Act 2 Scene 4
第2幕 第4場
The mountain of Sarakina. | サラキナ山。 | |
A rocky, desolate place. | 荒れた岩山。 | |
Priest Fotis and his people. | フォティス司祭と人々。 | |
Old man | 老人 | |
Three times I have seen villages planted and uprooted. | わしは村を耕し、根を生やしたのを3回見てきた。 | |
The plague, the earthquake, the Turks. | 疫病、地震、トルコ人だ。 | |
But three times also I've seen the seed of man put forth! | しかし3回とも人が前向きに種を蒔くのを見てきた。 | |
A priest gave his blessing, the men took | 司祭は祝福を与え、若者たちは妻を娶り、 | |
wives and within a year, what a joy, my lads! | そして一年以内に、何という歓び、若者たちよ! | |
Stalks of corn were sprouting from the earth, | とうもろこしの茎が地面から伸びてきて、 | |
smoke was rising, | 煙が上がり、 | |
new born babies were crying. | 生まれたばかりの赤ん坊が泣いていて。 | |
What a joy! | 何という歓びだ! | |
Meantime, Priest Fotis puts on his stole, takes | そのときフォティス司祭がストラ(聖職者が首にかける布)を付け、 | |
a gourd with water. Standing on a rock, he | 聖水を地面にまいた。岩の上に立ち6人の少年を彼の周りに呼び集めた。 | |
calls and groups around him six boys. The whole | 群集全員が立ち上がり、彼の後ろに並んだ。 | |
throng stands up and ranges itself behind him. | ||
Fotis | フォティス司祭 | |
Here we'll build the gate! | ここに門を建てよう! | |
The colossus raises the banner of Saint George. | 大男が聖ジョージの旗を掲げる。 | |
The men take thier tools, picks, spades and shovels. | 男達は大工道具、つるはし、鋤、シャベルを手にとる。 | |
Refugees, Children | 難民、子供たち | |
Kyrie eleison, Kyrie eleison. | キリエ・エレイソン、キリエ・エレイソン | |
All go to the east side. The old grandfather | みんなは東側に行く。年老いたおじいさんは | |
takes the lead with his sack on his back. | サックを背負い、先頭を行く。 | |
Priest Fotis sprinkles the stones with a . | フォティス司祭は掃除をするような身振りで石を | |
sweeping gesture | 撒き散らしている。 | |
Fotis | フォティス司祭 | |
This is Thy gate, O Lord! | これがあなたの門です。おお、主よ! | |
Refugees, Children | 難民、子供たち | |
Lord! | 主よ! | |
Fotis | フォティス司祭 | |
Here is where Thou wilt enter, ... | ここがあなたのお入りになる・・・ | |
Refugees, Children | 難民、子供たち | |
...wilt enter, ... | ・・・お入りになる・・・ | |
Fotis | フォティス司祭 | |
... when Thou hearest our voice ... | …あなたが我々の声をお聞きになるとき… | |
Refugees, Children | 難民、子供たち | |
...our voice... | ・・・私たちの声を・・・ | |
Fotis | フォティス司祭 | |
...and wilt descend to the earth in the hour of danger. | ・・・そして危機の時に地に降りられ。 | |
Refugees, Children | 難民、子供たち | |
... in hour of danger! | ・・・危機の時に! | |
Fotis | フォティス司祭 | |
Here is Thy gate! Enter! | ここが汝の門です! お入り下さい! | |
Refugees, Children | 難民、子供たち | |
Enter! | お入りください! | |
They move to the South.At that moment, | 彼らは南へと移動する。そのとき、 | |
