30L-1の200W化

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 小型リニアアンプを100W入力200W出力とする改造として、FL-2100Bのプレート電圧を2400V⇒1200Vにしたり、572Bを1本にする事例が発表されています。30L-1ではどの様にするかを試行してみました。

1.試行の内容

 次の方法が考えられます。
  1. 811Aを4本⇒2本にする(単に2本抜く)
  2. プレート電圧を半分にする(811Aは4本のまま)
  3. プレート電圧を半分にして811Aを4本⇒2本にする

2.811Aを2本でテスト

 プレート電圧はそのままで811Aを2本にしたら、出力は従来と余り変わりなく、811Aのプレートが激しく赤熱したので早々に断念した。

3.電源電圧を半分にする

 FL-2100Bの様に高圧トランスにタップが無いので、倍電圧整流回路を半波整流回路に改造した。改造点は下の回路図の通り、CR9、C52の高圧接続部を外す。 

電源回路図

 

 外す場所(下左の写真中、左の赤丸)。 外した後の養生として、不用意に他の部分に触れないように、また直ぐに復旧できるように差し障りの無い場所に半田で固定すると良い(下左の写真中、右の赤丸)。 この改造の結果、電源電圧は900V弱となる(下右の写真)。

改造箇所

 

電源電圧

 


4.電源電圧を半分、811Aを2本、4本でテスト

  • 811A 2本の場合
    811Aのプレートの赤熱はなくなったが、入力インピーダンスが大きく変わり、14MHz以上で入力SWRが悪化し100W連続キャリアを入れると入力回路から煙が出たので断念。
     

  • 811A 4本の場合
    14MHzは100W連続キャリアでも問題なし。 21MHzは70Wまでなら問題なし。 28MHzでは50Wまでなら問題なし。
    なお、入力回路の再調整が必要。

 

5.結論と諸元測定
  • プレート電圧を半分、811Aを4本が良い。
  • 3.5〜14MHzは余裕があり、100W連続キャリアを長めに入れてもプレートの赤熱はない。
  • 21MHzは100W連続キャリアを長めに入れると入力回路から煙が出るので要注意。入力70Wが限度。
  • 28MHzは入力50Wが限度。
  • ローバンドは出力が高めなので、ALCを併用する必要がある。
  • 以下、諸元測定結果。