピーカージャックのスピーカーをカットする接点が折損していた。スピーカージャックを交換して復旧。
改善 電源入力コネクタが汎用3Pタイプに改造されている このままではDCでの運用が出来ないので、電源コネクタをオリジナル品に交換。
改善 メインダイヤルが硬い エンコーダーを取り外し分解。エンコーダーの外部ケーシングは簡単に外れる。外したらエンコーダー本体のケーシングが見える。本体のケーシングの裏には出っ張りがあり、これが内部のスプリングを押していることを発見。これを回すと外せ、スプリングも外せる構造になっている。簡単に戻せるので、スプリングの脱着でダイヤルのタッチが調整できる構造であることが想像できる。本ケースでは、再度、スプリングを付けたらタッチがスムーズになった。重かった原因は不明で、中でゴミ等が引っかかっていたと想定している。軽くグリスアップをして修理完了。
修理 メータが引っかかり0に戻らない時がある メータを分解の上、注油して復旧。
修理 受信音のハムが混入する。 SPOT音量調整の半固定ボリュームが最大になっていた。これを絞り適正音量にしたら解消した。
改善 PAのバイアスが狂っている PAバイアス調整。
10 修理 電源が入らない PAユニットを取り外した時にJ3を外したが、復旧するときに一こまずれて挿入したために、DC14VがグランドピンにささりDC14Vラインがショートした。この為に、Q4〜Q6(MJ4031)が飛んだ。MJ4031が製造中止なので、同等品であるMJ11015に交換(NTE250が一般的だが、高い)。
11 修理 最大出力時に14Vラインが電圧降下を起こし12Vになる 10の修理により電圧降下が無くなった。
12 修理 ALCが効きが悪く音声の平均出力が80W出て、音のピークが歪んだり回り込みを起こしたりする 次の2点が問題だった。修理し復旧。
  1. Power Amplifier A1A1 のAVG PWR AMPLのドライバートランジスタQ83(MPS2222)が不良でALCの電圧コンパレータの比較電圧が狂い、ダイナミックレンジが狭くなり、ALCの効きが悪くなっていた。代替品の2N2222Aに交換し、復旧。
  2. Diractional Coupler A2A2 から音声の出力を検知するPeak Power AMP への入力電圧が低く、音声ピークでALCが効かなかった。Directional Couplerのトリマコンデンサにより、正方向、逆方向の発生電圧をマニュアル通りの値に調整しようとしたが、出力電圧が低くて調整できない。高周波電圧整流のダイオードCR2(1N5711)が不良になっていた。特性を揃える為に正方向、逆方向のダイオードを一緒に交換しALCは正常に稼動するようになった。
13 改善 パワー計が振り切る Diractional Coupler A2A2 の調整で出力が正常に戻った(大きくなった)ため。パワー計の指示調整半固定ボリュームR948を調整し正常になった。
14 修理 送信音にハム音が混入する マイクゲイン調整ボリュームへの配線のシールドが半田付け不良になっていた。補強し復旧。
15 修理 DCで運用時、USBの音が濁り、回り込みが発生している様な音になる。 14の修理により回り込みが無くなった。
16 修理 PLLロックエラー
(再発)
Frequency Synthesizer VAR REF Frequency Loop A5A2 で、φ1、φ2がReference周波数の500Hzに同期していなくエラーが出ていた。更に上流をチェックすると Control Card A8 からのクロック9.9MHzが出ていない事を発見。 Control Card A8 を引き抜いたら直った。クロックを供給するコネクタが Control Card A8 側で接触不良を起こしていたと推定。
17 改善 送信音が500Hz以下で急に減衰している。 送信音の偏りを改善するSB14が発表されている。本機は既に適用済みだが、適用後の調整方法として、AF入力1KHzで80Wになるように入力レベルを調整したとき300Hzで25Wになるようにキャリアポイントを調整する様に指示されている。調整がずれていたので調整し改善した。
18 修理 音が出ない 電源を投入したが、音が出ない。周波数表示は正常。U602(低周波出力オペアンプ)の入力までは信号が来ているが出力されない。オペアンプの電源電圧を調べたら、DC14Vが9V位に低下していた。本機はDC電源で使用しているが、DC電源の電圧調整ボリュームが動き、出力が9Vになっていた。これを元に戻し音が出るようになった。
19 改善 LSBで音がこもる 17番の改善でキャリアポイントを変更した為と判断し正規の調整値に戻した。その状態でAF入力周波数vs出力特性を測定し改善を確認した。
20 改善 メータの針が若干曲がっている。 メータを分解の上、針の曲がりを修正。

#3

番号 種別 内容 対応
レストアメニューの実施 レストアメニューの一部を実施
  • ワックス
改善 コンセント形状変更 電源プラグがヨーロッパタイプのA型になっていて、プラグのアダプターを使用していたので日本タイプ(3P)に交換
改善 電源電圧の変更 電源電圧がAC105Vに設定されていた。アイソレーショントランス経由後の電源を使用する為にAC115Vに変更
改善 Card Cage Coverの交換 Card Cage Cover のクロムメッキがサンドペーパーで剥がされていた(腐食の為と推定)ので将来腐食が発生すると思われる。これをSSNから調達したCard Cage Coverと交換した。
改善 ケーブル引き回しがおかしい ケーブルの引き回しルートがオリジナルとは異なり、ユニット上部の蓋をネジ止めした時に、配線をはさんでいるのが散見された。他のHF-380を見本にしてケーブルの引き回しを修正した。
改善 周波数偏差がある 偏差は次の通りであった。
  • 3MHz +3Hz
  • 15MHz +3Hz
  • 28MHz  +3Hz