Yannakos appears, but nobody notices him. | ヤンナコスが現れる。しかし、誰も彼に気づかない。 | |
He stops behind a rock, amazed, | 彼は岩の後ろで立ち止まり、驚き、 | |
and looks around, bewildered. | そしてまわりを見渡し、当惑する。 | |
Fotis | フォティス司祭 | |
Here we'll build the gate of the Virgin! | ここにマリア様の門を建てるのだ! | |
Refugees, Children | 難民、子供たち | |
Virgin Mother! | ヴァージン・マリア様! | |
Fotis, Men | フォティス司祭、男達 | |
You know the meaning of life, of hunger and death. | 人生の意味がわかっておられますね、空腹や死の。 | |
Women | 女達 | |
You know the meaning of patience and love! | 忍耐と愛の意味をわかっておいでですね! | |
All | 全員 | |
Our Lady! | 私たちのマリアよ! | |
Look down on our village, | 村を見下ろし、 | |
give us the strength to work and never dispair! | ||
Fotis | フォティス司祭 | |
Here is your gate! Enter! | これがあなたの門です! お入り下さい! | |
Refugees | 難民 | |
Enter! | お入り下さい! | |
Yannakos | ヤンナコス | |
Here is your gate? Where d'you see a gate? | これがあなたの門です? そんな門どこにあるのだろう? | |
What village are they going to build? | どんな村を造ろうというのだろう? | |
With what? | どうやって? | |
Out of the air? Hang all! They are starving, | 何もないところに? バカな! 彼らは飢えてるんだ、 | |
yet they talk of buiding! They are mad! | まだ村を建てる話しをしてる! 狂ってる! | |
The old man leads the people to the opposite | 老人が反対側に人々を誘導する。 | |
side. | ||
Old Man | 老人 | |
Dig here! | ここを掘るのじゃ! | |
Here will be the gate of Saint George! | ここに聖ジョージの門ができるのだ! | |
Make our goats and lambs to prosper, | 山羊や羊に繁栄を頼もう | |
let them give us milk for our children, | 我々の子供らにやるためのミルクを出させよう | |
meat for our body and help it to carry our soul. | 我々の肉体になり魂を働かせる助けとなるよう肉を獲ろう。 | |
Let them give us wool, | ウールを獲ろう。 | |
that the snow shall not overcome us. | 雪が我々を打ちのめすことのないよう。 | |
Bless all the creatures that love and serve Man, | すべての創造物に | |
the oxen, the donkeys, the dogs, | ||
the chickens and rabbits. | ||
Saint George, here is your gate! Enter! | ||
Refugees | 難民 | |
Enter! | お入りください! | |
The old man goes down into the grave and piles | 老人は墓の中に降りていき溝に | |
the bones reverently in the trench. | うやうやしく骨を積んだ。 | |
Yannakos | ヤンナコス | |
They are stark raving mad! | 彼らは本当のほんとに狂ってきている。 | |
God help me! | 神よお助けを! | |
Fotis | フォティス司祭 | |
Grandfather! That can't be! | 老人よ! それはいけない! | |
That can't be, pull him out, my sons! | それはいけない、彼を引っ張りだすのだ、みんな! | |
Old man | 老人 | |
I'm here where I should be! Leave me here! | 私はここにいるべきなんだ! ほっといてくれ! | |
If a human being is not sealed up in the | もしも村を建てるときに人が封印されなければ、 | |
foundation of a village, | 村はすぐさま崩れるでしょう。 | |
