DL-1の使い勝手の改善

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 DL-1はアンテナ回路に挿入して使うことを前提として設計されているので、常時はスルーになる構造となっている。ダミーロードを使う為には、外部電源としてAC6.3Vが必要となるが、送信機を作業場所に移動している時等で、単体でダミーロードを使いたい場合には不便である。これを改善するために改造を実施したので紹介する。  

 
1.概要

 DL-1のスルー、ダミーロードの切替は内部のリレーで実施している。リレーを可動される為に、外部電源としてAC6.3Vが必要となる。単体でダミーロードを使用する時に、AC6.3Vを使わずにダミーロードを使えるように改造を実施した。この改造は、一箇所に配線実施するだけなので、直ぐに元に戻せる。

<改造内容>

  1. リレー回路にジャンパーを1箇所追加

<対象>

  1. DL-1

 
2.改造内容

 右の配線図を参照願いたい。

 常時はTRANSMITTER(J3、J5)がANTENNA(J6、J7)に接続されていて、ダミーロードは切り離されている。この切替をK1の接点、4、5、6で行っている。

 これを常時ダミーロードに接続する様に、K1の接点4、6をジャンパーケーブルでショートする。

リレー回路周辺の配線図


 
3.改造手順

 改造箇所の配置は、右の写真を参照願いたい。概ね次の手順で改造を実施する。
  1. DL-1のケースを開放すると、後方にリレーK1が見える。これが改造のターゲット。
  2. この接点4、6をジャンパーケーブルでショートする。写真の赤丸の中の赤い線の部分。
  3. TRANSMITTER(J3、J5)は、リレー接点を経由してダミーロードに接続する事となるので、念のためにリレー接点の接触不良が無いかを確認する。

以上で改造は完了する。

リレー回路周辺の写真


 
4.使用感

 右の背面の写真を参照願いたい。ANTENNAのN型コネクター、RCAコネクター、TRANSMITTERのN型コネクター、RCAコネクターはどれも常時ダミーロードに接続されているので利用可能である。

 但し、TRANSMITTER側は、上記で記したようにK1の接点を経由してダミーロードに接続されるので、接点不良に注意が必要である。ANTENNA側はジャンパーでダミーロードに接続されているので、この心配は無い。

 誤って、AC6.3Vを接続してリレーを稼動させると、K1の接点1、2、3により、回路がグランドに落ちるので注意が必要である。

DL-1の背面


 
【参考資料】

DL-1 Dummy Load instruction sheet
Collins Radio Company
523-0106000-101311
Revised 1 November 1966