OVEN(39.6MHz)の調整、R10(455KHz)の調整を実施し、偏差は1Hz以内となった。

修理 OPT2で受信できない OPT2には360HzのCWフィルターが入っているが選択すると受信が出来なくなる。前面パネル裏のロータリースイッチを点検すると配線が外れていた。配線を半田付け。⇒復旧
修理 キャリアレベルが変わらない マイクゲインは変わるが、キャリアレベルが変わらない。前面パネルの裏のボリウムのセンターの配線が外れていた。配線を半田付け。⇒復旧
修理 PBTで通過帯域変わらない IFは455KHzを一旦6.7MHzにアップしてX'talフィルターを通して再度455KHzにダウンしている。6.7MHzは水晶発振周波数をバリキャップに印加する電圧で変化させていて、これにより送受信時のキャリアポイントを決めている。受信時にはPBTボリウム経由で5〜14Vを供給し、送信時にはUSB、CW、LSBのポジションによりプリセットされた電圧を供給していて、それらをU1(CD4066BE)で選択しバリキャップに印加している。受信時に送信側の電圧がリークし、9〜10Vしか変化していない様なので、U1交換。

U1交換後も症状は改善せず。送信時もPBTボリウムのU1スイッチングの電圧が供給されているのでU3(LM339N)不良と判断しU3を交換。⇒復旧

10 修理 LSB送信のキャリアポイントが調整できない 上記の対策で復旧。
11 修理 PLLロックエラー 時々発生する。接触不良が発生し易い簡易同軸コネクターをスポンジ研磨材(※)で磨いたら、症状が出なくなった。
※ スポンジ研磨材はどんな形の物でも研磨面がフィットするので上手く磨ける。使用した物はDIYショップで簡単に入手でき、廉価な(@250円)3Mの製品(#320〜#600相当)。⇒再発

Control Card A8 のDATA BUSに不正な信号が出ていた。基盤に圧力を掛けると再発、復旧を繰り返すので基盤を調査、基盤面フラックス汚れの清掃、コテを半田付け部分に当て半田付け確認、ソケットに挿入しているIC足の清掃。結局、メモリー(U17)とソケットの接触不良が原因だったので、ソケットに接点復活材を散布。⇒時々再発する。

ソケットが寿命と判断。使用されているソケットは板バネ式だったので、長寿命の丸ピン式に交換。⇒復旧

12 修理 10Hz代の周波数同調が出来なくなった。 Control Card A8 のDATA BUSのD0のレベルが低くなっている。この為、10Hz代の同調、外部キー入力の特定のボタン、VFO SYNCの各機能が稼動しなくなっていた。D0に関連する各デバイスを確認したが問題なし。基盤パターン確認中、D0のパターンと他のパターンがブリッジしていたのを発見、修正。⇒復旧
13 修理 AGCをオフするとメータが振り切る Receiver-Exiter A3基盤のAGC DET/HANG AMP:U400(TL084CN)の各ピンにより異常電圧が出ていて、これにより不必要なメータドライブ電圧が発生していると推定。U400交換。⇒復旧せず。

電圧等はHF-380(#1)と比較したが、#1はSB18まで全て適用済みなのでSBの有無による違いがある可能性があるので調査した結果、メーターが振り切る現象及び異常電圧はSB8による相違と判明。異常電圧はAGC断時のベースのゲインの相違で通常の運用には支障が無いので、メーターの振り切れ防止策(AGC ON/OFF回路にコンデンサーを挿入)のみ適用した。

14 修理 送信時にメータが振れない VCを含めメータが全く振れない。13番でA3基盤を修理後、戻した時に送信状態を与えるロジック回路のジャンパー線を基盤を固定するビスで挟んた為、送信状態にならず、メータ回路が切りかわらなかった。⇒復旧。
15 修理 送信出力が出ない SSB、CWとも出力が出ない。上記14番の原因で、送信時に455KHzキャリアがバラモジに供給されず送信出力が出なかった。⇒復旧。
16 修理 PLLロックエラー 11番のエラーとは異なり、ビープ音が発生するが周波数が正常に変化する。DC24VレギュレータA9A2の出力端子に接続されている配線が外れていた。⇒復旧
17 修理 電源を入れたら煙が出てビープ音が発生 A9A2基盤C4(50WV、1.5μF)がレアショートになっていた。交換。⇒復旧
18 修理 内蔵スピーカーの音が途切れる マイクをジャックに挿すとその振動で音が途切れる。ヘッドホン端子の接触が悪くその振動で音が途切れていた。接触を改善。⇒復旧
19 改善 メインダイヤルに電子的なバックラッシュがある SB7として電子的なバックラッシュの改善が発表されている。SB7を適用。⇒解消
20 修理 PLLロックエラー ビープ音の繰り返し周期が長く、音が低いので、電源電圧低下を疑い調査の結果、5Vラインが2Vになっていた。電源回路の5V用のレギュレータ(LM317T)が不良と判断。交換。⇒復旧。