that village soon crumbles! | ||
Yannakos can no longer restrain himself, | ヤンナコスはもはや自分を押さえきれず、 | |
he leans over the rock. | 岩にもたれかかる。 | |
Fotis turns and recognizes him. | フォティス司祭が振り向き、彼に気がつく。 | |
Fotis | フォティス司祭 | |
Here is a good man from Lycovrissi. | リコヴリッシ村の善人だ。 | |
Welcome Yannakos. | ようこそ、ヤンナコス。 | |
Shaking him by the hand with emotion. | ヤンナコスの手を取り篤く握手をした。 | |
Yannakos bursts into sobs. | ヤンナコスは堰切ったように泣き出した。 | |
Fotis | フォティス司祭 | |
What's troubling you, my son? | どうしたのだね、私の子供よ? | |
Tell me. What's wrong? | 話したまえ。何があったのだ? | |
Is it something you've done? | 何かやったのかい? | |
Yannakos | ヤンナコス | |
I've sinned, I want to confess. | 俺は罪を犯したんだ。話しちまいたい。 | |
Fotis | フォティス司祭 | |
Come with me. | 来なさい。 | |
Fotis takes him by the arms and they go apart. | フォティス司祭は彼の腕を取り、その場を離れる。 | |
Yannakos begins to talk to Fotis. | ヤンナコスはフォティス司祭に話し始める。 | |
Yannkaos | ヤンナコス | |
I made an agreement with Ladas! | 俺はラダスじいさんと結託したんだ! | |
And here is the account! | そしてここに証拠がある!???????????? | |
The three gold pieces! | 3枚の金貨でさ! | |
Yannakos' legs fail him, | ヤンナコスは彼に負けたんです。 | |
What are you thinking, Father? | どのようにお考えですか、司祭さま? | |
Fotis | フォティス司祭 | |
I am thinking that Man is a beast, | 私は人は獣だと考えているのだ、 | |
a savage beast! | 野蛮な獣だと! | |
Yannkos | ヤンナコス | |
Worse than a beast, a slimy and worthless worm! | 獣より悪いですよ、卑屈で価値のないミミズです! | |
That's what man is Father, | ||
take these gold pieces, for the children. | この金貨をお取り置きください、子供たちのために。 | |
If you can, forgive me ... my soul never will rest again. | もしもできるなら、俺を許して・・俺の魂は決して休まることはないだろう。 | |
Forgive me ... for me the redemption hangs on your lips! | お許しください…罪の贖いを | |
Fotis | フォティス司祭 | |
(throwing himself into Yannkaos' arms) | (ヤンナコスの腕に飛び込む) | |
Be forgiven. My blessing to you! | 許されよ。祝福を与えよう! | |
There is a movement around the grave. | 墓のまわりでのひととき。 | |
Men | 男たち | |
Father! The old man is dead! | 司祭さま! 老人が死んでいます! | |
Fotis | フォティス司祭 | |
May God forgive him. He died happy, | 神はお許しになられたのでしょう。彼は幸福に死んだのです。 | |
llet him lie there in the foundations of our village. | 彼を我々の村の礎に寝かせましょう。 | |
Brothers! | 兄弟達よ! | |
Let's lay new foundations of our village, | 私たちのの村の新しい礎を建てましょう。 | |
a new foundation for our souls! | 私たちの魂のための新しい礎を! | |
What did the first Christians do? | 最初のキリスト信者は何をしたのでしょうか。 | |
The me undergroud, in catacombs, and | 地下に、 | |
laid the foundations of a new world! | 墓、そして新しい世界に礎を気づいたのです。 | |
Last night I had a dream. | 昨夜私は夢を見ました。 | |
I saw Saint George, he placed in my hand the | 私は聖ジョージを見たのです、 | |
seed of a new village. | 彼は私の手のひらに新しい村の種を置きました。 | |
Here, in my palm, a little, little village, | ここ、私の手のひらに、小さな、小さな村が、 | |
here in my palm, with its church, | ここ、私の手のひらの中に、教会や | |
its school, its houses, its gardens. | 学校や家々や庭がある。 | |
And he said to me:"Plant it!" | そしておっしゃったのす、「耕せ!」と。 | |
Lord, save Thy people! | 主よ、汝の民をお守りください。 | |
Yannakos, Refugees, Children | ヤンナコス、難民、子供たち | |
Kyrie eleison, Kyrie eleison | キリエ・エレイソン、キリエ・エレイソン。 |
サン・ジョルディ303年4月23日に殉教した聖人。現代ではイギリスの守護神。元はケルト文化の中で語り継がれてきたもの。
*聖ゲオルギウスのドラゴン退治
*サンジョルディの日(4月23日)
聖ゲオルギウス信仰はケルト文化の中で語り継がれて来たものです。それがや がて十字軍の時に戦士たちの守護者として信仰されるようになり、イギリスや ギリシャやカタロニヤなどで町の守護神として崇敬されるようになっていきま す。そしてカタロニヤではこの日に男性が女性に赤いバラを贈る習慣ができま した。これは赤が聖ゲオルギウスが退治した竜の血の色とされるからです。 聖ゲオルク
古代ローマの殉教者ゲオルギウスに は、ドラゴン退治の伝説がある。カッパドキアの王国に毒気を振りまく巨大な悪竜がおり、人々に生贄を要求していた。そしてついには王女が生贄として捧げら れることになったが、そこに通りかかった聖ゲオルギウスによって竜は退治され、人々をキリスト教に改宗させた。彼はドイツで「聖ゲオルク」と呼ばれて尊敬 を受け、守護聖人とされている。 龍の奇跡
伝説の成立は11世紀から12世紀頃といわれる。
*ウキペディア
ゲオルギウス(Georgius)は、キリスト教の聖人の一人。ドラゴン退治の騎士としても有名である。
古代ローマ末期の殉教者。イタリア語形ジョルジョ Giorgio, スペイン語ホルヘ Jorge, 英語形でジョージ George, フランス語形はジョルジュ Georges, ドイツ語形ではゲオルク Georgともなる。ゲオルギウスはラテン語名で、原形のギリシア語形ゲオルギオス Georgiosの語義は「大地で働く人」、即ち「農夫」を意味する。
カッパドキアのセルビオス(Selbios)王の首府ラシア(Lasia)付近に、
毒気は振りまく、人には咬み付く、という巨大な悪竜がいた。
人々 は、毎日2匹づつの羊を生け贄にすることで、何とかその災厄から逃れることとなったのだが、
それが通用するのはそんなに長い時間のことではなかった。羊を 全て捧げてしまった人々は、
とうとう、人間を生け贄として差し出すこととなった。
そのくじに当たったのは、偶然にも王様の娘であった。王は城中の宝石を差 し出すことで逃れようとしたが、
もちろんそんなもので誤魔化せるはずはなかったが、かわりに8日間の猶予を得た。
そこにゲオルギウスが通りかかった。彼は話を聞き、「よし、私が助けてあげましょう」と出掛けていった。
ゲオルギウスは、竜と囚われの姫のところに行くと、姫の腹帯を借り、それを竜の首に付けて犬か馬のように村まで連れてきてしまった。大騒ぎになったところで、ゲオルギウスは言い放った。
「キリスト教徒になると約束しなさい。そうしたら、この竜を殺してあげましょう」
こうして、異境の村はキリスト教の教えを受け入れた。
*http://www2u.biglobe.ne.jp/~simone/aya/pan/p_fg/george.htm
*http://structure.cande.iwate-u.ac.jp/miyamoto/euroname2.htm
イギリスではジョージ1世(在位1714-27)からジョージ4世(在位1820-30)まで
ドイツのハノーファー出身の国王が続いた。
その後もジョージ5世(在位1910-36)、ジョージ6世(在位1936-52)という国王が出た。
このジョージ6世はエリザベス2世の父親である。
アメリカのジョージア州もジョージ2世にちなむし、初代大統領ジョージ・ワシントン
の名もジョージ2世にあやかって付けられたという。
英語名ジョージ(George)は、ギリシャ語名ゲオルギオス(Georgios)、ラテン語名
ゲオルギウス(Georgius)が語源である。
竜を退治した聖ゲオルギウス伝説は、メソポタミアの豊饒神話がもとになって、
各地の神話を取り入れられ、次のような聖ゲオルギウス伝説ができている。
聖ゲオルギウスが、トルコの西部リュデアのシレネを通りかかった時、
湖の竜の生け贄として捧げられた王女を見つけ、王女を助けるべく、
竜退治ら成功する。そして王をはじめ多くの人々をキリスト教に改宗させた。
ドイツでも、聖ゲオルギウスは聖ゲオルク(Georg)と呼ばれ、ドイツの守護聖人
として尊敬されている。